今週新たに公開されたマツダが出願中の特許は19件。
その中から気になった内容を取り上げます。
今回取り上げるのは「FRのハイブリッド車両におけるバッテリー搭載方法」に関する内容です。
まずは「車両のバッテリ冷却装置」という内容。
https://ipforce.jp/patent-jp-A-2020-104532
助手席側の足元奥にバッテリー搭載を目指している内容です。
搭載されるバッテリーは主にリチウムイオン電池を視野に入れている模様。
さらに、スピーカーがMAZDA3・CX-30と同様に足元奥へ設置されているのもポイント。
資料に書かれている特許の目的は・・・・
助手席の下方且つ前方側にバッテリーを配置することにより助手席乗員の頭上スペースを確保することが考えられるが、バッテリー冷却後の冷却風の排出が課題となる。
つまり、充放電によって自己発熱したバッテリーは、車室内の雰囲気よりも高い温度に上昇しているため、バッテリと熱交換した直後の冷却風の温度は冷却前の冷却風温度に比べて高温になっている。
そして、バッテリ冷却後の冷却風が車室内に直接排出される状況では乗員が周囲に滞留している高温の排気風を感知した場合、乗員が不快感(違和感)を覚えるおそれがある。
本発明の目的は、乗員の頭上スペースを確保しつつバッテリ冷却後の冷却風により乗員が不快になることを抑制可能な車両のバッテリ冷却装置等を提供することである。
この特許と関係する別の内容もあります。
それが「バッテリ搭載装置」という内容。
https://ipforce.jp/patent-jp-A-2020-104578
この特許ではFRであることを具体的に占める説明図も掲載。
1枚目の説明図を改めてチェックすると・・・・(赤丸部分)
・エンジン・・・No.2
・モーター/ジェネレーター・・・No.4
・トランスミッション・・・No.6
やや簡略化されている図ですがパワートレインが縦置き(=FR)になっています。
さらに資料に書かれている特許の目的を見ると・・・・
車両に搭載されるバッテリは、或る程度の大型化は避けることができない。
このため、車両のシートの下側にバッテリを収納するとシート上方の空間が狭くなるため乗員の頭部と車室の天井面の間の距離が近くなり圧迫感を与えるという問題がある。
この問題は、車高全体が低いスポーツタイプの車両において特に顕著になる。
また、後部座席の後方にバッテリが収納されている車両も存在するが後部座席の後方にバッテリが収納すると荷物を積載するためのトランクスペースが狭くなり車両の使い勝手が悪くなると言う問題がある。
従って、本発明は乗員に圧迫感を与えたりトランクスペースを狭くしたりすることなくバッテリーを車両に搭載することができる搭載装置を提供することを目的としている。
車高が低いスポーツタイプの車両への搭載も視野に入れてるのがポイント。
このような点から次期MAZDA6などのラージ群モデルだけでなく、ロードスターや次世代ロータリースポーツへの展開も視野に入ってるように思えます。
ちなみに、助手席の足元へバッテリーを置く事を目指したマツダの特許は9年前に登録された「車両用部材の配設構造」という内容を思い出します。
1枚目の説明図でロードスター向けの特許であることが分かりますが、この内容の主な目的は・・・
・助手席だけ前後スライド無しの固定式にして軽量化とコスト削減を両立。
・助手席足元奥にバッテリーを搭載して前後重量配分の改善。
ロードスター向けという事もあってかなり攻めた内容で今でも印象に残っています。
この時は交換用バッテリーがメインに考えられてましたが、ハイブリッド用の電池搭載も視野に入れられてました。
今回新たに公開された特許も似たような方向性に思えますし、環境規制も厳しくなっているのでロードスターにM-ハイブリッド採用という事も今後あるかもしれません。
ちなみに9年前の特許内容はちょうどNDロードスターの噂が徐々に出てきていた時期に某SNS内でチェックさせていただいていたユーザーさんが取り上げているのを見て知りました。
この時はRX-8が生産終了というタイミングでもあったので「ロータリーはどうなる?」「NDロードスターはどうなる?」という思いからマツダの特許に興味を持ち始めるきっかけにもなっています。
9年前の特許はかなり攻めた内容という事もあってNDロードスターには反映されていませんが、今回新たに公開された内容はなかなか現実味がありそう・・・・。
今後どのように量産車へ反映されるのか気になるところです。