今週新たに公開されたマツダが出願中の特許は8件。
その中から気になった内容を取り上げます。
特許情報プラットフォーム
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/
まずは「車両駆動装置」という内容。
(特開2020-138718)
こちらはロータリーエンジンを搭載したハイブリッド車両(マルチxEV)に関する内容です。
ロータリーエンジンによって直接駆動される事は視野に入れていないようです。
主な構成は・・・
・発電用ロータリーエンジン・・・No.2
・駆動用モーター・・・No.4
・ジェネレータ・・・No.6
・減速機構(減速ギア)・・・No.10
これまで出てきたレンジエクステンダー等のマルチxEV関連の特許と同じ構成になっています。
資料に書かれている特許の目的は・・・・
本発明は、駆動モータ・内燃機関・及び発電機を備えながら、車両の重量バランスや運動性能が低下するのを抑制することができる車両駆動装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明はモーターの動力により車両を駆動する車両駆動装置であって、電力により駆動される駆動モータと燃料により動力を発生する内燃機関とこの内燃機関によって駆動される発電機を有し、車両の車幅方向に駆動モータ・内燃機関・発電機の順に配置されていることを特徴としている。
このように構成ならば、比較的重量の大きい内燃機関が駆動モータと発電機の間に位置するため、車両の左右の重量バランスが崩れにくく重量バランスが悪くなるのを抑制することができる。
また、内燃機関が駆動モータと発電機の間に位置するので車幅方向の比較的内側に内燃機関が位置することとなり、車両のヨー軸まわりやロール軸まわりの慣性モーメントを低下させることができ、運動性能の低下を抑制することができる。
続いては2つの「車両の後部車体構造」という内容。
その①(特開2020-138577)
資料に書かれている特許の目的は・・・・
従来構造は、車体後部に車幅方向の環状構造部を形成するものであるが、内側リヤピラーレインがリヤサスペンションのダンパ支持部に対して車両前後方向の前方側に離間している関係上、車体後部の剛性を効率的に向上させることができず、車体後部の剛性向上の点で改善の余地があった。
そこで、この発明は、車両後部の車体剛性を確実に向上させることができる車両の後部車体構造の提供を目的とする。
その②(特開2020-138575)
資料に書かれている特許の目的は・・・・
従来構造は、車体後部に車幅方向の環状構造部を形成するものであるが、内側リヤピラーレインがリヤサスペンションのダンパ支持部に対して車両前後方向の前方側に離間している関係上、車体後部の剛性を効率的に向上させることができず車体後部の剛性向上の点で改善の余地があった。
そこで、この発明は、リヤサスペンションのダンパ支持部の前後に環状構造部を形成することで、車両後部の車体剛性を確実に向上させることができる車両の後部車体構造の提供を目的とする。
この2つの特許出願は共に車体後部の剛性向上を目指している内容ですが、説明図を比べて見ると気になる違いがいくつかあります。
まず、リアサブフレーム(青丸部分)とリアガラスの形状(赤丸部分)が異なります。
特に気になる部分であるリアガラス形状が似ている現行車種を並べて見ると・・・・
その①はCX-5、その②はCX-3と似てるように見えますが、リアガラス形状やハッチゲート開口部との距離が少し異なるようにも思えます。
さらにもう一つ大きな違いがこちら・・・・
フロアトンネル開口部の大きさ(赤丸部分)とフロアトンネルの高さ(青丸部分)が異なります。
ちなみに、現行MAZDA3の透視図と並べて見ると・・・・
その②のフロア開口部はMAZDA3と同等なので”横置き=FF”である可能性が高いです。
この2つに比べてその①はフロアトンネル開口部がさらに大きいのでエンジンやトランスミッションを”縦置き=FR”にすることも可能な気が・・・・。
あくまで個人的な妄想ですが、「その①→次期CX-5」、「その②→次期CX-3」に関する内容という可能性もゼロでは無いかもしれません。
今週気になった内容は以上になります。
今週は発電用ロータリーエンジンを使ったマルチxEVやマツダの次世代モデルを予感させる(かもしれない)内容が公開されたので中身の濃い特許出願公開でした。
来週以降もどんな内容が出てくるのか注目しておきたいと思います。