2021年最初に公開されたマツダが出願中の特許は11件。
その中から気になった内容を取り上げます。
まずは「車両の制御装置及び車両の制御方法」という題名の内容。
特開2021-1556 | 知財ポータル「IP Force」
こちらは「水噴射装置を備えたエンジン」に関する内容です。
主な構成内容。
・No.1:改質触媒
・No.2:水タンク
・No.3:水噴射弁
改質触媒と水を化学反応させる事で生成された水素を燃料ガスと共にエンジン(燃焼室)へ供給。
これを行う目的は「燃料の着火性を高めることによる熱効率向上」との事。
〇資料に記載されている特許の目的
改質触媒への水供給用の水通路を備えた車両において、バッテリー残量の低下を抑制しつつ、水通路に残留した水を適切に水タンクに回収することができる車両の制御装置及び制御方法を提供すること。
マツダの特許では以前にも水噴射装置を備えたエンジンに関する内容が出てきていますが、SKYACTIV-Xの次となる第3世代エンジンに関係する可能性がありそうです。
続いては「カーシェアリングサービスを用いた支援システムおよび支援方法」という題名の内容。
特開2021-2118 | 知財ポータル「IP Force」
〇資料に書かれている特許の目的
地方では、高齢化や人口減少など多くの問題を抱えており、交通空白地域において交通弱者は、通院や買い物等になくてはならない移動が奪われている。
このため、交通空白地域の人々に必要不可欠な交通手段として住民が保有する自動車を運行用車両として利用し、また自動車を保有するドライバーを運行用車両の運転者として利用した運行を行う有償運送が着目されている。
このような有償運送は、交通空白地域に、単に、必要不可欠な交通手段を提供するだけでなく、豊かな地域の維持、創造を通じて地域の活性化を図る可能性を秘めており、その有効な活用が望まれている。
上記交通空白地域は、過疎地であることから家々が密集することなく互いに大きく離れた位置関係にある場合が多々存在する。特に、いわゆる一軒家と呼ばれるように、隣りの家に対して大きく離れている場合も多く存在する。
上述した過疎地では、自宅を留守にする際に近所に他の家が存在しない等のことから(近隣住民の監視の目が期待できないことから)、防犯上極めて好ましくない状況になりやすいものである。特に、高齢化が進んだ過疎地では、同居家族がいない場合も多々存在することから、外出する際には自宅に誰も残っていないという状況を生じ易いものとなる。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、カーシェアリングサービスのシステムを有効に利用して、留守時における防犯機能を高められるようにしたカーシェアリングサービスを用いた支援システムおよび支援方法を提供することにある。
マツダは広島県や三次市と連携して2018年からコネクティビティ技術を活用したライドシェアサービスの実証実験を開始していますが、今回の内容は実証実験で使用されてるシステムである可能性が高そうです。
ちなみに、今週公開された特許出願ではコネクティビティ技術に関する内容が他にも多く公開されています。
〇独居高齢者などを見守るための携帯端末に関する内容
〇コネクティッドサービスを通じて地域コミニュティと自動車ユーザーの活性化を目指した内容。
コネクティッドサービスの重要度は今後さらに高まる可能性が高いので特許関連でもこのような内容が増えてくると思われますね。
今週気になった内容は以上となります。
2021年もどのような内容が出てくるのか注目していきたいと思います。