国内外で高い評価を得ているマツダデザインを創り上げる上で重要なポイントの一つであるクレイモデル。
これを創り上げるモデラーの仕事を詳しく取り上げている記事が海外で発信されています。
今回取り上げるのは大手自動車メディア「CAR AND DRIVER」のギリシャ版で公開されたこの記事。
「”MAZDA TAKUMI(匠)” 自動車彫刻の背後にいる人々」という題名でクレイモデラーの仕事内容を詳しく取り上げています。
記事の内容を取り上げる前に改めてクレイモデラーについて簡単におさらいを・・・。
クレイモデラーとはデザイナーが思い描いたイメージをクレイと呼ばれる工業用粘土を使って立体化し、理想の造形に近づける役目を担う職人。
デジタル化全盛の現代でもクレイモデルによってデザインを創り上げているのがマツダの強みと言われています。
「CAR AND DRIVER」ギリシャ版ではクレイモデルの制作過程を詳しく紹介。
〇クレイモデル制作に要する期間。
・小さいモデルは約4週間
・1:4スケールモデルだと約8週間
・1:1スケール(実物大)モデルだと約半年。
マツダは自動車メーカーの中でも特にクレイ粘土の使用量が多いと聞いた事がありますが、実際に開発段階で多くのクレイモデルを創り上げているようです。
そしてさらにマツダのクレイモデルに関する特徴も紹介。
・1:1スケール(実物大)のクレイモデルはスチールフレームと合わせて約1.5トン、これはNDロードスターより重くてMAZDA6ワゴンより僅かに軽い。
・モデラーはまずワックス、オイル、染料、フィラーを混合した特別な粘土を60°Cに加熱、次にスチールフレームに粘土を装着してから手作業で車の形を創り上げていく。
・「匠」の称号を持つクレイモデラーは広島本社の3名のみ。
・「匠」の称号を得るまでには約20年間様々な立場で技能を磨く必要があり、見習いモデラーから始めて長い期間を通じて進化する必要がある。
僕もイベントでクレイモデルに触った事がありますが、粘土が想像以上に熱くてビックリしました(笑)
実際に使用している道具も使わせていただきましたが、削るのがかなり難しかったのを覚えています・・・。
ちなみに、クレイ粘土を削るための道具は各自自分に合う物を用意しているとの事。
これまで数々のデザイン賞でも選出されてきたマツダデザインですが、このような職人の方々によって実現されている事を実感します。
今は新型コロナウイルスによる影響からイベントを実施しにくい状況ですが、また機会があれば色々話を聞いてみたいところですね・・・。
マツダ公式HPでも先に触れた野﨑亮介さんと寺内範雄さんが紹介されているので是非こちらもチェックしてみてください。