つらつらとMAZDA

マツダに関する備忘録的ブログ。

マツダが「ロードスター用と思われるカーボン(CFRP)製タワーバー」に関する特許を欧州で出願。

(画像 EPO)

 

日本と並行して米国と欧州で公開されるマツダの特許情報もチェックしていますが、欧州で興味深い特許が新たに出願されています。

 

今回取り上げるのは「欧州特許庁」のデータベース。

8月31日付でマツダの特許出願が2件公開されたのですが、なかなか興味深い内容となっているので紹介したいと思います。

 

 

〇1件目(EP4049918A1)

〇2件目(EP4049919A1)

※説明図はどちらもほぼ同じ。

 

(資料内に書かれている説明)

The strut tower bar 20 mainly includes a pair of left and right first coupling members 30 that shift to the inside in the vehicle width direction toward the rear side, a second coupling member 40, extending in the vehicle width direction.

ストラットタワーバー20は、車両幅方向に延びる左右一対の第1連結部材(図中No.30)と、後側ほど車幅方向内側にずれる第2連結部材(図中No.40)とを主に備えている。

The main material of the first coupling members 30 and the second coupling member 40 is carbon fiber reinforced plastic (CFRP) in which a reinforcing material (for example, carbon fiber) is impregnated with a synthetic resin.

第1連結部材(図中No.30)及び第2連結部材(図中No.40)の主材料は、補強材(例えば炭素繊維)に合成樹脂(例えば熱硬化性エポキシ合成樹脂)を含浸させた炭素繊維強化プラスチック(CFRPである。

(画像 EPO)

〇資料に記載されている特許の目的

(1件目)
An object of the present invention is to provide a front body structure of a vehicle and the like that can reduce the vertical displacement of the top portions of the suspension towers and damp vibrations in the torsional direction between the top portions of the suspension towers and the dash member without increasing the weight of the vehicle body.

本発明の目的は、車体重量を増加させることなくサスペンションタワーの上端部の上下方向の変位を低減し、サスペンションタワーの上端部とダッシュ部材との間のねじれ方向の振動を減衰することができる車両等のフロントボディ構造を提供することである。

(2件目

An object of the present invention is to provide a body structure of a vehicle or the like capable of exerting a vibration damping function regardless of an input portion.

本発明の目的は、入力部によらず振動減衰機能を発揮することができる車両等の車体構造を提供することにある。

こちらは「カーボン(CFRP)製のタワーバー」に関する特許出願ですが、説明図に登場している車がどう見てもロードスターです(笑)

リアフェンダーやエンジンルームはほぼNDロードスターのようですが、説明図で描かれているタワーバーはNDロードスターに採用されているものと比べると構造や太さが少し異なりますね・・・。

(画像左:EPO、右:MAZDA UK)

いつも通り"あくまで特許"ではありますが、この特許出願はNDロードスターの大幅改良や次期型を視野に入れた内容なのかもしれませんね・・・・。

 

 

マツダの特許では以前からカーボン(CFRP)製車両補強部材の採用を視野に入れた内容が複数出願されており、以前から注目度が高いアルミ製スペースフレームに関する特許出願でも"X形状"のCFRP製タワーバーが登場しています。

CFRPを採用するのはコスト等が課題になってきそうですが、今後は安全性や電動化対応によって車両重量が増えていきやすい傾向にあると思われるので、ロードスターだけでなく他の車種でもCFRPの必要性がさらに増してくるかもしれませんね。



今回の特許出願は欧州で公開されましたが、今後日本の特許情報でも公開される可能性があるのでその時はまた改めてチェックしたいと思います。