つらつらとMAZDA

マツダに関する備忘録的ブログ。

マツダが「EV走行も可能なパラレル式ハイブリッドシステム」に関する特許を出願。

(画像 IP Force.jp)

2023年に入ってから中々目立った動きが無かったマツダの特許情報ですが、今週になってようやく気になる特許出願が公開されました。

 

 

知財ポータルサイト

https://ipforce.jp/

〇特許情報プラットフォーム

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

 

 

今回取り上げるのは「車両用電池ユニット制御装置」という題名の内容を2件。

(1件目:https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-14820

(2件目:https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-14821

(画像 IP Force.jp)

〇資料に記載されている特許の目的

(1件目)

大電流充放電によって電池の不可逆劣化が始まるタイミングは、電池の経年劣化の状態や、電流値、温度等によって異なる。そのため、大電流充放電の継続時間の制御で不可逆劣化を避けるためには、相当な余裕をもって当該継続許可時間を短く設定しなければならなくなる。その場合、車両の運転状況によっては電流制限の介入頻度が高くなり、例えば、電気自動車にあっては車両の加速運転が制限され、ハイブリッド車にあってはエンジン駆動を強いられて燃費の悪化を招くことになる。

そこで、本発明は、電流制限の介入頻度を過渡に高くすることなく、大電流充放電による電池の不可逆劣化を抑える。

(2件目)

本発明は、大電流充放電継続中の電池セルのハイレート劣化の進行を抑制することを課題とする。

こちらはハイブリッド車のバッテリー制御に関する特許出願ですが、「EV走行も可能なパラレル式」になっているのが注目ポイントで、説明図を見る限りだとFFベースの可能性が有力・・・?

現在マツダハイブリッド車でEV走行が可能なのは「CX-60 PHEV」と「MX-30 R-EV」ですが、CX-60 PHEVはFRベースでMX-30 R-EVは発電用ロータリーエンジンを採用したシリーズ式ハイブリッドなので、今回の特許は既存のマツダ車には無い構成となっています。

パラレル式だけでもメーカーによって様々な種類があるので、どれに似てるというのは難しい話ですが、モーターがエンジンとトランスミッションの間ではなく車軸上に配置されているのが特徴的なのでしょうか・・・?

現時点でこの特許と関係がありそうなのは、昨年11月に発表された中期経営計画のアップデートおよび2030年の経営方針の中でフェーズ2(2025~2027年)に導入予定と公表された「新しいハイブリッドシステム」

マツダが「中期経営計画のアップデートおよび2030年の経営方針」を正式発表、2ドアクーペのビジョンスタディモデルも初披露。 - つらつらとMAZDA

(画像 MAZDA)

今のところマツダからは「これまで積み上げてきた技術資産を有効に使った新しいハイブリッドシステム」とだけ公表されているので、詳細はまだ不明・・・。

ただ、この発表からすぐの昨年12月に日刊自動車新聞マツダがEV走行も可能なストロングハイブリッドを採用した新型車を2025年頃に投入する方針」と報道したので、今回の特許と関係がある予感もします。

もし新しいハイブリッドシステムと今回の特許が関連してる場合、2025年頃に登場する新型車はFFベースという可能性が出てきますが、ここ最近のマツダは全体的にモデルライフが長くなっているので多くの候補が挙がりますね・・・。

☆FFベースのマツダ

・MAZDA2・・・・・2014年発売(デミオ時代含む)

・MAZDA3・・・・・2019年発売

・MAZDA6・・・・・2012年発売(アテンザ時代含む)

CX-3・・・・・・2015年発売

CX-4・・・・・・2016年発売(中国のみ)

CX-5・・・・・・2017年発売

CX-8・・・・・・2017年発売

CX-9・・・・・・2016年発売(北米ではCX-90が後継モデルと公表済み)

・CX-30・・・・・・2019年発売

・CX-50・・・・・2022年発売

・MX-30・・・・・2020年発売

主力モデルと言える「MAZDA2」「CX-5」が最も有力候補かもしれませんが、比較的まだ新しい「MAZDA3」「CX-30」も2025年頃はモデル末期と言える時期なので、候補を絞り切れないですね・・・(笑)

 

新しいハイブリッドシステムに関してはまだまだ謎な部分が多いですが、今後さらに関連特許が出願される可能性も十分あるので引き続き注目しておきたいと思います。