今週新たに公開されたマツダが出願中の特許は37件。
その中から気になった内容を取り上げます。
〇特許情報プラットフォーム
まず最初に取り上げるのは「電気駆動ユニット」という題名の内容。
(1件目:https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-67199)
(2件目:https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-67202)
(3件目:https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-67204)
(4件目:https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-67205)






〇資料に記載されている特許の目的
(1件目)
インバータを構成している主な電子部品の配置などを工夫することにより、小型軽量化できて性能も向上できる電気駆動ユニットを実現させる。
(2件目)
インバータを構成している主な電子部品の形状、配置などを工夫することにより、小型軽量化できて性能も向上できる電気駆動ユニットを実現させる。
(3件目・4件目)
インバータを構成している主な電子部品の構造、配置などを工夫することにより、小型軽量化できて性能も向上できる電気駆動ユニットを実現させる。
こちらは「インホイールモーター搭載のFR車」の特許で、駆動用モーターとインホイールモーターに使用されるインバーターに関する内容です。
現在販売されている「CX-60」のインバーターはトランスミッションの上部(マイルドHV)と横側(PHEV)に配置されていますが、今回の特許はより小型軽量化してインホイールモーターにも採用可能にする事が目的と明記されています。


そしてインホイールモーターが含まれてるのを見ると、以前から複数の特許が出ている次世代スポーツカーとの関連性も頭に浮かびますが、今回の特許はトランスミッションが一般的なエンジン後方に配置されているので、ラージ商品群の進化版という可能性があるかもしれません。
2022年に日本で出願公開されていた「駆動用ロータリーエンジンを搭載したスポーツカー」と思われるマツダの特許が米国で登録されました。 - つらつらとMAZDA


続いては直6エンジンに関する特許を2件紹介。
「エンジンの上部構造」
https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-66037


〇資料に記載されている特許の目的
エンジンのメンテナンス性を向上させるとともに、車両衝突時においてフューエルレールが破損するのを抑制すること。
「エンジンの側部構造」
https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-66040




〇資料に記載されている特許の目的
車両の衝突時に燃料配管が破損するのを抑制すること。
この2件は衝突時に燃料配管(フューエルレール)が破損するのを防ぐ目的の特許ですが、ヘッドカバーを見るとスパークプラグらしき物が確認できるのでガソリンエンジンが有力。
マツダの直6ガソリンエンジンと言えばCX-90やCX-60豪州仕様に搭載される「e-SKYACTIV G 3.3ターボ」が頭に浮かびますが、公式画像と比較してみてもかなり似ています。
直6ガソリンエンジンはCX-60欧州仕様に追加予定の「e-SKYACTIV X 3.0」もありますが、こちらはNAエンジンと公表されているので吸排気形状は異なるのが有力。
その事から考えると今回の特許は「e-SKYACTIV G 3.3ターボ」関連の可能性がかなり高そうです。


今週気になった特許出願は以上となりますが、来週以降も気になった内容があれば随時取り上げていきたいと思います。