電動化対応を着実に進めているマツダですが、現在開発中の自社製ハイブリッドについて興味深い話が出てきました。
現在マツダが市販しているハイブリッド車は「マイルドハイブリッド(スモール群用24V / ラージ商品群用48V)」「プラグインハイブリッド(Rotary-EV / ラージ商品群用)」ですが、2022年11月に「これまで積み上げてきた技術資産を有効に使った新しいハイブリッドシステム」の開発計画も公表。
その後すぐに「モーターのみの走行も可能なストロングハイブリッド」という報道が出たのに続いて、今年5月の決算発表では「次期CX-5に自社製のハイブリッドシステム搭載」と公表されていました。
これまでの発表・報道からマツダが開発しているのはストロングハイブリッドで次期CX-5に搭載される可能性が高まっていましたが、さらに興味深い話が出てきています。
今回取り上げるのはマツダに関する情報でおなじみ「中国新聞」が本日掲載した記事。
・現在開発しているモーターだけで駆動可能なハイブリッドシステムを次期CX-5だけでなくラージ商品群にも搭載を検討。
・毛籠社長はBEVの販売が世界的に減速している事に触れ「環境に対する解決策はいくつかある。技術の拡張性を持っておかないといけない」と強調。自社製ハイブリッドシステムの搭載車を、最量販車種CX-5の次期モデルのほか「ラージにも出したい」と述べた。
・現在ラージ商品群の生産拠点は防府工場のみだが、全4車種が出揃う今年以降の販売状況によっては本社宇品工場でも生産する可能性を示唆。
・2027年頃に導入を予定しているEV専用アーキテクチャーの開発はまだ初期段階だが、雪上コースに試乗車を持ち込んで自ら運転も行い部品工場の見学も行っている。
マツダの毛籠社長は就任1年のタイミングでインタビューを受けたようですが、その中で現在開発しているストロングハイブリッドを次期CX-5だけでなくラージ商品群にも搭載検討する事を明言したとの事。
CX-5に関しては最量販車種という位置づけから次期型もFFベースになるのが有力視されていますが、毛籠社長のコメントだと新しいストロングハイブリッドはFFベース/FRベース両方に搭載可能なシステムなのでしょうか?
それとも「FFベース/FRベースそれぞれ別で開発」や「次期CX-5もラージ群アーキテクチャーベース」という予想外の展開だったり・・・?
個人的に次期CX-5もラージ群アーキテクチャーベースだった場合は"4気筒エンジン専用モデル"にして、CX-60~90は"直6エンジン/直4PHEV専用モデル"という棲み分けをするのもアリなのでは?という妄想も膨らみますが・・・。
ちなみに、マツダはドイツ・インフィニオン社と簡素な構造で高出力を出せる新しい電気駆動用インバーター(通称:±48V系)を共同開発しているので、こちらも新しいハイブリッドシステムと関係してくるのか気になるところ・・・。
毛籠社長はハイブリッドシステム以外に関してもコメントしていますが、現在防府工場のみで行っているラージ商品群の生産を今後の状況によっては本社工場でも行う可能性を示唆。
これに関しては昨年10月にも中国新聞で報道されていましたが、マツダ関係者から実際に明言されたのはおそらく今回が初です。
今後の状況次第と明言されていますが、本社工場に隣接しているマツダミュージアムの工場見学エリア(Zone9)が今月29日から一旦見学休止になるので、もしかするとラージ商品群生産に向けた製造ライン改修を行う可能性・・・?
あと、2027年頃に導入を予定しているEV専用アーキテクチャーの開発はまだ初期段階との事ですが、雪上コースで自ら運転も行うのは毛籠社長らしいエピソードかもしれません(笑)
自社製のストロングハイブリッドの詳細はまだ公表されていませんでしたが、次期CX-5だけでなくラージ商品群にも展開される可能性が出てきたことでより謎が深まった感じですね・・・。
マツダの場合はメディアやジャーナリストを対象とした技術説明会を定期的に開催するので、毛籠社長から今回のようなコメントが出てきたという事は近いうちにまた開催される可能性も・・・?
マツダは8月7日に2025年3月期第1四半期決算を発表するので、この場でもストロングハイブリッドに関する情報公開があるのか注目です。