つらつらとMAZDA

マツダに関する備忘録的ブログ。

今週新たに公開されたマツダが出願中の特許(2024.8.17:CN燃料などに対応したSKYACTIV-Xや6ストロークエンジンに関する内容)

(画像 IP Force.jp)

夏に入ってから少しずつ公開件数が増えつつあるマツダの特許関連情報ですが、今週も気になる特許出願が公開されています。

 

 

知財ポータルサイト

https://ipforce.jp/

〇特許情報プラットフォーム

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

 

 

まず最初に紹介するのは「エンジンの制御装置」という題名の特許出願。

2024-109521 | 知財ポータル「IP Force」

(画像 IP Force.jp)

〇資料に記載されている特許の目的

種々の環境問題に対応するために、熱効率を高めることが考えられている。これを実現するための方策として、理論空燃比よりも空気過剰側で燃料を燃焼させる希薄燃焼(いわゆるA/Fリーン燃焼)が広く知られている。

また、環境問題に対応するための別の方策として、カーボンニュートラル燃料等、いわゆる次世代燃料の使用も検討されている。しかし、現状では、次世代燃料の組成が一律に決まるとは言えず、例えば仕向地によって、燃料組成が異なる可能性がある。

(中略)

火炎の伝播速度を高めるべく、燃料組成に応じたレイノルズ数となるように空気の流動を調整することが考えられる。しかしながら、伝播速度を効率よく高める上で、検討の余地がある。

ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、多種燃料に対応させた希薄燃焼を実現することにある。

説明文にSPCCI燃焼と書かれているので「SKYACTIV-X(e-SKYACTIV X)」に関する内容ですが、こちらはガソリンだけでなくカーボンニュートラル燃料(CN燃料)などにも対応と書かれているのがポイント。

SKYACTIV-Xに関する特許はすでに多く出願されていますが、ガソリン以外の燃料にも対応する事が明記されてるのは確認した限りだと初めてのはず・・・。

マツダ関連はすでに国内のスーパー耐久シリーズ参戦車両(MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept)や英国マツダ保有しているヘリテージ車両にCN燃料を使用していますが、今後SKYACTIV-Xを対象にした実証実験や使用例も出てくるのか注目ですね。

 

 

続いて紹介するのは「車両の燃料改質システム(2件)」「車両の制御システム」という題名の特許出願。

「車両の燃料改質システム」

①:2024-110816 | 知財ポータル「IP Force」

(画像 IP Force.jp)

 

「車両の燃料改質システム」

②:2024-110819 | 知財ポータル「IP Force」

(画像 IP Force.jp)



「車両の制御システム」

2024-110818 | 知財ポータル「IP Force」

(画像 IP Force.jp)

こちら3つもレシプロエンジンカーボンニュートラル化に関する内容ですが、「燃料変質システム搭載」「6ストローク / 変則4ストロークサイクル」を視野に入れてるのが大きなポイントです

かなり専門的な内容ですが、素人なりに調べると炭化水素燃料(主にガソリン)を燃料変質システムで水素ガスとカーボンに分解。

水素ガスはガソリンより燃焼速度/燃えやすさが優れているので熱効率向上に効果があり、分解機に貯蔵されたカーボンも回収して産業用として活用する事にも触れられています(=カーボンニュートラル

マツダが現在市販車に搭載しているエンジンの燃料噴射は直噴式ですが、今回の特許は「炭化水素燃料=ポート噴射(2か所)」「水素ガス=直噴」と分けられており、この構成を利用して6ストローク / 変則4ストロークサイクル化する事を目指してる模様。

現在自動車用レシプロエンジンはほぼ4ストロークなのであまり馴染みが無いフレーズですが、6ストロークは低燃費を競う競技で使用された実績もあるようです。

ただ、調べた限りだと6ストロークエンジンを搭載した量産車はまだ存在しておらず、燃料噴射インジェクターを3つ搭載するとコストもかなり高くなりそうなのが課題でしょうか・・・?

マツダはこれまでにも燃料改質システムを搭載したエンジンに関する特許を出願しているので、様々な可能性を模索してる事は間違いないと思います。

 

 

今週気になった出願公開は以上となります。

今回はレシプロエンジンカーボンニュートラル化に関する内容でしたが、ここ最近話題が少なくなっていたSKYACTIV-X関連の内容が出てきたのは嬉しいポイント。

欧州では2025年にSKYACTIV-XをスペックUPさせる噂もあるので、これに合わせてCN燃料対応なども実施されるのか注目ですね。

 

令和6年能登半島地震災害の義援金受付関連リンク。

・石川県公式HP(令和6年1月4日から受付開始)

令和6年能登半島地震に係る災害義援金の受付について | 石川県

富山県公式HP(令和6年1月5日から受付開始)

富山県/「令和6年能登半島地震災害義援金(富山県被災者支援分)」の受付について

※:新潟県は現時点で義援金受け付けを行っていないので、日本赤十字を通じた義援金ふるさと納税で貢献するのがいいかもしれません。