2024年8月22日、マツダが「CX-80 日本仕様」を初公開しました。
まずは改めてここまでの流れをおさらいすると、マツダは2021年10月にクロスオーバーSUV商品群の拡充計画を発表しており、直6エンジンやFRプラットフォームを採用したラージ商品群は4車種導入を公表。
これまで「CX-60(2022年)」「CX-90(2023年)」「CX-70(2024年1月)」が発売されており、「CX-80」は主に日本や欧州向けの3列シートSUVになります。
マツダが「2022年以降のクロスオーバーSUV商品群の拡充計画」を発表、ラージ群SUVや北米向け新型SUVの車名も公開。 - つらつらとMAZDA
4月18日にワールドプレミアが行われた欧州ではすでに先行予約も解禁されていますが、ようやく日本仕様も本日初公開となりました。
何と今回はマツダさんからお誘いをいただき横浜のR&Dセンターで開催された事前撮影会に参加して日本仕様の実車を一足先にチェックしてきました。
早速ですがグレード別の実車画像を順番に紹介していきたいと思います。
※:撮影車両は全てプロトタイプなので量産車と異なる部分がある可能性もある事をご了承ください。
CX-80の商品コンセプトは優雅で心豊かなドライビングSUV
「Graceful Driving SUV」
「Premium Modern」
(エクステリア)
(インテリア)
☆撮影車両の仕様
・エンジン・・・・・・・・・直6 3.3L ディーゼルマイルドハイブリッド(e-SKYACTIV D 3.3)
・ボディカラー・・・・・・・アーティザンレッドプレミアムメタリック
・内装・・・・・・・・・・・Premium Modern専用ピュアホワイト(ナッパレザー)
・乗車人数/2列目シート・・・6人乗り / コンソール付きキャプテンシート
「Premium Sports」
(エクステリア)
(インテリア)
☆撮影車両の仕様
・エンジン・・・・・・・・・直6 3.3L ディーゼルマイルドハイブリッド(e-SKYACTIV D 3.3)
・ボディカラー・・・・・・・ジェットブラックマイカ
・内装・・・・・・・・・・・タンカラー(ナッパレザー)
・乗車人数/2列目シート・・・6人乗り / コンソール付きキャプテンシート
「Exclusive Modern」
(エクステリア)
(インテリア)
☆撮影車両の仕様
・エンジン・・・・・・・・・直6 3.3L ディーゼルマイルドハイブリッド(e-SKYACTIV D 3.3)
・ボディカラー・・・・・・・メルティングカッパーメタリック
・内装・・・・・・・・・・・ピュアホワイト(ナッパレザー)
・乗車人数/2列目シート・・・6人乗り / コンソール付きキャプテンシート
☆撮影車両に装着されてるメーカーオプション
・パノラマサンルーフ
「Exclusive Sports」
(エクステリア)
(インテリア)
☆撮影車両の仕様
・エンジン・・・・・・・・・直6 3.3L ディーゼルマイルドハイブリッド(e-SKYACTIV D 3.3)
・ボディカラー・・・・・・・マシーングレープレミアムメタリック
・内装・・・・・・・・・・・ブラック(ナッパレザー)
・乗車人数/2列目シート・・・6人乗り / コンソール付きキャプテンシート
☆撮影車両に装着されてるメーカーオプション
・パノラマサンルーフ
「S Package」
(エクステリア)
(インテリア)
☆撮影車両の仕様
・エンジン・・・・・・・・・直6 3.3L ディーゼル(SKYACTIV D 3.3)
・ボディカラー・・・・・・・ロジウムホワイトプレミアムメタリック
・内装・・・・・・・・・・・ブラック(クロス)
・乗車人数/2列目シート・・・7人乗り / 6:4分割可倒式ベンチシート
・オーディオ・・・・・・・・マツダ・ハーモニック・アコースティックス+8スピーカー
☆撮影車両に装着されてるメーカーオプション(先に紹介した4グレードは全て標準装備)
◎ドライバー異常時対応システム(Driver Emergency Assist)
◎セーフティ&シースルービューパッケージ
・360°ビューモニター(シースルービュー)
・ドライバー・モニタリング
・12.3インチセンターディスプレイ
・クルージング&トラフィックサポート(ドライバーモニタリング連動の緊急停止支援機能付き)
・右直事故回避アシスト機能(TAP)
・交差点事故回避アシスト機能
◎パワーリフトゲートパッケージ
・パワーリフトゲートのハンズフリー機能
・AC150W電源
先行撮影会には5台のCX-80が用意されており、S Package以外はフェンダーアーチ等がボディ同色になってるグレードでした。
実車を見た第一印象は"思ったより扱いきれそうなサイズ感"という印象を持ちましたが、これは日常生活でCX-60やより大きなSUVを見かけるのが普通になった事だけでなく、昨年マツダミュージアムで「CX-90」をチェック済みなのも関係してそうです。
マツダミュージアムで「CX-90」「CX-50」「CO-PILOT CONCEPT技術試作車」等をチェックしてきました。 - つらつらとMAZDA
デザインコンセプトは"Graceful Toughness"でSUVとしての力強さと優雅な存在感の表現に注力と発表されていますが、チーフデザイナーの玉谷聡さんもスポーティよりも3列シートらしさ(シンプルな力強さ)を重視したと説明されていました。
実際にCX-80のエクステリアではDピラー付近のみ太くなっているメッキウィンドウモールが力強さを演出してるように思いますが、個人的にはサイドウィンドウ形状あたりにスポーティなワゴンのような雰囲気も少し感じます。
そしてCX-80国内仕様ではエクステリアに関して2つトピックがあるので紹介。
トピック①:国内仕様はフロントグリルにアクセントを採用。
先行発表されていた欧州仕様のフロントグリルはCX-60と同じでしたが、国内仕様では縦長のグリルアクセントを採用。
このアクセントの正式名称は"グリルインシグニア"で、衣服に装着するバッヂやブローチ等をイメージしたパーツとの事。
(インシグニア⦅insignia⦆=公式な地位を示すためにつけるバッジ・記章などの意味)
今年2月に公開されたCX-80のエクステリアデザインと思われる意匠登録でもグリルインシグニアと思われる意匠がありましたが、国内仕様で採用された形になりますね。
あと、CX-80欧州仕様とCX-60のフロントグリルはグレードによって縦長のブロックメッシュとハニカムメッシュが採用されていましたが、CX-80国内仕様は全グレード縦長のブロックメッシュに統一されます。
グリルインシグニアと合わせてCX-60と見分けるポイントになってきそうですね。
トピック②:新しいボディカラー「メルティングカッパーメタリック」が国内初採用。
今年海外で発表された「CX-70」「EZ-6」には"Melting Copper Metallic"という新しいボディカラーが登場していましたが、国内市場もCX-80で初登場。
以前から気になっていた正式な日本語の読み方は"メルティングカッパーメタリック"となります。
名前の通りこの色は溶ける銅(=Melting Copper)をイメージしたボディカラーで、従来より細かなアルミフレークを使用してるのがポイントの事。
ここ最近マツダから登場してるボディカラーはマットな質感を備えたアースカラーが多かったですが、こちらはメタリックらしい輝きもあって上質感を感じる色でした。
今回メルティングカッパーメタリックの撮影車両はExclusive Modernでしたが、シグネチャーウイングやアルミホイールがブラック仕様になっているPremium Sports / Exclusive Sportsあたりと組み合わせてもかなりカッコいいはず・・・。
☆欧州ではシグネチャーウイングやアルミホイールがブラック仕様(Homura)の公式画像と実車が披露済み。
「2列目シート」
2列目に関してはCX-8比で「ヘッドルーム:+8㎜」「ショルダールーム:+103㎜」拡大と説明を受けていましたが、実際に座ってみると確かにCX-8より一回り程度余裕を感じます。
加えてシートの着座保証体格もCX-8比で2㎝拡大されているので、日本人の平均体格だとかなりゆったり座れる気がしますね。
コンソール付きキャプテンシートの撮影車両は電動調整スイッチ(リクライニング / サードシートアクセス)とサンシェードも装備されていましたが、S Packageはサンシェードも備わっていませんでした。
これに関しては量産車と異なる可能性もあるので正式な装備・諸元表の公開を待ちたいところ・・・。
あと、2列目シートの種類は事前撮影会で実車が用意された2種類に加えて「6人乗り / センターウォークスルー仕様」も用意されますが、2列目シートの設定に関して注意点があるので後編にて紹介します。
「3列目シート」
3列目シートもCX-8比で「ヘッドルーム:+30㎜」拡大されており、シート自体も姿勢安定化を狙って着座位置が25㎜深くなっているので頭上空間はCX-8より余裕がある印象。
足元スペースもフロアマットでほぼフラットになっている事に加えて2列目シート下に足を入れる事も可能なので3列SUVとしては十分なスペースだと思いますが、シートレールの間に足を入れるスペースはベンチシートの方がより広くなっています。
加えて、CX-80はクォーターウインドウがCX-8より大型化されている事に加えて、パノラマサンルーフも選択可能なので開放感は数値以上に高まっているように感じました。
ユーティリティ面ではCX-8に無かった「USB端子(Type C)」と「エアコン吹き出し口」が装備されていますが、内装トリム形状などを工夫して乗り降りのしやすさにも配慮。
特に昨今の猛暑を考えると3列目にもエアコン吹きだし口が装備されたのは嬉しいポイントかもしれませんね。
「ラゲッジスペース」
欧州仕様の諸元を見る限りだとラゲッジスペース容量はCX-8より拡大していますが、今回の撮影会ではマツダオフィシャルグッズ"MAZDA JOURNEY"のボストンバッグが用意されてる車両があったのでこれを使って簡単にスペースをチェックしました。
ラゲッジスペースの幅は3個半~4個置けそうなスペースで、3列目シートを倒した状態で縦に並べるとギリギリ2個でしょうか?
3列目を出した状態でもギリギリ縦で1個置けそうですが、実際は3列目シートを倒して使用するユーザーさんも多そうです。
なお、ラゲッジルームには右側(運転席側)に「12V電源(シガーソケット)」と「150W電源」が備わっていましたが、欧州で公開されたPHEVモデルには左側に「AC1500W電源」も備わっていたので、日本仕様のPHEVも同じ場所に装備されるかもしれません。
「タイヤ・ホイール」
☆20インチアルミホイール(切削加工×グレー)
・撮影車両では「Premium Modern」「Exclusive Modern」に装着。
・装着されていたタイヤは「TOYO TIRES PROXES Sport(235/50R/20)」
☆20インチアルミホイール(ブラックメタリック)
・撮影車両では「Premium Sports」「Exclusive Sports」に装着。
・装着されていたタイヤは「TOYO TIRES PROXES Sport(235/50R/20)」
☆18インチホイール
・撮影車両では「S Package」に装着。
・装着されていたタイヤは「YOKOHAMA ADVAN V61(235/60R/18)」
アルミホイールに関しては基本的にCX-60と同じデザイン/仕様ですが、その中でも切削加工の20インチアルミホイールはCX-80専用でグレーとの組み合わせ(CX-60の場合はブラック)
また、今回用意された撮影車両では2種類のタイヤが確認できましたが、CX-60ではこれに加えて「BRIDGESTONE ALENZA 001(20インチ)」「YOKOHAMA GEOLANDER X-CV(18インチ、XD S Package AWD車だけ装着のオールシーズンタイヤ)」も採用されていました。
特に撮影車両のS PackageはXD AWD車にも関わらずYOKOHAMA ADVAN V61が装着されてたので、タイヤ銘柄の種類・組み合わせがCX-60から変わるのか気になるところ・・・。
「国内仕様のパワートレインとグレード構成」
○PHEV・・・・・・直4 2.5L ガソリンプラグインハイブリッド(e-SKYACTIV PHEV)
○XD-HYBRID・・・直6 3.3L ディーゼルマイルドハイブリッド(e-SKYACTIV D 3.3)
○XD・・・・・・・直6 3.3L ディーゼル(SKYACTIV D 3.3)
欧州仕様は「e-SKYACTIV PHEV」「e-SKYACTIV D 3.3(200ps/254ps)」の2種類でしたが、日本仕様はCX-60に続いてマイルドハイブリッドを採用していない直6ディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 3.3」も用意。
その一方でCX-60国内仕様に設定されている直4 ガソリンNAエンジン「SKYACTIV-G 2.5」は用意されていません。
グレード名称・構成も基本的にCX-60と同じですが、PHEVはCX-60で選べたExclusive Modern/Exclusive Modernが無い代わりL Packageが新設定されています。
「車体・室内寸法」
先行発表された欧州仕様のおさらいにもなりますが、全幅と前後トレッドはCX-60と同等でホイールベースをCX-90と同じ3,120mmまで延長しつつ全長はギリギリ5m未満に抑えているのがCX-80の特徴。
全高に関してはルーフレールが装着される事もあってCX-60より高くなっているものの、CX-8・CX-90より低いのは予想外に思う方も多いかもしれません。
室内寸法に関しては駆動方式の違いから長さがCX-8より40㎜短くなっていますが、幅は10㎜広くなっていて高さもサンルーフ有りだと15㎜程度高くなります。
個人的には視覚的な開放感も考慮するとパノラマサンルーフ装着がオススメでしょうか・・・。
全長やホイールベースがCX-8より長くなってるにも関わらず最小回転半径は同じ5.8mですが、これはタイヤの切れ角を確保しやすい"縦置きエンジン+FRプラットフォーム"の利点と言えそうです。
前編ではCX-80日本仕様の実車画像や現時点で公開されている概要を紹介してきましたがいかがだったでしょうか?
一足先にチェックした実車はメルティングカッパーメタリックを中心に魅力を感じる部分がある一方で、気になる部分もいくつかありました。
後編では「良かったところ&気になるところ」を紹介していきます。
(2024.8.23:後編も公開しました)
あと、Instagramにも順次写真を投稿する予定なのでよろしければチェックしてみてください。
・石川県公式HP(令和6年1月4日から受付開始)
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