
マツダが世界に誇るライトウェイトスポーツカー「ロードスター」の次期型に関する話題が出てきました。
ロードスターは現行型(ND)が今年発売10周年を迎えている事から次期型の行方にも注目が集まっていますが、マツダは2030年までにすべての車種に何らかの電動化技術(HEV / PHEV / BEV)を搭載する方針をすでに表明済み。
これまで取り上げたロードスターの開発担当者のコメントを見る限りだとBEVが有力候補という印象でしたが、今回次期型に関する新たな話題が出てきています。
今回取り上げるのは米国の自動車メディア「Road & Track」の記事。
https://www.roadandtrack.com/news/a64474059/2027-mazda-miata-next-generation-details/

Road & Track誌は先週広島のマツダ本社で【毛籠勝弘社長】【専務執行役員兼CTOの梅下隆一さん】【デザイン本部長の中山雅さん】の3名に米国の関税引き上げや電動化対応 etc...様々な内容をインタビューしたようですが、元々Road & Track誌はスポーツカーやモータースポーツを中心に扱うメディアなのでロードスターの今後についても質問。
これに対してお三方からコメントがあったので紹介したいと思います。
“What defines the MX-5?” asks Umeshita, who moved up to the new role of CTO at the start of this month but has worked for Mazda since 1988.
“I would say the most important thing is that it is lightweight," he says, "and that the second most important thing is that it is lightweight."
"That is the key — whatever the future MX-5 is, it must be very light.”
「MX-5を定義づけるものは何でしょうか?」と、今月CTOに就任した梅下さんは問いかける。梅下さんは1988年にマツダへ入社している。
「最も重要なのは軽量であること、そして次に重要なのも軽量であることです」と彼は言う。
「それが鍵です。将来のMX-5がどんなものであろうと非常に軽量でなければなりません。」
Mazda’s leadership have long experience of resisting pressure to make the Miata heavier and more complicated. Before moving to lead his department, Nakayama was the head designer for the ND-generation Miata that launched in 2015.
“When I started designing this fourth generation, there was a request from the United States to make the car bigger, and to increase the power of the vehicle,” he says, speaking through a translator. “I said, ‘Do you really want a Harley-Davidson?’”
“When we have to select an alternative out of two, there is a simple principle to make the selection,” says Nakayama. “We tend to select the ones whose parts are less expensive, lighter and smaller. By doing so, we can prevent a car from being too big.
When we consider the next-generation MX-5, we are considering making it less than one tonne in weight, and less than four metres in length.”
マツダの経営陣はロードスターをより重くより複雑にするという圧力に長年抵抗してきた経験を持つ。中山さんはデザイン本部長に就任する前は2015年に発売されたNDロードスターのチーフデザイナーを務めていた。
「4代目ロードスターの設計に着手した際、アメリカから車体のサイズを大きくし、パワーアップしてほしいという要望がありました」と、通訳を通して語る。「私は『本当にハーレーダビッドソンが欲しいのですか?』と尋ねました」
「2つの選択肢から1つを選ばなければならない場合、選択にはシンプルな原則があります」と中山さんは語る。
「部品の価格が安く、軽く、小さいものを選ぶ傾向があります。そうすることで車が大きくなりすぎるのを防ぐことができます。次世代ロードスターでは、重量1トン未満、全長4メートル未満を目指しています」
“The current power-to-weight ratio is enough,” says Umeshita.
“We don’t think we need more power for the car, because we can fully utilize and enjoy the capability and capacity of the engine already … so my answer is that we are not planning to add more power to that car. Basically, this is the concept that keeps the car very unique.”
The new engine will be one of Mazda’s forthcoming Skyactive Z powerplants, these building on the company's experience of compression-ignition lean-burn gasoline powerplants, but designed to pass ultra-tough emissions standards around the world, including California’s LEV IV and Europe’s Euro 7. It will do this by running in so-called Lambda:1 conditions, using ultra-accurate metering to deliver the optimal stoichiometric fuel-air mixture throughout the rev range.
“If we go to Lambda:1, then naturally power will go down,” admits Umeshita. “But in order to avoid that, we have defined the displacement to be 2.5 liters. So the power is very good, and the fuel economy will be very good.”
「現状のパワーウェイトレシオで十分です」と梅下さんは語る。
「エンジンの性能と容量を既に最大限に活用できているので、これ以上のパワーアップは必要ないと考えています。ですから、このクルマにさらなるパワーを追加する予定はありません。基本的に、このコンセプトこそがこのクルマの独自性を維持しているのです。」
この新型エンジンは、マツダが今後投入するSKYACTIV-Zエンジンで、圧縮着火リーンバーンガソリンエンジンの経験を基盤としながらも、カリフォルニア州のLEV IVや欧州のEuro 7など、世界中の極めて厳しい排出ガス規制をクリアするように設計されています。このエンジンは、いわゆるラムダ1条件で動作し、超高精度な計量制御によって全回転域で最適なストイキオメトリック混合気を実現することで、この性能を実現します。
「(既存のまま)ラムダ1にすれば当然パワーは低下します」と梅下さんは認める。 「しかし、それを避けるために、排気量を2.5リッターとしました。そのため、パワーは非常に高く、燃費も非常に良好です。」
Even more impressive is Umeshita’s determination that Mazda will continue to combine the engine with a manual gearbox — another thing made much harder by tightening emissions standards.
“Manual transmission has the direct feeling, the sense of Jinba Ittai,” he said, referring to Mazda’s expression for the unity of car and driver. “It is key for the package, at least for the MX-5.”
Beyond that, Umeshita says that consideration has been given to a Miata EV, but this is clearly not his favored option.
“If all internal combustion engines were banned, then we would have no choice,” he says, “and of course, our engineering team is studying both ways – battery EV and ICE Miata. But whatever we do, the ICE one is lighter.”
さらに印象的なのは、梅下さんから今後もマツダはエンジンとマニュアルギアボックスの組み合わせを継続する決意を固めている発言が出た事だ。これは、排ガス規制の厳格化によってさらに困難になっている。
「マニュアルトランスミッションには、ダイレクトなフィーリング、人馬一体の感覚があります」と梅下さんは述べ、マツダが車とドライバーの一体感を表現する言葉に言及した。「少なくともMX-5においては、それがパッケージの鍵となるのです」
さらに梅下さんによるとMX-5のEV化も検討したが、彼にとっては明らかに好ましい選択肢ではないと述べている。
「もしすべての内燃機関が禁止されたら、私たちには選択肢がありません」と彼は言う。「もちろん、当社のエンジニアリングチームはバッテリーEVと内燃機関両方のMX-5を検討しています。しかし、どちらにしても内燃機関搭載の方が軽量です。」
You might not need to be a Miata fan to reach the top at Mazda, but it certainly helps.
Nakayama admits to having taken out an expensive loan when he was young so he could buy one; Umeshita still daily-drives one to and from the office in Hiroshima.
And both he and CEO Masahiro Moro are part of an executive racing team that regularly shares an MX-5 in Japanese endurance events.
“To me, driving at racing speed, you can establish your skill to feel vehicle dynamics. That’s important for us,” Moro told me. “You have to have the skill set to evaluate dynamics by yourself … I’m not a master driver, by the way, we do have more capable guys doing it — but I want to be part of that skill set.”
Leading to the most important question: which executive is quickest?
“If you exclude all the professional drivers, then Maeda-san is the fastest,” says Moro, referring to former chief designer Ikuo Maeda.
“Do you want to know his nickname? Speedy.”
マツダでトップに立つためにロードスターのファンである必要はないかもしれないが、確かに有利にはなる。
中山さんは若い頃ロードスターを購入するために高額のローンを組んだことを認めており、梅下さんは今でも毎日広島のオフィスまでロードスターを運転している。
また、彼と毛籠社長は日本の耐久レースで定期的にロードスターをシェアするエグゼクティブ・レーシングチームに所属している。
「レーシングスピードで運転することで、車両のダイナミクスを体感するスキルを身につけることができると私は考えています。それが私たちにとって重要なのです」と毛籠社長は語った。「自分でダイナミクスを評価できるスキルセットを持っていなければなりません…ちなみに私はマスタードライバーではありません。もっと優秀なドライバーもいますが、私もそのスキルセットの一部になりたいのです。」
そして最も重要な質問へと移ります。マツダの幹部で最も速いのは誰なのか?
「プロドライバーを除くと、前田さんが最速です」と毛籠社長は元デザイン本部長(現:シニアフェロー)の前田育男さんを挙げた。
「彼のニックネームを知りたいですか? "Speedy"です。」
かなり広範囲に渡ってコメントされていますが、歴代モデルと同様にライトウェイトスポーツというコンセプトを次期型でも受け継ぐ方針は不変で、中山さんからは"重量1トン未満、全長4メートル未満"という具体的な数値目標も出てきました。
ここから考えると次期型は現行型とほぼ同じサイズ感を維持しつつさらに軽量化を行おう方針のようです。
(現行型は2023年まで日本仕様のソフトトップモデルに990kgのグレードがあったが、2023年大幅改良で全グレード1t以上に)


そして、オーナーミーティングのトークショーなどを聞く限りだと次期型のパワートレインはBEVを中心に検討してそうな雰囲気でしたが、梅下氏からは引き続き内燃機関とマニュアルトランスミッションを採用する決意のようなコメントが出てきました。
これは人馬一体感のある運転体験や軽量化を重視する事が理由として挙げられていますが、世界中でBEVの需要伸び悩みや規制見直しの動きが出ている事から内燃機関搭載を再検討した可能性があるかも?
さらに梅下氏は2027年導入開始予定の2.5L次世代ガソリンエンジン"SKYACTIV-Z"に関してもコメントしていますが、文面を見る限りだと次期ロードスターに搭載する事を宣言したのではなく、内燃機関に対する取り組みの1つとして挙げた可能性もあります。
ただ、マツダは今後エンジン機種数を現状より半分に整理する方針を示している事に加えて、元々SKYACTIV系エンジンは【アップサイジング/ダウンスピーディング】のコンセプトで開発されてきたので、次期ロードスターにも2.0Lエンジン後継として搭載する可能性はあるかも?(比較対象に挙がる事が多い86/BRZも現行型は2.4Lになりましたからね・・・)
個人的には小型車等も視野に小排気量(3気筒1,875㏄)のSKYACTIV-Zとか見てみたいですが(笑)
ちなみに、リンク先の記事には"SKYACTIV Z development engine on testbed"という注釈でエンジンベンチテストを撮影した写真が掲載されていますが、注釈通りSKYACTIV-Zのベンチテストなのかはさすがに不明・・・。

最後にはお三方それぞれのロードスターとの付き合い方に触れていますが、メディア等で度々紹介されている中山さんだけでなく梅下さんもロードスターで通勤されてるとの事。
毛籠社長も北米マツダ時代にMX-5が愛車という記事を見た記憶がありますが、役員でもロードスターで通勤されてる方は多そうな予感・・・。
そしてMAZDA SPIRIT RACIND代表兼ドライバーの前田育男さんはやはり役員で最も速いようです。
今回毛籠社長を中心とするお三方からロードスターの今後に関するコメントが出てきたのはかなり大きなポイントですが、梅下さんは「バッテリーEVと内燃機関両方のMX-5を検討」と発言されてるので、次期型の概要はまだ最終決定しておらず市販化はまだしばらく先になるのが有力そう・・・。
現行型も2023年に大幅商品改良を実施した事からまだまだ販売継続すると思いますが、今後排ガス規制や騒音規制がさらに厳しくなる見込みなので、販売継続期間次第ではパワートレインに再び改良の手が入るかもしれません。
それでも人馬一体なライトウェイトスポーツというコンセプトを変えない方針が示されたのは多くのファンが安心すると思うので、今後のロードスターの展開も引き続き楽しみですね。
令和6年能登半島地震災害・9月21日豪雨被害の義援金受付関連。
◎石川県公式HP
・地震災害用リンク(令和7年12月26日まで受付)
令和6年(2024年)能登半島地震に係る災害義援金の受付について | 石川県
・豪雨被害用リンク(令和7年12月26日まで受付)
・富山県公式HP(令和7年12月26日まで受付予定)
・新潟県公式HP(令和7年12月26日まで受付予定)