つらつらとMAZDA

マツダに関する備忘録的ブログ。

北米マツダの開発マネージャーがオフロード・トラクション・アシスト開発のきっかけを語る。

CX-30を皮切りにマツダSUVに順次搭載されている「オフロード・トラクション・アシスト」

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(画像 NetCarShow.com)

北米マツダの開発マネージャーが開発したきっかけ等を現地メディアの取材で答えています。

 

 

今回見つけたのはアメリカ系メディア「TRUCK TREND」

 

リンク先の記事で取材に答えているのは北米マツダの開発マネージャーであるDave Coleman氏。

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(画像 TRUCK TREND)

幼少期から車が好きで父親はBMW2002、祖父はポルシェ911を所有。

10歳の時に父親が購入したRX-7がきっかけでマツダで働くことを夢見るように。

大学で学位を取得後は自動車雑誌でエンジニアリング担当編集者に、仕事を通じてマツダ関係者と知り合い15年前に北米マツダへ。

現在はマツダ車の走り全体を取り纏める”Vehicle Dynamics Manager”を担当。

 

北米マツダで開催される新型車や新技術発表でほぼ欠かさずプレゼンを行っている方です。

 

日本向けでも先代アクセラ登場時に公開された歴代ハッチバックを振り返る動画に登場されています。

 

 

今回の取材はCX-30に1日同乗した後に車内で行われています。

(自動翻訳でチェックしてるので一部文章がおかしい部分もあるかもしれませんがご了承ください)

 

 Q1:あなたが今回の開発で重要視したことは?

ステアリング、ハンドリング、乗り心地と車の制御を妨げる可能性のあるアクティブセーフティシステムのバランスを取り、すべての道路、すべてのドライバーにとって適切な乗り心地と操縦性を両立するスイートスポットを見つけることです。

CX-30で私たちが行った大きなプロジェクトの一つが”オフロード・トラクション・アシスト”です。

これは数年前にトヨタ・ランドクルーザーや4ランナー(ハイラックスサーフ)に乗る友人とキャンプ旅行に行った時の経験からアイデアが生まれました。

私は会社からCX-5 AWDプロトタイプを借りて行きましたが、CX-5で行けるとは思えない道を走ってみると想像以上に走行可能であるという事を発見しました。

ただ、微調整は必要だと感じたのでプログラムを行うために複数にまたがる部署を一つのチームにまとめるように日本の何人かと話しました。

このシステムを設計したメンバーの中にはGベクタリングコントロールの発明者もいました。

 

 

Q2:他のメーカーのシステムとの違いは?

私たちのシステムはシンプルで操作が直感的であることに注力しています。

他の多くの車には”マッドモード、サンドモード、ロックモード”等があり、外部の状況を判断した上で選ぶ必要があるだけでなく、エンジントルクを低減してホイールのスリップを間接的に管理しています。

対してマツダのシステムは直接スロットル制御を維持して、私たちが運転した他のいくつかのものよりもはるかに簡単に路面状況を管理するようにしています。

 

 

Q3:自動車開発の多くは、燃料効率とパフォーマンス、快適な乗り心地と俊敏なハンドリングという、相反する優先順位の最適なバランスを見つけていますが?

マツダもそのバランスを見つけています。

たとえば、オフロード走行の開発ではトレイルヘッド等までの一連のトリップを行いました。

99%の道のりは、曲がりくねった山道を運転していてドライブするのが本当に楽しいものでした。それが私たちのコアブランドDNAなのでオフロードを改善するために私たちが何をしてもオンロードの機能を犠牲にしないようにしたいと考えています。

 

 

Q4:CX-30の走りを実現する上で最も大変だった点はありますか?

北米仕様のCX-30は日本や欧州向けに比べて1インチ車高が高いです。

それほど大きな違いは無いように思われるかもしれませんが適切なピッチで折り返し、次にロールし、コーナーに入る直線性をスムーズかつ連続的に得るには多くの微調整が必​​要で北米仕様は車軸を微調整しています。

これらの点はほとんどの人にとって違いが分からない点ですが、このような細かな調整を重ねてこの走りを実現しています。

 

 

Q5:なぜそのような挑戦があったのでしょうか?

新しいプラットフォームの課題はトーションビームサスペンションでこれらの走りを実現する事でした。

これまで私たちはマルチリンクが理想であると訓練されてきたので多くの議論がありました。

しかし、ジオメトリをシンプルにしてシャープでダイレクトなステアリング応答とのバランスを維持しながら、より柔らかいタイヤ/より硬いブッシング戦略に切り替えることを新たな哲学を導入しました。

 

 

Q6:ライバルと比べてCX-30が勝る点は?

多くのマツダ車と同様、個々のスペックでは無くトータルな運転体験が当社の強みです。

このレベルのドライバビリティ、快適性、静粛性、これらすべてを1つのパッケージに収めた別の車両がこのセグメントにあるとは思いません。

CX-30はたまたまセグメント内で最も強力なエンジン(SKYACTIV-G 2.5)を搭載していますが、スペックありきで決定はしていません。

 

 

Q7:より強力なターボエンジンが載ることに期待する声もありますが?

(笑)

それは素晴らしいアイデアですね。

メモしておきましょう。

 

 

内容は以上になります♪

オフロード・トラクション・アシストは実際にキャンプへ行く道中の経験からアイデアが生まれたというのは初めて聞いた話ですね。

特に北米では都会的なSUVよりオフロードを走れるイメージを備えたSUVへの需要が高まっているという点もこのようなシステムを実現するきっかけになったのかもしれません。

現に2021年に登場予定の北米向け新型SUVもキャンプ等のアウトドアでの使いやすさを重視する仕様になると言われています。

今後SUVは見た目とリンクする走行性能も必要とされていく流れになりそうですね。

個人的にはセダン・ハッチバックAWD車向けにも何らかの新しい制御が出てくると面白い気も・・・

 

ここ最近のマツダAWDを推してるので今後の進化・改良にも期待してみたいと思います。