今週公開されたマツダの特許出願は22件。
今週は面白い内容が多いので2つのブログに分けます。
今週最初に取り上げるのは「過給機付2ストロークエンジン」に関する内容。
微妙に内容が異なる4件の内容が公開されているので一つずつ取り上げます。
〇一つ目 特開2020-45837 | 知財ポータル「IP Force」
”圧縮自着火”を行う機械式過給機付き2ストロークエンジンに関する内容です。
特許の目的は・・・
圧縮自着火燃焼を行う2ストロークエンジンにおいて、高い燃焼安定性及び適切なエンジントルクを得つつ、熱効率の悪化及びエミッション性能の悪化を抑制すること
〇2つ目 特開2020-45838 | 知財ポータル「IP Force」
”排気エネルギーを利用しない過給機(遠心式ブロア)”と”電動過給機”の2パターンを想定した過給機付き2ストロークエンジンに関する内容。
特許の目的は・・・
エンジンの運転状態が低負荷状態であるときには、吸気調整弁の開度を小さくして、過給機を駆動するための駆動力を小さくすることで、エンジン本体の運転効率を高くすることができる。
一方で、エンジンの運転状態が高負荷状態であるときには、吸気調整弁の開度を大きくして、過給機の運転効率を高くすることができる。これらの結果、エンジンの燃費を向上させることができる。
〇3つ目 特開2020-45839 | 知財ポータル「IP Force」
こちらも”排気エネルギーを利用しない過給機(遠心式ブロア)”と”電動過給機”の2パターンを想定した過給機付き2ストロークエンジンに関する内容。
ただ、こちらでは圧縮自着火(CI燃焼)と火花点火燃焼(SI燃焼)を使い分ける内容になっています。
特許の目的は・・・
低負荷時に圧縮自着火燃焼を実行しかつ高負荷時に火花点火燃焼を実行する場合に、高負荷時において異常燃焼の発生を防止しつつ燃費性能を高めることが可能な過給機付2ストロークエンジンを提供すること
〇4つ目 特開2020-45840 | 知財ポータル「IP Force」
こちらも”排気エネルギーを利用しない過給機(遠心式ブロア)”と”電動過給機”の2パターンを想定した過給機付き2ストロークエンジンに関する内容。
特許の目的は・・・
エンジントルクの変化を抑制しながら、燃料自体の着火性に関係なく燃料の安定した自着火及び燃焼が得られる過給機付2ストロークエンジンを提供すること
今週公開された過給機付き2ストロークエンジンに関する内容は以上になります。
かなり専門的な内容が多いので大変ですね・・・(笑)
これまでマツダの特許をチェックしてきた限りで2ストロークエンジンに関する内容は初めて見たのでなかなかインパクトがあります。
2ストロークエンジンは環境規制の関係で減少の一途というイメージがありますが、調べてみると4輪のF1や2輪のMOTO GPで水素ベースのエコ燃料を使用する2ストロークエンジンの採用を検討しているという話題も・・・。
水素ロータリーエンジンの開発実績があるマツダも水素燃料エンジンのさらなる発展形として上記の内容を検討しているのかもしれません。
日の目を見るのはまだまだ先かもしれませんが楽しみな内容ですね♪
続いてFR車用関連の出願公開に関するブログに続きます・・・。