マツダ(マツダスピード)はルマン挑戦を通じて多くのマシンを導入してきましたが、ルマン挑戦の比較的初期に導入された「マツダ 727C」をレストアしようという動きがドイツで出ているようです。
「マツダ 727C」は1984年のルマン24時間レースに参戦したマシン。
https://www.automesseweb.jp/2020/07/25/445479
市販車ベースでは無い純粋なマツダ(マツダスピード)のレーシングカーとして初登場した717Cから改良を加えて誕生したマシンでミッドシップに搭載されていたエンジンは13B型2ローターエンジン
1984年のルマン24時間レース予選では前年より大幅にタイムを縮めたものの、本番では相次ぐトラブルで完走止まりという成績でした。
〇1984年ルマン24時間レースの動画(23:50頃から2台の727Cが少しだけ映っています)
その後の車両の行方に関してなかなか情報が無い中で、ロータリーエンジンに関する様々な情報を発信しているFacebookページ「RotaryNews.com」で727Cの新情報が出てきました。
https://www.facebook.com/RotaryNews/posts/4246756225338887








投稿によると、この個体はMX-5(ロードスター)に力を入れているドイツのチューニングショップ「SPS Motorsport」が所有している727Cとの事。
SPS Motorsport GmbH - MX-5 Tuning
リアカウル部分に「ロマンチックツーリング 2013」と書かれたステッカーが貼られているので2013年前後までは日本にあった個体かもしれませんね。
SPS Motorsportではこの727Cをレストアしようと動いているようですが気になる一文が・・・。
We are looking for a complete (MFR 13B) Engine with:
- Drysump
- Kugelfischer Injection
If anybody has any MFR to sell? Contact Jan at SPS.コンプリート(MFR 13B)エンジンを探しています。
- ドライサンプ付き
- 機械式燃料噴射装置付き
誰か売りたいMFRがあれば教えてください。SPS MotorsportsのJanに連絡してください。
コンプリートの13Bエンジンというのはおそらくマツダ本社ファクトリー仕様の事だと思われます。
このような投稿をするという事はエンジンが無い状態で画像の727Cを手に入れたのでしょうね・・・。
ここ最近、80年代前半にマツダが導入したルマン参戦マシンをレストアする動きは日本でも出てきています。
〇RX-7 254(1982年)
Racing On誌510号でご覧になった方も多いと思いますが、1982年ルマン24時間レースに出場した「RX-7 254」のレストアプロジェクトが粛々と進んでおり、完了する日もそう遠くない感じになってきました。途中レポートをお届けする予定なので、お楽しみにお待ちくださいませ。 pic.twitter.com/40lUpVHreQ
— MZRacingJP (@MZRacing) 2021年1月26日
〇737C(1985年)
「マツダ737Cレストアプロジェクト」 本日スタートしたレース用13Bエンジンの展開画像です。2枚目はこのファクトリーエンジンの吸気ペリフェラルポートの画像で、3枚目目が737Cです。完成がとっても楽しみです。 #mazda737crevival #13Brotary pic.twitter.com/9Z1jfiPKsr
— MZRacingJP (@MZRacing) 2021年2月10日
RX-7 254のレストアに関してはRacing On誌で詳しく取り上げられていましたが、当時と同じエンジンパーツの新品はすでに入手不可になっているので現代のエンジンから多くを移植しているとの事でした。
当時と同じレーシング用ロータリーエンジンは特に希少なので大変だと思いますが何とかいい話が来てレストアが進むことを願います。
今はなかなかイベントもやりにくい状況ですが、いつかマツダの歴代ルマン参戦マシンが一堂に集まる場があると嬉しいところですが(笑)
ちなみに、オランダのルーマン博物館にはもう一台の「737C」が展示されています。