マツダモータースポーツが2021年限りでIMSA・DPiから撤退することを発表しました。
〇米国マツダ公式プレスリリース。
〇autosport WEB
・2021年シーズンを持ってIMSA・DPiへの参戦を終了。
・2023年から採用予定の新規定「LMDh」にも参入しない。
・2022年からはMX-5 CUPなどのグラスルーツカテゴリーへの取り組みに集中。
・モータースポーツダイレクターを務めていたネルソン・コスグローブ氏は2月末でマツダを離れ、マーケティングチーフのモー・マレー氏が残りシーズンの監督を務める予定。
今年はルマン制覇からちょうど30年という記念すべき年だった事に加えて、ルマン24時間を含めたWECにも参戦可能な新規定「LMDh」も開始予定だったので尚更ショックが大きいです。
セブリング優勝等の実績を挙げる事は出来ましたが、やはり最大の目標であるデイトナ24時間レース制覇を達成できなかったのは悔しいの一言で消化不良という感覚もあります。
来年からはMX-5 CUP等のグラスルーツカテゴリーに集中するとの事ですが、MX-5 CUPは元々IMSAやINDYを目指す若手ドライバーの登竜門という位置づけもあったのでIMSAから撤退する事による影響が気になるところ。
今回の決定には新型コロナウイルス感染拡大などの影響もあったと思われますが、個人的にはマツダ本体がモータースポーツ活動のほとんどを北米マツダやプライベーターへ任せっきりにしてきた”ツケ”がここ数年で一気に噴出したような気もしています。
〇グローバルMX-5 CUP
北米で元々行われていたワンメイクレースがNDロードスターからグローバル展開。
日本では「車両販売:キャロッセ」「シリーズ運営:B-SPORT」で2017年から開始されたものの、2019年で休止。
対して米国では今年からIMSA公認レースに、欧米等でも開催中。
車両は米国で制作。
〇MAZDA3 TCR
2019年10月に北米マツダ本社で初披露。
2020年デビュー予定のはずがコンストラクターのLong Road Racingが急遽閉鎖で1年延期。
さらに新型コロナウイルス感染拡大の影響でプロジェクト自体が中止に。
もちろん実際にマツダ本体がどこまで関係してるかは分かりませんが、いろいろ話を聞いてる限りではほぼ任せっきりという印象。
マツダ本体がしっかりと関係性を持っていればIMSAも含めてもう少し何とかなったのでは?という気持ちがどうしても出てきてしまいます。
IMSA撤退は決定事項なのでどうしようもありませんが、これを機に北米マツダ等へ任せっきりでは無くマツダ本体主導で活動を行う方向へ変わって欲しいところ。
ルマン参戦時代でもマツダスピード主導という状態が多かったので「マツダの規模では・・・」という考えも浮かぶかもしれませんが、それほど企業規模が変わらないスバルはSTIからニュル24時間レースやスーパーGTへの挑戦を継続しています。
北米市場を最重要視していく方針のマツダはスバルの成功例を参考にしているという話を見た事がありますが、モータースポーツとの関係性も参考になる気が。
(マツダスピードが解散してしまったのは今考えても大きな痛手ですね・・・)
ある程度現実的な理想としては、FRベースで直6のSKYACTIV-Xを搭載した次期MAZDA6でニュル24時間レースに出場して欲しいですね。
(画像は2012年に登場したMAZDA6 SKYACTIV-D Racing)
STIやトヨタGAZOO RACINGと同じように参戦すれば量産車へのフィードバックや開発担当者の経験を得る場になる気もするのですが・・・。
言いたい事はまだまだありますがさすがにキリが無いのでこれくらいで。
マツダはこれから直6エンジンやFRシャシーを採用したラージ群モデルを導入予定ですが、「直6」や「FR」という響きに魅力を感じるユーザー層はスポーティなブランドイメージ等も重要視する場合が多いと思うのでやはりモータースポーツでの活躍が必要だと考えています。
個人的には走りに拘ってるのにモータースポーツのTOPカテゴリーに出て無いのは技術やブランドの説得力が薄れるので・・・。
モータースポーツのTOPカテゴリーで活躍するマツダ車は”一旦”無くなりますが、素早い再始動が行われる事を強く望みます。