今週新たに公開されたマツダが出願中の特許は18件。
その中から気になった内容を取り上げます。
まずは「車両の車体構造」という題名の内容。
特開2021-41815 | 知財ポータル「IP Force」
〇資料に記載されている特許の目的
FR(フロントエンジンリアドライブ)車や4WD(四輪駆動)車などの車両では、前方の駆動源から後方の駆動輪に動力を伝達するプロペラシャフトを配設するために、前後方向に延びる巨大断面のフロアトンネルが設けられている。このような巨大断面を有するフロアトンネルには、クロスメンバを介して作用する側突荷重を集中させないことも重要である。
一方、車両の底面に沿う空気の流れを整流して空気抵抗を低減することにより燃費を改善するため、車両の底にアンダーカバーが設けられることがある。この場合、車幅方向の両側のフロアパネルを段下げして、アンダーカバーと同じ高さにすることで、アンダーカバーの面積を縮小することも行われている。
しかし、段下げフロアの場合はフロアアッパメンバを挟んで車幅方向外側のフロアが車幅方向内側のフロアより低いため、車幅方向外側のクロスメンバの断面が大きくなる。
この結果、側突時に側突荷重によりサイドシルが内倒れ変形する際にクロスメンバが予期せぬ変形を起こし、車幅方向に側突荷重を分散して伝達することができなくなり、Bピラーの倒れを許容するおそれがあった。
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたもので、段下げフロアを有する車両において側突荷重を車幅方向に有効に分散伝達することができる車両の車体構造を提供することを課題とする。
FR車も視野に入れてる内容なのでラージ群モデルに関する特許出願である可能性も十分考えられますね。
今週は同じ題名・説明図で合わせて4件公開されています。
特開2021-41816 | 知財ポータル「IP Force」
特開2021-41817 | 知財ポータル「IP Force」
特開2021-41818 | 知財ポータル「IP Force」
続いては「エンジンの排気浄化装置、及び付着還元剤の推定方法」という題名の内容。
特開2021-42690 | 知財ポータル「IP Force」
こちらは「ターボに加えて電動過給機も備えたディーゼルエンジン」に関する内容です。
マツダはすでに2030年までに全モデル電動デバイス搭載モデルにする事とディーゼルハイブリッド導入を公表していますが、これまでにも電動過給機に関する特許出願が出ているのでこちらも含めた電動化を進めていく事が予想されます。
〇資料に記載されている特許の目的
本発明は、還元剤インジェクタの噴射によって排気通路の壁面に付着した還元剤を適切に考慮に入れることで、選択還元型NOx触媒の異常判定に関する誤判定を確実に抑制することができるエンジンの排気浄化装置及び付着還元剤の推定方法を提供することを目的とする。
今週気になった内容は以上となります。
来週以降も気になった内容があれば取り上げていきたいと思います。