つらつらとMAZDA

マツダに関する備忘録的ブログ。

今週新たに公開されたマツダが出願中の特許(2022.6.11)

(画像 ipforce.jp)

今週新たに公開されたマツダが出願中の特許は15件。

その中から気になった内容を取り上げます。

 

知財ポータルサイト

https://ipforce.jp/

 

まずは「車両の下部構造」という題名の内容を2件紹介。

(1件目:特開2022-85500 | 知財ポータル「IP Force」

 

(画像 ipforce.jp)

〇資料に記載されている特許の目的

車両前突時には、衝突荷重を吸収する観点からエンジン及び変速機が後退するストロークを出来る限り大きくすることが好ましい。これに対して、変速機の後側の部分がフロアトンネルに侵入するように配置して、車両前突時には、変速機がフロアトンネル内に進入するようにして、エンジン及び変速機が後退するストロークを出来る限り大きくすることが考えられる。

ここで、バッテリユニットがフロアトンネルを挟んで左右に配置されている場合、変速機の後側の部分がフロアトンネルに侵入するように配置すると、バッテリユニットと変速機とが接近するようになる。このため、車両前突時に変速機が車両前後方向に対して車幅方向に斜めに後退すると、バッテリユニットの車幅方向内側の部分と変速機とが当接して、バッテリユニットが損傷するおそれがある。
ここに開示された技術の目的は、変速機の一部をフロアトンネルに侵入させて配置したとしても、車両前突時におけるバッテリユニットの損傷を抑制する。

(2件目:特開2022-85507 | 知財ポータル「IP Force」

(画像 ipforce.jp)

〇資料に記載されている特許の目的

本開示の目的とするところは、バッテリユニットと車体構造部品とを取付ブラケットによって接続しつつ、車両側突時における取付ブラケットの脱落を抑制することにある。

2件共に「FRベースのAWDをベースにしたハイブリッド車」に関する内容なのでラージ商品群と関連がある可能性が高い内容ですが、今回注目したいのは1件目と2件目でバッテリーのサイズが異なる点。

(画像 ipforce.jp)

ラージ群アーキテクチャーによるハイブリッド車は現在3種類発表されていますが、今回の特許出願のように左右両方にバッテリーを搭載しているのはプラグインハイブリッドのみ。

(画像 MAZDA)

ラージ商品群はCX-60に続いて3つのSUV(CX-70・CX-80・CX-90」が発表される予定ですが、CX-60とは異なるサイズ・容量のバッテリーが搭載される可能性も考えられますね。

 

続いては「車両用の仕切装置」という題名の内容。

特開2022-86628 | 知財ポータル「IP Force」

(画像 ipforce.jp)

〇資料に記載されている特許の目的

仕切装置を前席と後席との間を仕切るように設ける場合には、カーテンエアバッグがイビツに膨張展開してしまうことが考えられる。即ち、車両が側方からの衝撃を受けた場合にはカーテンエアバッグが膨張展開するが、前席と後席との間に従来技術に係る仕切装置が設けられている場合には、当該仕切装置によってカーテンエアバッグの膨張展開が一部妨げられイビツに膨張展開してしまうと考えられる。このため、側方からの衝撃に対して乗員を保護するというカーテンエアバッグの機能を十分に引き出すことができなくなることが考えられる。

ここで、車両に対して、前席用のカーテンエアバッグと後席用のカーテンエアバッグとをそれぞれ別々に搭載することも考えることもできるが、その場合には既存のカーテンエアバッグを用いることができず、また部材点数が増加することにより車両の製造コストの上昇を招いてしまう。
本発明は、上記のような課題の解決を図ろうとなされたものであって、前席から後席に亘るように単一のカーテンエアバッグが搭載された車両に設置した場合にも、カーテンエアバッグがイビツに膨張展開するのを抑制することができる仕切装置を提供することを目的とする。

こちらは「前席と後席の間に仕切装置(パーテーション)が装着された車両」に関する内容ですが、1枚目と2枚目の説明図に登場している車両は3列シートのSUVに見えます。

マツダCX-8をベースにした新型コロナウイルス感染症軽症者など向け搬送車両を2020年に開発しているので、これに関する内容の可能性が高そうですね。

現時点ではこの車両以外でパーテーションを採用するマツダ車が出る話はありませんが、今後登場予定のラージ商品群の3列シートSUV「CX-80」「CX-90」にリムジン仕様みたいなのが出てくるのも面白いかもしれませんね。

 

今週気になった内容は以上となります。

来週以降も気になった内容を取り上げていきたいと思います。