今週新たに公開されたマツダが出願中の特許は14件。
注目すべき内容が多いので今週は「前編」「後編」と分けて取り上げていきます。
前編で取り上げるのは今週最も注目すべき特許出願と言える「アルミ製スペースフレームを採用した2ドアスポーツカー」に関する内容。
〇1件目・2件目(題名:車両の後部車体構造)
特開2021-112926 | 知財ポータル「IP Force」
特開2021-112927 | 知財ポータル「IP Force」
(説明図は両方共通)
〇資料に記載されている特許の目的
本発明は、リヤサスペンションの支持剛性を確保できるとともに後突荷重をリヤサイドハウジング(剛性部材)からサイドシルとピラーとの結合体に効果的に伝達することができる車両の後部車体構造の提供を目的とする(1件目)
本発明は、リヤサスペンションの支持剛性を確保できるとともに後突荷重をサイドシルに効果的に伝達することができる車両の後部車体構造の提供を目的とする(2件目)
〇3件目(題名:車両の車体構造)
特開2021-112928 | 知財ポータル「IP Force」
〇資料に記載されている特許の目的
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、閉断面部材の剛性を確保しつつ被取付面に取付部材を取付けることができるとともに、被接合面とパネル部材との重ね合わせ部分のうち、非接合領域が車両走行時に擦れることにより発生する異音を防止することができる車両の車体構造の提供を目的とする。
〇4件目(題名:車両の後部車体構造)
特開2021-112929 | 知財ポータル「IP Force」
〇資料に記載されている特許の目的
本願発明者らは、リヤサスペンション支持部の中でも特にロアアーム支持部に、車両走行時に大荷重が入力されることに着目し、ロアアーム支持部とサイドシル後端とフロアトンネル後端下部との3点をフレーム部材等で繋ぐトラス構造を構成することを検討した。
しかしながら、このトラス構造によって、車両前後方向および車幅方向の支持剛性は確保できるものの車両上下方向の支持剛性を向上するためには、さらなる検討の余地がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、リヤサスペンションの支持剛性を高め、結果として操縦安定性の向上を図ることができる車両の後部車体構造の提供を目的とする。
今週公開されたアルミ製スペースフレーム採用の2ドアスポーツカーに関するマツダの特許出願は以上4件です。
アルミ製スペースフレームに関するマツダの特許出願はこれまでにも複数公開されてきましたが、外装(エクステリア)関係まで触れられているのは先月取り上げたトランク開口部くらいでした。
その中でついにリアのエクステリアデザインまで視野に入れた説明図が出てきたのはかなり大きなポイントとなりそうです。
ちなみにリア廻りの説明図と”RX-VISION”の画像を並べてみるとテールランプ部分の切り欠きも含めてほぼ同じ・・・。
あくまで特許出願ではありますが、アルミ製スペースフレームに関する内容がこれだけ定期的に公開されているのを見ると「水面下では次世代ロータリースポーツの開発が行われているのでは?」という期待がどうしても高まってしまいます(笑)
「トランク開口部⇒リア廻り」と公開されてきたのでフロント側の特許出願が続いて公開されるのか楽しみですね。
今週は他にも気になる内容があるので後編のブログ記事も追って公開したいと思います。
(2021.8.6:後編の記事を公開しました)