今週は前編でアルミ製スペースフレームを採用した2ドアスポーツカーに関する内容をまとめましたが、後編ではそれ以外で気になる内容を取り上げます。
先にまとめた前編はこちら。
後編の最初は「 エンジンの吸気装置」という題名の内容から。
特開2021-113529 | 知財ポータル「IP Force」













〇資料に記載されている特許の目的
本発明の目的は、インタークーラーコアでの吸気の分散性を高め、インタークーラーの吸気冷却性能を向上させたエンジンの吸気装置を提供することにある。
ガソリンターボエンジンに関する内容ですが、注目点は「GPF(ガソリン・パティキュレート・フィルタ)」が採用されている点。
現在生産されているマツダのエンジンで唯一GPFを採用しているSKYACTIV-Xは”スーパーチャージャー(高応答エア供給機)”が採用されていますが、今回取り上げた特許出願は”ターボ”
環境規制の関係からGPFの必要性が高まっているのでSKYACTIV-Gターボの可能性もありますが、場合によってはラージ群モデル等でターボを採用したSKYACTIV-Xが出てくるかもしれませんね。
続いては「エンジンシステム」という題名の内容。
特開2021-113549 | 知財ポータル「IP Force」










〇資料に記載されている特許の目的
本発明は、副室を設けたエンジンにおいて主燃焼室での異常燃焼を抑制することができるエンジンシステムを提供することを目的とする。
説明図でも分かる通りこの特許出願で示されているエンジンには点火プラグが”2つ”装備されていますが、そのうちの1つは「プレチャンバープラグ(PCP点火プラグ)」と表記されています。
4気筒だけでなく6気筒も視野に入ってるのもポイントですね。
素人なりに調べてみると”プレチャンバー”とは限られた燃料からパワーを引き出すために熱効率を高める手段の一つ。
2014年からF1用エンジンで採用され、昨年にはマセラティとメルセデスAMGが量産車用エンジンに採用する事を発表しています。
ちなみに次世代エンジン技術ではプレチャンバーと並んでウォーターインジェクション(水噴射)も注目されていますが、マツダは水噴射装置を備えたエンジンに関する特許も出願済み。
SKYACTIV-Xの次となる第3世代エンジンも様々な可能性を視野に入れて開発していると思われます。
最後は「車両用音生成装置」という題名の内容。
特開2021-113940 | 知財ポータル「IP Force」





〇資料に記載されている特許の目的
本発明は、ドライバが車両の走行状況に適した正確なアクセル操作を行えるような音を出力させることができる車両用音生成装置を提供することを目的としている。
説明図である程度分かる方が多いかもしれませんが、こちらはMX-30 EVモデルで採用された「EVサウンド」に関係する特許出願で間違いないと思われます。
MX-30 EVモデルのサウンドは一部で「直6エンジンみたいな音」と評価されてる事例もあるので今後登場するラージ群モデルで実際に似てるのか試してみたいところです(笑)
今週は気になる内容がたくさんあったので前編・後編と分けてマツダの特許出願を取り上げてきました。
来週はお盆シーズンなので特許や意匠・商標情報が更新されない可能性もありますが、引き続き気になる情報を取り上げていきたいと思います。