今週新たに公開されたマツダが出願中の特許は10件。
その中から気になった内容を取り上げます。
〇特許情報プラットフォーム
最初に取り上げるのは「エンジンの制御装置及び制御方法」という題名の特許2件。
①:https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-59675
②:https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-59677




☆資料に記載されている特許の目的
(①と②共通)
本発明は、エミッション性能又は燃費性能への影響を軽減しつつ速やかなデポジット対策を行うことが可能なエンジンの制御装置を提供することを目的とする。
そしてもう一件「自動変速機の制御装置」という題名の特許も紹介。
https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-59676




☆資料に記載されている特許の目的
本発明の目的は、デポジット除去効果を高めることが可能な自動変速機の制御装置を提供することにある。
今回取り上げた3件は全て「ディーゼルエンジンを搭載したFR車」に関する特許出願です。
この構成だけ聞くと直6ディーゼルエンジンを搭載するラージ商品群が頭に浮かびますが、今回の特許出願は4気筒エンジンで自動変速機もトルクコンバーター付きを想定しているのが注目ポイント。
さらに変速段の説明図を見ると6速ATの可能性が高そうです(ラージ商品群用の自動変速機はトルクコンバーター"レス"の8速AT)
トルクコンバーター付きのFR用6速ATはロードスターに採用されていますが、これはアイシン製である事に加えてロードスターにディーゼルエンジンを搭載するのは非現実的なので、今回の特許は中々謎が多い内容となっています。
CX-60に搭載されている直6ディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 3.3」はシングルターボですが、今回の特許に出てくる4気筒ディーゼルエンジンは過給機を2つ備える前提となっている事から、CX-5やMAZDA6でおなじみの「SKYACTIV-D 2.2」に近い構成。
この事からラージ商品群にSKYACTIV-D 2.2を搭載する事を検討している可能性はあるかもしれません(それでもトルクコンバーター付きなのは謎ですが・・・)
ただ、マツダが提唱しているアップサイジングの考え方やディーゼルエンジン自体の特性を考えると、ラージ商品群レベルの車格における実燃費は直6エンジンの方が優れてるかもしれません。
CX-60オーナーさんの燃費報告を見るとCX-5やCX-8以上に優れた数値も多く出ている印象なので・・・。
いつも通り"あくまで特許"ではありますが、今回の内容が今後量産車へ採用されるのか気になるところです。
今週気になった内容は以上となりますが、来週以降もどのような特許出願が公開されるのか楽しみですね。