2024年に入ってからあまり動きが無い状況が続いているマツダの特許情報ですが、今週は2年前に出願公開されていた面白い内容が登録がされています。
〇特許情報プラットフォーム
今週新たに登録されたのは2022年3月に出願公開されていた「車両の動力伝達装置」という題名の特許。
①:https://ipforce.jp/patent-jp-P_B1-7472724
②:https://ipforce.jp/patent-jp-P_B1-7472725
(説明図は①と②で同じ)
〇資料に記載されている特許の目的
①
(トランスアクスル構造を採用するスポーツタイプのFR車において)車体後部に配置される変速機がドライブシャフトより車体前側に配置される場合、車室空間が狭くなって乗員の居住性を低下させるおそれがある。
これに対し、ドライブシャフトより車体後側に変速機を配置することが考えられるが、車体後側のオーバーハングが大きくなって操縦安定性の低下を引き起こし得る。
そこで、本発明は、縦置き式の変速機を備えた車両において変速機が車体後部にドライブシャフト近傍に配置される場合に、乗員の居住性と操縦安定性との両立を図ることができる車両の動力伝達装置を提供することを課題とする。
②
車体後部に配置される変速機がドライブシャフトの車体前側に配置される場合には車室空間が狭くなることからドライブシャフトの上方に変速機を配置することが考えられるが、変速機によって車両の重心位置が高くなって操縦安定性の低下を引き起こすおそれがある。
一方、変速機をドライブシャフトの下方に配置すると、地面との隙間が小さくなってスポーツタイプの車両などにおいて地上高を確保することが難しくなる。
そこで、本発明は、縦置き式の変速機を備えた車両において変速機が車体後部にドライブシャフト近傍に配置される場合に、地上高を確保しつつ操縦安定性を向上させることができる車両の動力伝達装置を提供することを課題とする。
こちらはトランスミッションとデファレンシャルギアを一体化させる「トランスアクスル構造」に関する特許ですが、説明文に"スポーツタイプのFR車"と書かれているのがまず大きなポイント。
そして変速機自体は6速MTにアクチュエーターを追加したシーケンシャルミッションを想定してるようですが、純粋な6速MTにも対応可能と書かれています。
これまでにも度々取り上げていますが、マツダはすでにトランスアクスル構造を含めた特許を多数出願しており、その中にはレシプロエンジンだけでなくロータリーエンジンを組み合わせた内容も多く含まれています。
基本的にトランスアクスル構造を採用するのは高性能スポーツカーが大半なので、今回の特許はロードスターよりも次世代ロータリースポーツを意識してる可能性が高そうですね。
今回の特許が出願公開された2022年時点では「RX-VISION」の量産モデルを想定してると思われましたが、昨年10月に新しいロータリスポーツコンセプト「ICONIC SP」が発表。
ICONIC SPに想定されているロータリ-エンジンは発電用(2ローター)と公表されていますが、マツダの関係者からはロータリーエンジンで駆動させる事も目指してそうなコメントが出ているので、特許のようなトランスアクスル構造を採用する可能性も十分考えられます。
あと、個人的にはICONIC SPをベースに4ドアクーペ/シューティングブレークがあると面白いのでは?とも思いますが、さすがにそれは妄想を膨らませすぎでしょうか(笑)
先日北京モーターショーで発表されて大きな話題を集めている「EZ-6」も今のところ中国専売の可能性が高そうなので・・・。
いつも通り"あくまで特許"ではありますが、マツダは今年2月にロータリーエンジン開発グループを再始動させたのでまずは新しいロータリースポーツ登場を願うばかり・・・。
ここ最近あまり動きが無いマツダの特許関連情報ですが、商標・意匠情報も含めて今後も気になる内容を随時取り上げていきたいと思います。
・石川県公式HP(令和6年1月4日から受付開始)
・富山県公式HP(令和6年1月5日から受付開始)
※:新潟県は現時点で義援金受け付けを行っていないようなので、日本赤十字を通じた義援金やふるさと納税で貢献するのがいいかもしれません。