2022年に入ってから出願・登録件数が少ない状況が続いているマツダの特許情報ですが、今週気になる内容が登録されたので取り上げたいと思います。
今回は2019年9月に出願公開されていた「車両駆動装置」という題名の内容2件を紹介。
〇1件目:特許7041397 | 知財ポータル「IP Force」
〇2件目:特許7041398 | 知財ポータル「IP Force」
(説明図は2件ともほぼ共通)
〇資料に記載されている特許の目的
(1件目・2件目ともに共通)近年、世界各国において車両の排出ガス規制が強化され、車両の燃費、走行距離当たりの二酸化炭素排出量等に対する要求が厳しくなっている。また、内燃機関で走行する車両の市街地への進入を規制している都市も存在する。これらの要求を満足するため、内燃機関及び電動機を備えたハイブリッド駆動の車両や、電動機のみによって駆動される電気自動車が開発され、広く普及している。
電動機による車両の駆動は、走行中に二酸化炭素を排出しないため、年々強化される排出ガス規制をクリアするためには有利であるが、バッテリに蓄積可能な電力に限界があり、十分に長い航続距離を確保することが困難である。このため、車両用の駆動装置として、電動機と共に内燃機関を搭載したハイブリッド駆動装置が広く普及している。
また、インホイールモーターを採用するとドライブシャフト分の重量を削減することができるというメリットがあるが、車両の発進、加速、クルーズ走行を行うための電動機としてインホイールモータを採用したとしても、十分な走行性能を得るためには大型の電動機が必要となり、重量の増加を避けることができないのでメリットを十分に享受することができない。
本発明は、電動機による駆動の強化と車両重量増加の悪循環に陥ることなく、インホイールモータを使用して、効率的に車両を駆動することができる車両駆動装置を提供することを目的としている。
こちらは「インホイールモーター(前輪)とトランスアクスル方式を採用したFRベースのハイブリッド車」に関する内容です。
インホイールモーターは内燃機関で走行する車両の走行を規制している地域(主に都心部)の走行を視野に入れてるようですが、これ以外にも夜間の住宅地を走行する場面などでも役立ちそうですね。
今回の説明図ではフライホイールレスの直列4気筒エンジン搭載が前提となっていますが、「インホイールモーター」「トランスアクスル配置のトランスミッション」「ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンション」という特徴は今年初めに出願公開されたロータリースポーツカー用と思われる特許出願と同じ。
さらに、マツダはロータリースポーツ向けと思われるアルミ製スペースフレームに関する特許も複数出願しています。
もしかするとマツダはアルミ製スペースフレームを開発して「ロータリーエンジン=次世代ロータリースポーツ」「直列エンジン=次世代4ドアクーペ」という棲み分けを考えてるのでは?という事も頭に浮かびましたが、これはさすがに妄想を広げすぎでしょうね・・・(笑)
次世代ロータリースポーツはもちろんの事、SUV以外の車種も今後どうなるのか気になるところなので今後も特許情報に注目しておきたいと思います。