つらつらとMAZDA

マツダに関する備忘録的ブログ。

2021年9月に出願公開されていた「縦置きエンジンでMX-30 Rotary-EVと同じ排気構造」に関するマツダの特許が登録されました。

(画像 IP Force.jp)

欧州に続いて日本でもまもなく販売開始されるMX-30 Rotary-EVですが、"縦置きエンジン"でMX-30 Rotary-EVと同じ排気構造を視野に入れたマツダの特許が今週登録されています。

 

 

MX-30 Rotary-EVは発電用ロータリーエンジンを搭載したPHEVとして欧州に続いて日本でもまもなく販売開始予定。

すでにご存じの方も多いと思いますがMX-30 Rotary-EVは発電用ロータリーエンジンが横置きで搭載されていますが、今回はエンジンが縦置きで搭載されている特許を紹介したいと思います。

 

 

知財ポータルサイト

https://ipforce.jp/

〇特許情報プラットフォーム

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

 

 

今回取り上げるのは2021年9月に出願公開されていた「エンジンの排気循環装置」という題名の特許。

https://ipforce.jp/patent-jp-P_B1-7375604

(画像 IP Force.jp)

 

〇資料に記載されている特許の目的
昨今、自動車などの車両では、車室内の居住性を向上するために車室床面を低床化する、あるいは走行用のバッテリを配置するスペースを車室床面の車両下方側に確保していることがある。

この場合、例えば、縦置きエンジンの車両では、排気管を車両後方へ向けて略直線的に延設することができないため、排気浄化装置の直後において、排気管をエンジンから離間するように車幅方向外側へ湾曲させる必要がある。

さらに、EGR装置を備えた車両では、EGR装置を配置するためのスペースを上下方向に確保する必要があるため、排気循環装置の大きさが大型化し易いという問題があった。特に、縦置きエンジンの車両では、排気管の湾曲した部分の車幅方向外側にデッドスペースが生じ易いため、改善の余地があった。

本発明は、上述の問題に鑑み、エンジンから離間するように湾曲した排気管を備えた場合であっても、その大きさの大型化を抑えられるエンジンの排気循環装置を提供することを目的とする。

MX-30 Rotary-EVの排気経路は車体外側に迂回する形で設けられてる事を以前取り上げましたが、今回の特許はMX-30 Rotary-EVと同じ排気経路を"縦置きエンジン"で採用してる内容となります。

今回の特許はディーゼルエンジンを搭載した場合で説明図が掲載されていますが、エンジンの形式や使用燃料は限定していません。

MX-30 Rotary-EVの排気管。

このような排気構造を採用する理由としてMX-30 Rotary-EVのようにフロア下に搭載されたバッテリーを避ける事がありますが、今回の特許は室内スペースを確保するための低床化も理由として挙げられているのが特徴。

低床化に触れている点からセダンやクーペのような車体が薄くて低い車を意識した特許の可能性が考えられますが、先日のジャパンモビリティショー2023で世界初公開された「ICONIC SP」も2ローター化した発電用ロータリーエンジンを"縦置き"したモデルと公表。

さらにマツダの担当役員などからはロータリーエンジンを発電だけでなく駆動用としても活用する可能性を追求する発言が出ているので、今回取り上げた特許の内容や目的ともかなり一致する気がするのは考えすぎでしょうか・・・?

マツダが新しいコンセプトカー 「MAZDA ICONIC SP」をジャパンモビリティショー2023で世界初公開したので内容を詳しくチェック。 - つらつらとMAZDA

 

 

その一方で、エンジンを縦置きにした場合は後輪を駆動させるためのプロペラシャフトが車体中央に通されますが、今回の特許は変速機のすぐ後方に低床化されたフロアやバッテリーがある事から車体中央に排気管を通せないようになっています。

こうなると「プロペラシャフトも車体中央を通せないのでは?」という疑問が頭に浮かびますが、マツダトランスアクスル構造を視野に入れた特許を複数出願しており、この中にはプロペラシャフトのみ車体中央に通している内容も複数出願。

さらにトランスアクスル構造の関連特許と共通点が多いアルミ製スペースフレームに関する特許でも車体外側へ迂回した排気構造を採用した内容が出願されています。

これらの内容からICONIC SPはロータリーエンジンを発電だけでなく駆動にも使う可能性を本当に追及してる可能性があるかもしれません。

☆ICONIC SPと関係があるかもしれないマツダの特許をまとめたブログ

トランスアクスルを採用した特許説明図 (画像 IP Force.jp)

・・・・・・プロペラシャフト

・・・・・・バッテリー

オレンジ・・・トランスミッション(=トランスアクスル

 

 

いつも通り現時点では"あくまで特許"ではありますが、今回の特許を活用すればスポーツカーだけでなくMAZDA6後継の4ドアクーペみたいなモデルも登場する可能性がより高まるかもしれません。

今後さらに関連性のある新しい特許出願が公開される事も十分考えられるので引きつづき注目しておきたいと思います。