本日5月28日、スバル・トヨタ・マツダの3社共同でエンジンに関する大きな発表がありました。
本日12時半からスバル・トヨタ・マツダの3社共同による「マルチパスウェイワークショップ」が開催され、電動化に適合する新エンジン開発を三社三様で宣言。
スバルは「水平対向エンジンの次世代ハイブリッド」、トヨタは「1.5L高効率エンジン・2.0Lスポーツエンジン」を公開しましたが、マツダも注目すべきエンジンを公開しています。
今回マツダが初公開したのは2つの「ROTARY-EV SYSTEM CONCEPT」
発電用ロータリーエンジンを搭載した電動車は昨年「MX-30 Rotary-EV」が登場していますが、今回さらに発展させたRotary-EVシステムのコンセプトを2つ公開。
☆1ローター版
1ローターエンジン採用で横置き搭載するのはMX-30 Rotary-EVと全く同じですが、こちらはさらなる小型化を目指したコンセプト。
ワークショップに登壇した廣瀬さんは「展示されてるのは駆動ユニットも組み合わせた状態」「幅も高さも革新的にコンパクト」と紹介されているので、電気駆動ユニットだけでなくエンジンもより小型化されてる可能性が高そうです。
もしかするとMX-30 Rotary-EVに搭載されてる8C型ロータリーエンジンより排気量も小さくなってるかもしれませんね・・・。
MX-30 Rotary-EV用ユニットよりコンパクトになってるという事は、MAZDA2/CX-3のようなBセグメント車にも搭載可能でしょうか?
よりコンパクト化を目指す理由としては「搭載レイアウトの自由度」「実用性とエモーショナルなデザインの両立」が資料で挙げられていますが、廣瀬さんはあくまで一例として「BEV専用に設計された"モータールーム"にもそのまま搭載できるコンパクト性」にも触れています。
マツダは2027年頃からEV専用スケーラブルアーキテクチャー導入を予定していますが、このアーキテクチャーからBEVだけでなくRotary-EVモデルも登場する可能性があるかもしれません。
(企業規模やマルチソリューションの方針から考えるとマツダが"BEVしか生み出せないアーキテクチャー"を開発するのは高リスクと思っていたので・・・)
マツダが「中期経営計画のアップデートおよび2030年の経営方針」を正式発表、2ドアクーペのビジョンスタディモデルも初披露。 - つらつらとMAZDA
☆2ローター版
(CarWatch公式Twitter)
マツダの2ローターロータリーエンジンは、なんとドライサンプとのこと #マルチパスウェイワークショップ #マツダ pic.twitter.com/QU1VmfYRsm
— Car Watch (@car_watch) 2024年5月28日
(Motor-Fan公式Twitter)
マツダの2ローターロータリー。8C×2だから16Cです。ドライサンプ。あのスポーツカーに積まれるんでしょうね(明言はしてなかったけど)#mazda #ロータリーエンジン pic.twitter.com/eEbLir7U7h
— MotorFan[モーターファン] (@MotorFanweb) 2024年5月28日
2ローター化した発電用ロータリーエンジンを縦置き搭載する事で低重心なプロポーションの実現を目指したコンセプト。
排気量UPによって振動の低減だけでなくエミッションの改善も狙っているのは、アップサイジング(ライトサイジング)で開発されてきたSKYACTIVエンジンと同じ方向性ですね。
ドライサンプシステムを採用している事や一緒に展示されてるタイヤのトレッドデザインも含めて考えると「ICONIC SP」に搭載する事を目指したシステムの可能性がかなり高そうです。
Motor-Fanの画像を見ると展示されてるエンジンはMX-30 Rotary-EVに搭載されている8C型のローターハウジングがそのまま2つ使用されてるようで、エンジン上部にあった補器類(?)は横側に移動。
ただ、ハウジング側面を見ると排気口の大きさが前後でやや異なっているように見え、吸気口も含めて8C型より僅かに大きくなってる気も・・・。
もしかするとスポーツカー用として吸排気系をアップデートする事を目指しているのかもしれません。
ちなみに、ブログでは次世代ロータリースポーツに関係すると思われるマツダの特許を多く取り上げてきましたが、今回展示された「縦置き搭載の発電用ロータリーエンジン」や「ドライサンプシステムを採用したロータリーエンジン」に関する特許もすでに出願・登録されています。
(一例)
マツダは今年2月にロータリーエンジン開発グループを再始動させましたが、そこから約3か月で新しいロータリーEVシステムのコンセプトを発表したのはかなり驚きでした。
今回のワークショップでエンジンの詳しい仕様やスペック等は公表されていませんが、何より"現物"を展示した事によってRotary-EVシステム搭載車種の拡大やICONIC SPの量産化がより現実味を帯びてきたように感じます。
個人的にはスポーツカー向けでは無い可能性が高い1ローター版でも"エモーショナルなデザイン"と触れられていたのが興味深かったですね。
まだまだ研究・開発段階だと思いますが、今回発表されたコンセプトを実際に形にした試作車やプロトタイプが発表される可能性もあるので、今後の情報にも注目しておきたいと思います。
・石川県公式HP(令和6年1月4日から受付開始)
・富山県公式HP(令和6年1月5日から受付開始)
※:新潟県は現時点で義援金受け付けを行っていないようなので、日本赤十字を通じた義援金やふるさと納税で貢献するのがいいかもしれません。