今週は月曜日に続いて木曜日も特許出願情報が更新されましたが、マツダの新たな特許出願は37件とかなり多いので前編と後編に分けます。
前編ではこれまでにも大きな注目を集めてきた「アルミ製スペースフレーム採用のスポーツカー」に関する新たな内容を取り上げます。
アルミ製スペースフレームを採用したスポーツカーに関するマツダの特許出願はこれまでにも複数公開され、このブログで取り上げた際にも大きな注目を集めました。
今回はフロント周りに関する内容が8件同時に公開。
重複している説明図もあるので出来る限り整理しつつ紹介していきたいと思います。
(題名は8件共に「車両の前部車体構造」)
〇1件目
特開2021-127049 | 知財ポータル「IP Force」
〇資料に記載されている特許の目的
この発明は、衝撃吸収部材による衝撃吸収機能を確保しつつ、バンパ機構と車体との共振を抑制することができる車両の前部車体構造の提供を目的とする。
〇2件目・3件目
特開2021-127050 | 知財ポータル「IP Force」
特開2021-127051 | 知財ポータル「IP Force」
〇資料に記載されている特許の目的
(2件目)
この発明は、衝撃吸収部材による衝撃吸収機能を確保しつつ、バンパ機構と車体との共振を抑制することができる車両の前部車体構造の提供を目的とする。
(3件目)
この発明は、スタビライザやロアアームからの荷重が入力され、クロスメンバ支持部からの応力によって荷重が集中する部位を補強すると共に、巣(鋳造品に生ずる穴状欠陥)の発生を抑制して構造体の強度を安定して確保する車両の前部車体構造の提供を目的とする。
〇4件目
特開2021-127053 | 知財ポータル「IP Force」
〇資料に記載されている特許の目的
この発明は、サスペンションダンパ固定部への荷重入力時にサスペンションハウジングの前側が車幅方向内側へ回転しようとする力を効果的に受けて車体の捩れを抑制し、剛性確保を図ることができる車両の前部車体構造の提供を目的とする。
〇5~8件目
特開2021-127052 | 知財ポータル「IP Force」
特開2021-127054 | 知財ポータル「IP Force」
特開2021-127055 | 知財ポータル「IP Force」
特開2021-127056 | 知財ポータル「IP Force」
〇資料に記載されている特許の目的
(5件目)
サスペンションハウジングを支持する上下方向の剛性を高め、車体の捩れを抑制して、車両の挙動の応答性向上を図り、延いては、操縦安定性の向上を図ることができる車両の前部車体構造の提供を目的とする。
(6件目)
サスペンションハウジングを少なくとも4本のフレーム部材にて車体に連結し、当該サスペンションハウジングと車体部材との間にトラス構造を形成することで、上記サスペンションハウジングを高剛性にて支持することができ、効果的な荷重伝達を行なうことができる車両の前部車体構造の提供を目的とする。
(7件目)
荷重入力が最も大きい斜突時(オブリーク衝突時)にフレーム部材の折れを促進することで、乗員に対する減速度(いわゆるG)を抑制することができる車両の前部車体構造の提供を目的とする。
(8件目)
フレームの結合部へのせん断方向の荷重入力を抑制しつつ、荷重入力が最も大きい斜突時(オブリーク衝突時)に乗員への減速度(いわゆるG)の抑制を図ることができる車両の前部車体構造の提供を目的とする。
今回新たに公開されたアルミ製スペースフレーム採用のスポーツカー関係と思われるマツダの特許出願は以上となります。
フロント側の構造に関する特許出願は以前にも出てきているのでそれらの続編と言える内容ですが、今回の注目点は4件目に出てきた「”X形状”のカーボン(CFRP)製タワーバー」
マツダの特許ではカーボン(CFRP)製パーツの採用を視野に入れた内容が少しづつ公開されてきていますが、エンジンルームにカーボン製タワーバーが装備されると見た目も華やかになりそうです(笑)
以前から触れている通り、アルミ製スペースフレームを採用したスポーツカーというのはかなり攻めたモデルになるので現時点では”あくまで特許”という感じですが、これだけ具体的な特許出願が定期的に公開されてる状況を見ると期待は自然と高まりますね。
前編ではアルミ製スペースフレームを採用したスポーツカーと関係がありそうな内容を取り上げましたが、後編ではそれ以外で気になる特許出願を取り上げているのでこちらもチェックを。