今週新たに公開されたマツダが出願中の特許は8件。
数自体は少ないものの1件気になる内容があったので紹介したいと思います。
〇特許情報プラットフォーム
今回取り上げるのは「エンジンの吸気音増幅装置」という題名の内容。
〇資料に記載されている特許の目的
吸気音増幅装置がエンジンルーム内に配置されていると、エンジンからの放射熱が吸気音増幅装置に伝わるため、吸気音増幅装置による吸気音の増幅周波数が変化してしまう。
また、エンジンルーム内には、吸排気系や減速機などの種々の機器が配置されているので、吸気音増幅装置をエンジンルーム内に配置しようとしても、配置可能なスペースが小さく、吸気音増幅装置のサイズ(振動部の大きさ、通路の長さ等)を自由に設計し難い。
本発明の目的は、吸気音増幅装置において、エンジンからの放射熱による吸気音の増幅周波数変化を抑制するとともに、レイアウト自由度を高めることにある。
題名で分かる方も多いと思いますが、こちらは「縦置きエンジン用の吸気音増幅装置」に関する内容です。
マツダでは"インダクションサウンドエンハンサー(ISE)"と名付けており、これまでロードスターとCX-60に採用されてきました。
ISE自体はすでに採用例があるのでそれほど珍しくありませんが、今回の特許出願で気になったのは「インテークマニホールド(インマニ)の位置」
近年のマツダはFR車のインマニを車体向かって「右側」に配置していますが、今回の特許では「左側」に配置しているのが大きな特徴(左側に備わってるマツダ車としては「NA・NBロードスター」やロータリーエンジンの「RX-7・RX-8」等・・・)
今回の特許資料に排気経路(エキマニ)の位置は明記されていませんが、インマニとエキマニの位置を従来から逆にした場合はエンジンの回転方向も変わるのでかなり大掛かりな設計変更になるはず・・・。
資料では多気筒エンジンと明記されている事に加えて説明図のインマニも4つに分岐しているのでレシプロエンジンがやや有力ですが、インマニとエキマニどちらも車体向かって左側に配置する事を視野に入れてる場合は構造的にロータリーエンジンくらいしか考えられません。
場合によっては次世代ロータリースポーツカー用のインダクションサウンドエンハンサーに関する特許出願という可能性も頭に浮かびますが、さすがに妄想を膨らませすぎでしょうか・・・(笑)
レシプロエンジンとロータリーエンジンの作動原理。 画像|ロータリーエンジンの特長と課題【マツダ100年史・第12回・第4章 その2】 | clicccar.com
いろいろ妄想が膨らむ特許ですが、今後マツダのFR車でインマニとエキマニの配置が変わる事があるのか気になるところですね・・・。
今週気になった内容は以上となりますが、特許だけでなく商標・意匠も合わせて気になる内容を随時取り上げていきたいと思います。