今年中にも発電用として復活する見込みとなっているマツダのロータリーエンジンですが、2020年に出願公開されていた駆動用ロータリーエンジンに関する内容3件が無事に登録された事が分かりました。
今回登録された特許は3件。
まずは2020年1月に出願公開されていた「ロータリピストンエンジン」という題名の内容2件。
〇1件目:https://ipforce.jp/patent-jp-P_B1-7159661
〇2件目:https://ipforce.jp/patent-jp-P_B1-7159662
(2020年1月に取り上げたブログ記事はこちら)
〇資料に記載されている特許の目的
(1件目・2件目共通)
本発明は、ロータリピストンエンジンにおいて、アドバンス点火及び着火遅れ期間の短縮を可能にして、燃焼重心のアドバンス化による熱効率の改善を図る。
資料に使用用途が記載されていませんが、2ローターエンジンなので駆動用が有力そうです。
こちらの特許でポイントなのはローター外周面にある「リセス(凹み)」
これまで量産化されたマツダのロータリーエンジンのリセスは基本的に長方形でしたが、今回の特許では電球のような形になっています。
このような形状を検討している理由としては冷却損失や着火遅れを抑制する事で熱効率の改善が記載されていますが、さらにEGR装置の採用にも触れられているので暖気時間の短縮なども視野に入っているかもしれません。
続いては2020年6月に出願公開されていた同じ題名の内容を紹介。
https://ipforce.jp/patent-jp-P_B1-7159820
(2020年6月に取り上げたブログ記事はこちら)
〇資料に記載されている特許の目的
本発明の目的は、低回転運転領域の燃焼安定性を向上可能なロータリピストンエンジンを提供することである。
こちらも駆動用の2ローターエンジンに関する内容ですが、まず吸気ポートと排気ポートがそれぞれ2つずつ備わっています。
・吸気ポート・・・第1は「No.11a・11b」、第2は「No.12a・12b」
・排気ポート・・・第1は「No.13a・13b」、第2は「No.14a・14b」
さらに、説明文では"吸気ポートを早期に閉口"や"吸気遅閉じ機構"というフレーズも出てきているので、既存のSKYACTIV-Gに続いてロータリーエンジンもミラーサイクル採用を目指しているのかもしれません。
今回登録されたロータリーエンジンに関係するマツダの特許は以上3件となります。
いつも通り"あくまで特許"ではありますが、駆動用のロータリーエンジンに関する特許が定期的に出願・登録されてるのを見るとやはり期待は高まってしまいますよね・・・。
マツダは発電用ロータリーエンジンを採用した「MX-30 R-EV」をまもなく発表する可能性が高まっていますが、駆動用に関する次の展開についても何か情報が出てくることを祈りたいと思います。