つらつらとMAZDA

マツダに関する備忘録的ブログ。

2020年に出願公開されていた「非対称のリセス形状を採用したロータリーエンジン(おそらく駆動用)」に関するマツダの特許が登録されました。

(画像 IP Force.jp)

定期的に駆動用ロータリーエンジンに関する特許を出願しているマツダですが、2020年に出願公開されていた関連特許が今週無事に登録されました。

 

 

知財ポータルサイト

https://ipforce.jp/

〇特許情報プラットフォーム

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

 

 

今回無事に登録されたのは2020年1月に出願公開されていた「ロータリピストンエンジン」という題名の特許。

https://ipforce.jp/patent-jp-P_B1-7305930

(画像 IP Force.jp)

〇資料に記載されている特許の目的

ロータリーエンジンにおいて、EGR導入時には燃焼重心がリタードして熱効率が低くなることが知られている。その解決策として、点火時期のアドバンス化及び着火遅れ期間(点火から見掛けの熱発生開始までの期間)の短縮が考えられる。しかし、ロータリーエンジンの場合、レシプロエンジンとは違って、その構造上、点火後の燃焼初期において火炎から燃焼室壁面への熱伝達が大きくなり易い。そのため、アドバンス点火では着火ロバストの確保が難しく、着火遅れ期間の短縮が難しいという問題がある。

一般に、エンジンの燃焼性ないし熱効率の改善のために、燃焼室の表面積/容積の比を小さくして冷却損失を低減することは知られている。しかし、ロータリーエンジンの場合、燃焼室の表面積/容積の比を小さくするだけでは、アドバンス点火及び着火遅れ期間の短縮を実現することは難しい。

そこで、本発明は、ロータリーエンジンにおいて、アドバンス点火及び着火遅れ期間の短縮を可能にして燃焼重心のアドバンス化による熱効率の改善を図ると共に、所定の仮想火炎を定義し、この仮想火炎に基づいて、燃焼初期の壁面熱伝達が抑制されるようにロータのリセスを形成する。

(2020年1月に出願公開された時に取り上げたブログ記事)

特許資料にはエンジンの使用用途が明記されていませんが、よく見ると"2つのローターが前後方向(=縦置き)に並んでいる"と説明されている事から「駆動用ロータリーエンジンに関する特許が有力です。

あと、燃料噴射弁がローターハウジングの頂部に装着されているので直噴式となっています。

 

この特許の大きな特徴は冷却損失の低減と熱効率の向上を狙った独特なローターリセス(窪み)の形状ですが、僕が調べている限りだと非対称なリセス形状に関するマツダの特許はこれが初めてだったので、2020年1月に出願公開された時はかなり大きなインパクトでした(従来のマツダロータリーエンジンのリセスは対称形状)

(画像 IP Force.jp、MAZDA)

非対称のローターリセスは今年発表された「MX-30 R-EV」の発電用ロータリーエンジン"8C型"でも実際に採用されましたが、今回の特許よりさらに独特な形状になっています。

(画像 MAZDA)

さらに、先月8日に公開された駆動用ロータリーエンジンに関するマツダの特許出願では、新しいリセス形状(非対称)が3つ掲載されていたので、マツダは発電用だけでなく駆動用でも非対称形状のローターリセスを採用する方向で開発・検討を進めているのかもしれませんね・・・。

マツダのロータリーエンジンに関する新たな特許出願が公開、駆動用2ローターだけでなく発電用1ローターを"縦置き"した内容も。 - つらつらとMAZDA

「2023年6月に出願公開されたローターリセス形状 (画像 IP Force.jp)」

 

 

いつも通り"あくまで特許"ではありますが、ロータリーエンジンの関連特許が国内外で定期的に出願・登録されているのを見ると色々妄想や期待が膨らんでしまいますよね・・・

せっかくならポジティブな方向へ妄想を膨らました方が色々楽しめると思うので(笑)

今後さらに続編的な内容が出願される可能性もあるので引き続き注目しておきたいと思います。