電動化戦略を強化する方針をすでに表明しているマツダですが、今後の商品開発に関するコメントが出てきています。
今回取り上げるのはマツダに関する情報でおなじみ「中国新聞」の記事。
中国新聞は昨日開幕したジャパンモビリティショー2023の会場でマツダ取締役専務執行役員兼最高技術責任者(CTO)の廣瀬一郎さんへインタビューを実施。
今後の商品開発などについてコメントされています。
・エンジン開発に関する大規模な投資は今後せず、自社エンジンの種類を絞るのに加えて他社製の動力源も使って既存車種の販売を可能な限り続ける。
・今後は既存エンジンの改良が軸になる。
・今後追加予定の「CX-50 ハイブリッド」はハイブリッドシステムだけでなくエンジンもトヨタ製のものを搭載する。
マツダは2025~27年により本格的な自社開発のハイブリッドシステムを導入予定で、本格導入まではトヨタ製のハイブリッドシステムとエンジンを使い、谷間の期間を短くする
・米国・アラバマ工場における「CX-50 ハイブリッド」の生産開始は操業が安定してから。
・ラージ商品群など第7世代商品群への世代交代が進む一方で、最量販のCX-5など1世代前の車種も残るが「乗り味や安全装備に最新の知見を反映し、大きく進化している。使い倒す」と長く売り続ける意向を示した。
エンジンに関連するリソースを抑える方針は今年7月にもコメントされていましたが、実際に今年発表された商品改良ではMAZDA3やCX-30を中心にエンジンやトランスミッションの種類が整理されています。
新規のエンジンを全く開発しないわけでは無いと思いますが、今後は既存のエンジンを順次アップデートしていくのが中心になりそうですね・・・。
そして今回のインタビューで最も注目なのが「CX-50 ハイブリッドモデル」はハイブリッドシステムだけでなくエンジンもトヨタ製の物を搭載する事が廣瀬さんから明言された事。
すでにハイブリッドモデルが正式発表されている中国では政府機関へ届出された資料からエンジンも含めてトヨタ製の可能性が高まっていましたが、米国で生産されるハイブリッドモデルも同じ中身になるようです。
エンジン開発も含めて限られた経営資源を電動化へ振り分ける狙いがあるようですが、エンジンまでトヨタ製になるとマツダ車の走りを決める要素の一つ"GVC"などは採用されないでしょうね・・・。
そして、第6世代商品群についても最新の知見を取り入れて進化しつつ長く売り続ける方針が明言されたようですが、実際に「ロードスター」「MAZDA2」「CX-3」は最近正式発表された商品改良で新世代マツダコネクトが新たに搭載されています。
マツダコネクト刷新はかなりコストが掛かる話も聞くので、この3車種はまだ当分現行モデルが販売継続されそうですね(特にロードスターは長いはず・・・)
その一方で「CX-5」は2025年頃にEVモデル追加や全面改良の報道が最近出てきていますが、廣瀬さんのコメントを見る限りだと既存の第6世代アーキテクチャーをさらに改良する可能性もあったりするのでしょうか・・・?
あとは何より「MAZDA6」を今後どうするのか気になる人も多いでしょうね。
今後マツダに関する話題はより電動化に関する内容が中心になっていくと思われますが、昨日のプレスカンファレンスでも毛籠社長から"移動体験の感動を量産するクルマ好きの会社を目指す"事が明言されたので、あらゆるパワートレインで魅力的な車が登場する事に期待したいですね。