つらつらとMAZDA

マツダに関する備忘録的ブログ。

今週新たに公開されたマツダが出願中の特許(2024.10.5)

(画像 IP Force.jp)

出願公開件数が少ない状況が続いているマツダの特許関連情報ですが、今週はいくつか特許出願が公開されています。

 

 

知財ポータルサイト

https://ipforce.jp/

〇特許情報プラットフォーム

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

 

 

まず最初に紹介するのは「エンジンの始動制御装置」という題名の内容2件。

(1件目:2024-136981 | 知財ポータル「IP Force」

(2件目:2024-136982 | 知財ポータル「IP Force」

(画像 IP Force.jp)

〇資料に記載されている特許の目的

(1件目)

駆動中のモータのトルクをエンジンに伝達することでエンジンを始動させる場合において、モータのトルクのみでエンジンを始動させるとエンジンの始動時間が長くなる。

具体的に、この場合はクラッチを徐々に接続していくことになるため、モータからエンジンに伝達されるトルクの増加速度が小さく抑えられてエンジン回転数の上昇速度が低く抑えられる。これに対して、モータのトルクをエンジンに伝達しつつエンジンでの燃焼を開始すれば、エンジン回転数の上昇速度を高めることができる。

しかしながら、単に、モータからエンジンへのトルク伝達とエンジンでの燃焼とを同時に行ったのでは、エンジンの回転数が過度に上昇してしまいトルクショックが生じるおそれがある。

本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、トルクショックを抑制しつつエンジンを早期に始動させることのできるエンジンの始動制御装置を提供することを目的とする。

(2件目)

本発明はバッテリの電圧低下を小さく抑えつつエンジンの適切な始動が可能なエンジンの始動制御装置を提供することを目的とする。

これら2件は「直6ディーゼルエンジンハイブリッド車に関する内容ですが、モーターだけで走行可能(EVモード)なのに加えて6速トランスミッション(AT/MTは記載無し)採用を前提にしているのが特徴。

現在CX-60やCX-80に搭載されている直6ディーゼルはマイルドハイブリッドの8速ATなので、現時点で量産車に無い組み合わせになります。

マツダは次期CX-5搭載に向けて開発しているストロングハイブリッドをラージ商品群にも展開する事を検討しているようなので、今後直6ディーゼルもストロングハイブリッド化される事も考えられますが、8速ATから段数を減らすのは正直非現実的・・・。

マツダは2020年以降に「ロードスター用とは異なる構造の縦置き用6速MT」に関する特許を複数出願していたので、ラージ商品群のMT車を検討してるのでしょうか?

ロードスター用とは異なる構造の縦置き用6速MTの特許を取り上げたブログの一例

 

 

続いては「発電用ロータリーエンジン搭載のシリーズハイブリッドに関する内容を3件紹介。

①「ハイブリッド車両のエンジン暖機制御装置」

2024-134297 | 知財ポータル「IP Force」

(画像 IP Force.jp)

〇資料に記載されている特許の目的

カーブなどの減速運転と加速運転とを繰り返すシーンにおいて、車速が第1暖機要求回転数を切り替える車速に近いときには、エンジンの回転数の切り替えが頻繁に発生してしまう。エンジンの回転数の切替頻度が高いと、エンジン音が頻繁に切り替わるため、運転者に違和感を与えるおそれがある。

ここに開示された技術は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車速に応じて回転数を切替可能なエンジンを有するハイブリッド車両において、運転者に違和感を与えにくくすることにある。

 

②「エンジンの油圧制御装置」

③「ハイブリッド車両のエンジン制御装置」

2024-134301 | 知財ポータル「IP Force」

2024-134303 | 知財ポータル「IP Force」

(画像 IP Force.jp)

〇資料に記載されている特許の目的

回転体と固定体との潤滑を適切に維持するとともに、オイルポンプの負荷を低減させることができる油圧制御装置を提供することにある。

ハイブリッド車両に設けられるエンジンには、車両の駆動源とはならず、ジェネレータを発電するためにのみ搭載されたものがある。このようなエンジンは、駆動源としてのエンジンと比較してかなり小型化される。

エンジンが小型化されれば、オイルパンもそれに付随して小型化される。このような小型化されたオイルパンにバッフルプレートを設けるとなると、構造が複雑化する。また、エンジンが小型化されれば、バッフルプレートを設けることによる製造コストの上昇の影響が大きくなる。

ここに開示された技術は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エンジン内の潤滑部に油膜が適切に形成されるようにすることにある。

発電用ロータリーエンジン搭載のシリーズハイブリッドといえば昨年登場した「MX-30 Rotary-EV」ですが、これら3件の特許はMX-30 Rotary-EVが世界初披露されてすぐの昨年3月に出願されているので、実際に採用されている内容の可能性も考えられます。

今回はエンジン音低減や油膜維持に関する内容ですが、1つ目の説明文ではエンジンに関して「"基本的に"駆動源としては使用されない」と含みを持たせているのがちょっと気になるところ(笑)

Rotary-EVに関しては今年5月にスバル・トヨタと共同開催したマルチパスウェイ・ワークショップで公開された1ローターのROTARY-EV SYSTEM CONCEPTのモックアップトヨタ製ハイブリッドシステム(THS)が組み合わされていたようなので駆動用として活用も検討はしてそうですが・・・。

 

 

今週気になった出願公開は以上となりますが、夏前から少しずつ特許出願・登録の動きが戻りつつあるので引き続き情報に注目しておきたいと思います。

(そろそろロータリースポーツに関する新たな特許出願が出てきて欲しいですが・・・)

 

令和6年能登半島地震災害・9月21日豪雨被害の義援金受付関連。

◎石川県公式HP

地震災害用リンク(令和6年12月27日まで受付)

令和6年(2024年)能登半島地震に係る災害義援金の受付について | 石川県

・豪雨被害用リンク(令和7年3月31日まで受付)

令和6年(2024年)能登豪雨に係る災害義援金の受付について | 石川県

富山県公式HP(令和6年12月27日まで受付予定)

富山県/「令和6年能登半島地震災害義援金(富山県被災者支援分)」の受付について

新潟県公式HP(令和6年12月27日まで受付予定)

令和6年能登半島地震で被災された方々(新潟県の被災者)への義援金の受付について - 新潟県ホームページ