おそらく今年最後の出願公開になります。
そこそこの件数があったのでその中からいくつか取り上げます。
まずは「車両制御システム及び方法」という6件の内容。
特開2019-217992 | 知財ポータル「IP Force」
特開2019-217993 | 知財ポータル「IP Force」
特開2019-217994 | 知財ポータル「IP Force」
特開2019-217995 | 知財ポータル「IP Force」
特開2019-217996 | 知財ポータル「IP Force」
特開2019-217997 | 知財ポータル「IP Force」
縦置きFRベースの車両に関する内容です。
複数ありますが共通している特許出願の目的は・・・
「後輪駆動の車両においても、ステアリング操作に対する車両の応答性を向上させることができる車両制御システム」
さらに詳しく見ていくと・・・
「操舵速度に応じて車両の駆動力を低減することにより車両前輪の垂直荷重を増大させ、この結果、ドライバのステアリング操作に対する車両挙動の応答性やリニア感を向上させることに成功している。
しかし、後輪駆動車への適用を試みたところ、操縦安定性の向上や車両挙動の応答性、リニア感の向上という効果を得ることはできなかった。
鋭意研究を進めた結果、後輪駆動車においては、驚くべきことに、ドライバによる操舵に応じて車両の駆動トルクを増加させることにより、車両応答性やリニア感が向上することが明らかとなった」
”駆動力によってステアリングの応答性やリニア感を向上させる”という文面から「FR車両用のGベクタリングコントロール(GVC+)」に関する内容になります!
この内容が市販車へ採用された場合・・・
・FF車両のGVC+はトルク低減の制御
・FR車両のGVC+はトルク増加の制御
という形になります。
今週、FR車両用のGVC+に関する特許出願はさらに出ています・・・(笑)
「車両の制御方法及び車両システム」
特開2019-218019 | 知財ポータル「IP Force」
特開2019-218020 | 知財ポータル「IP Force」
こちらも基本的には先に触れた内容と特許出願の目的は同じです。
エンジンとトランスミッションの間に駆動と回生発電の役割を担うモータージェネレーター(NO.20)が搭載されることを想定しています。
しかし、GVCって相当複雑な制御で成り立ってる事を改めて実感します😅
最後は「車両の前部車体構造」という内容。
特開2019-217820 | 知財ポータル「IP Force」
FR車両用の車体構造に関する内容です。
特許出願の目的は・・・
「サスペンションに備えたサスアームとサブフレームに設けたサスペンション取付部との間に介在するラバーブッシュに要求されるサスペンション支持性能を補償しつつ、サスペンションからサブフレームに伝達される振動を低減することができる車両の前部車体構造の提供を目的とする」
今週の気になった出願公開は以上になります。
今年もマツダの特許・出願公開を見てきましたが、FRベースの次世代ラージ群車両に関係していると思われる内容が増えた事でほぼ定番になってきました(笑)
ロータリーエンジンに関してもレンジエクステンダー向けの内容が中心でしたが、駆動用の内容も定期的に出てきています。
2020年はマツダ創立100年、これまで気になってた特許・出願内容を反映したスゴイ市販車やコンセプトカーが出るかな?と妄想しつつ(笑)来年も定期的にチェックしていこうと思います。