つらつらとMAZDA

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ロードスターの開発スタッフが新しい特別仕様車「990S」や新しい車両姿勢安定化制御に関して解説。

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(画像 MAZDA)

昨日開催された軽井沢ミーティングで実車が初公開された新しい特別仕様車「990S」

ミーティングに参加された開発スタッフさんが990Sや新しい車両姿勢安定化制御に関して解説されている記事が出てきました。

 

軽井沢ミーティングで新しい特別仕様車「990S」の実車が初公開された内容を取り上げた記事。

マツダの無料会員サービス「CLUB MAZDA」内でも披露を匂わせるお知らせが出ていたので注目していましたが、ブログやTwitterを見る限りでもかなり大きな反響が出ている様子でした。

 

より詳しい情報が気になっていましたが、イベント内で行われた開発スタッフのトークショーの内容を自動車メディア「CarWatch」が取り上げています。

〇CarWatch

トークショーに参加されたのは2019年から開発主査を担当されている斎藤茂樹さん、NA時代から開発スタッフを担当されている商品本部の山口宗則さんのお二人。

リンク先の記事から気になった内容をピックアップしていきます・・・。

〇990Sについて

(斎藤茂樹さん)

2019年5月に主査となってから初めて自分が企画したモデル。

・歴代の主査も追い求めていたロードスターの本質"軽さ"を改めてスポーツカーファンに確認してもらいたいという想いとピュアに楽しいクルマを届けたい気持ちも込めて開発。

・ソフトトップや各パーツの挿し色に青色を採用したのは軽快感を表現するため。

・RAYS製ホイールで1本あたり約800g(4本合計で約3.2kg)の軽量化。

・ブレーキはブレンボキャリパーとローター径UPで重くなると思いがちだが、純正キャリパーが鉄製なのに対してブレンボはアルミ製なので前後ブレーキ合わせて700gの軽量化を達成。

・990Sは“家のまわりを普通に乗って楽しい”というのが最大のコンセプト。

990Sではダンパーの減衰力を限界まで下げたので、街乗りではもの凄くしなやかに足がよく動き乗り心地がいい。

(山口宗則さん)

われわれ開発チームが信奉しているSグレードは軽量化のためにマツダコネクトやナビも付いてない事から一番下のエントリーモデルのように見られてしまい販売台数は他のグレードに劣っている。

・そこでどうにかロードスター本来の姿である"S"が主役になれるようなモデルを作れないかと考えたのがこの990S。

990Sは日本のみの特別仕様で海外にも1.5リッターエンジンの設定はあるもののリアスタビが付いてないモデルは無い。また日本の"S"や"990S”では未装着のインシュレーターも海外向けは騒音対策のために必ず装着されるのでここまで軽量なモデルは作れない。

〇新しい「車両姿勢安定化制御」について。

(斎藤茂樹さん)

「車両姿勢安定化制御(KPC)」は世界初となる技術。

コーナリング中に0.3GぐらいのGがかかるとリアの内輪のブレーキを少しだけ効かせる仕組み。

ロードスターのリアサスペンションは「アンチジオメトリーサスペンション」という構造、例えば左曲がりのコーナリング中は外側(右側)にGがかかり、左の後輪は浮き上がろうとするが、この「車両姿勢安定化制御」が働くことでその浮き上がりを抑制してくれる。

・開発中はちょっとでも違和感があったらあきらめようと思っていたが、完成するとあたかも電子制御サスペンションに乗っているかのように感じられ、まったく違和感がない。

車両姿勢安定化制御はオープンデフのほうがより適している。

・特にダンパーの減衰力を限界まで下げた990Sでワインディングとかを楽しめるか心配になる人もいると思いますが、この「車両姿勢安定化制御」があれば問題なくコーナリングも楽しめる。

車両姿勢安定化制御は、今後ロードスター全グレードに採用する。

(山口宗則さん)

車両姿勢安定化制御については2017年から開発が始まっていた。

・最初に乗ったときの印象は「映画アラジンに出てくる魔法の絨毯のようで、ロールしないでコーナーを抜けていく姿が思い浮かんだ」

・例えるなら「スキー選手がスラロームで"右足、左足"と荷重を操っているのをクルマ自体がやっているような。リアサスペンションが生き物になったような技術」

車両姿勢安定化制御はDSCをOFFにすると一緒にOFFにできる。ただしON/OFFの比較走行は危ないのでサーキットやジムカーナ場などで自己責任の範疇で。

ざっとまとめましたが、990Sは初代NAに近いフィーリングを味わえるSグレードの良さをより知ってもらうために開発されたモデルという印象ですね。

Sグレードと同様に990Sも日本市場専用モデルというのも魅力度が高まります。

ちなみに、車両姿勢安定化制御の名称に関しては"KPC”と報じられていますが、同じく990S実車披露を取り上げているCliccar.comの記事によると「イベント当日マツダは名称を言及していない」との事。

990kg最軽量の新型NDロードスター「990S」は初代NAロードスターに通じる軽快感と価格30万円弱アップでRAYSホイールとブレンボ装備し2021年12月登場 | clicccar.com

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(画像 cliccar.com)

そのままKPCという名称になる可能性もありますが、念のため現時点では"あくまで仮称"という感じで捉えておく方がいいかもしれませんね。

ちなみに海外では"FR-DYC System"という名称になる噂も出てきていますが、こちらも現時点では正式名称なのか不明です・・・。

あと、斎藤茂樹さんはロードスターの商品改良についても「発表は年内、納車は来年」「ボディカラーも若干の変更 or 追加がある」「990Sは特別仕様車だが台数を限定せずに販売」と証言されたとの事。

マツダの無料会員サービス「CLUB MAZDA」の中でも本日10月25日からロードスター商品改良モデルの情報を随時公開予定となっているので注目ですね。

登録がまだの方はこの機会に是非♪