2019年頃からインホイールモーターやトランスアクスルに関するマツダの特許出願が複数公開されていましたが、新たに2件登録された事が分かりました。
最初に紹介するのは2019年11月に出願公開されていた「インホイールモータ駆動装置」という題名の内容。
https://ipforce.jp/patent-jp-P_B1-7128437
(2019年11月に取り上げたブログ記事はこちら)
〇資料に記載されている特許の目的
本発明の目的は、給電線の信頼性と車両の操縦性とを両立可能なインホイールモータ駆動装置等を提供することである。
こちらはインホイールモーター本体に関する特許ですが、重量を極力増やさずに給電線の信頼性を確保する事でバネ下重量低減と操縦性を向上を目指した内容となっています。
加えて注目なのは「フライホイール"レス"エンジン」ですが、これに関してはインホイールモーターに関する別の特許で「フライホイールレスのロータリーエンジン」を視野に入れている内容があるので、今回も同じ方向性の内容かもしれません。
続いてもう一件は2020年11月に出願公開されていた「冷却装置の組み付け方法、及び冷却装置」という題名の内容。
https://ipforce.jp/patent-jp-P_B1-7130191
(2020年11月に取り上げたブログ記事はこちら)
〇資料に記載されている特許の目的
近年、車両にはエンジンの他、モータやそれを駆動するためのバッテリ、駆動回路等、冷却を必要とする機器が数多く搭載されるようになり、大型のラジエータが車両に積載されることが多くなっている。
このように、ラジエータが大型化するとラジエータを鉛直方向に立てて車両に搭載することが困難になる。特に、ボンネットが低いデザインの車両に大型のラジエータを搭載するためには、鉛直面に対してラジエータを傾斜させて収容する必要がある。
ところが、ラジエータを傾斜させた状態で車両に搭載すると、その鉛直方向の投影面積が大きくなるので、車両の組み立て時において、ラジエータの車体への組み付けが困難となる。
従って、本発明は、大型のラジエータを備えた冷却アセンブリであっても、比較的容易に車体に組み付けることができる冷却装置の組み付け方法、及び冷却装置を提供することを目的としている。
こちらはインホイールモーターを備えたFRベースのハイブリッド車における冷却装置に関する内容ですが、注目は「ボンネットが低い車両のためにラジエーターを傾斜させて搭載する事を目指している」点。
ラジエーターを傾斜させた搭載方法はすでにNCロードスターやRX-8等で実施例があるので、今回の特許もスポーツカーを意識した内容の可能性がかなり高そうです。
さらに、少しだけ描かれているフロントの脚回りはこれまで度々出願公開されているアルミ製スペースフレームに関する特許の説明図とかなり似ています。
(一例)
https://ipforce.jp/patent-jp-A-2019-177829
以上、新たに登録された2件の内容を紹介しましたが、どちらもスポーツカーを視野に入れてる可能性が高そうな特許なので、これらの内容が実際に採用された次世代ロータリースポーツ等が出てくるのを期待したいですね・・・。
今後も引き続き気になる特許を取り上げていきたいと思います。