今週新たに公開されたマツダが出願中の特許は8件。
その中から気になった内容を取り上げます。
〇特許情報プラットフォーム
今回取り上げるのは「エンジン」という題名の特許5件。
①https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-84002
②https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-84003













☆資料に記載されている特許の目的
(①と②共通)
エンジンの中負荷運転での熱効率改善要求と高負荷運転でのノッキング抑制要求との両立を図ること。
③https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-84012
④https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-84013
⑤https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-84014









☆資料に記載されている特許の目的
(③・④・⑤共通)
燃焼室にプレチャンバを備えた特定のエンジンにおいて、高負荷高回転の運転領域で発生する強いノックを効果的に抑制することを課題とする。
従来のレシプロエンジンは燃焼室ごとに備わるスパークプラグが1つですが、今回取り上げた5件はいずれも通常のスパークプラグに加えて「プレチャンバープラグ(PCP点火プラグ)」も備わったエンジンになっているのが大きな特徴です。
かなり専門的な用語ですが、素人なりに調べる限りだと”プレチャンバー”とは限られた燃料からパワーを引き出すために熱効率を高める技術の一つ。
スパークプラグ先端に設けられた副燃焼室で生まれた火炎が小さな噴射口を高速で通過する事で超希薄燃焼を実現する流れとなっています(たぶん合ってるはず・・・)
比較的低コストでガソリンエンジンの熱効率を飛躍的に高める事が出来る技術として各自動車メーカーが研究をおこなっているようですが、F1ではすでに2014年から採用されている事に加えて、2020年代に入ってからメルセデスAMGとマセラティの量産エンジンにも採用されています。
マツダもSKYACTIVテクノロジー導入後は高圧縮比やリーンバーンでエンジンの熱効率向上を進めてきていますが、まだプレチャンバープラグを採用した量産エンジンは登場していないので、今回の特許は次世代ガソリンエンジン(第3世代)に向けた内容と思われます。
マツダに関する情報でおなじみの中国新聞は2020年に「マツダが第3世代ガソリンエンジンを2025年頃に投入予定」と報じていましたが、マツダは昨年11月に中期経営計画をアップデートして電動化戦略を強化していく方針を示したので、第3世代エンジンに関する計画に変更があったのか気になるところ・・・。
いつも通り"あくまで特許"ではありますが、今年はジャパンモビリティショー(旧東京モーターショー)も開催されるので、次世代エンジンに関する発表もあるのか注目ですね。