つらつらとMAZDA

マツダに関する備忘録的ブログ。

マツダの関係者が「CX-90」のオーストラリア発売開始に合わせて今後の販売計画やブランド戦略についてコメント。

(画像 オーストラリアマツダ)

先月から「CX-60」の販売が開始されているオーストラリアですが、これに続いて「CX-90」も今月から発売開始する事が発表されています。

 

 

CX‐90は今年春から北米で販売開始されていますが、オーストラリアマツダも8月から販売開始予定と公表済み。

オーストラリアでは先月からCX-60の販売が開始されていますが、予定通り今月からCX-90も販売開始する事が発表されています。

 

 

オーストラリアではCX-90発売開始に合わせて現地メディアによる試乗レポートが一斉に解禁。

早速多くの記事や動画が出てきていますが、現地で開催されたメディア向けの試乗イベントでマツダ関係者が今後の計画などについてコメントしているので、順番に紹介していきます。

 

 

「オーストラリアにおけるCX-90の販売戦略について」

〇CarExpert

オーストラリアマツダのマネージングディレクターVinesh Bhindi氏がCX-90の販売戦略や目標販売台数についてコメントされています。

・CX-90の月間販売目標は約100~150台で、年間では約1200~1800台になる見込み(CX-8CX-9の月間販売台数は約500台)

・CX-90はマツダのフラッグシップSUVなので、それほど大量に販売される車種では無い。

・CX-90はCX-9の直接的な後継モデルではなく、より上級モデルへステップアップする事を求めるユーザーへの新たな選択肢になる。

・今後さらにCX-80も登場するので、既存のCX-8と合わせて多くの選択肢を用意する事が出来る。

先に発売開始されている北米ではCX-90をCX-9の実質的後継モデルと公表していましたが、オーストラリアマツダの場合はCX-8CX-9より控えめな月間販売目標を見ても分かるように、既存モデルよりさらに上級な新しいフラッグシップSUVに位置付けてるようですね。

ちなみに、年間販売台数約1200~1800台は同じセグメントに該当する「アウディ Q7」「レクサス RX」「フォルクスワーゲン トゥアレグ」「ボルボ XC90」と同等のようです。

CX-9の直接的な後継モデルはこれから登場するCX-80になりそうですが、今回の記事を見る限りだとCX-8を販売継続する方針に変更は無さそうな印象・・・。

日本ではつい先日生産・販売終了が発表されたので対照的な状況ですが、今後オーストラリアでも方針転換があるのか気になるところですね。

 

 

ディーゼルエンジンの今後について」

CX-90オーストラリア仕様は直6ガソリンエンジン搭載モデルに加えて北米仕様に無い直6ディーゼルエンジン搭載モデルも用意されているのが特徴ですが、CX-90開発主査の脇家満さんがCarExpertの記事でディーゼルエンジンの今後についてコメントされています。

・お客様がディーゼルエンジンを望むのであれば、排出ガス規制を効率的にクリアできる限り提供し続けたいと考えている。

ディーゼルエンジンの需要は縮小傾向なのに加えて今後のニーズ拡大も不透明なので、日本やオーストラリアなど需要がある市場には効率的な方法で提供しています。

・CarExpertによるとオーストラリアでもディーゼルエンジンの需要は減少傾向にあるが、ラダーフレームSUVピックアップトラックを中心にまだまだ一定の人気がある。

需要は引き続き縮小傾向にあるものの、マツダとしては要望がある限りディーゼルエンジンを提供し続ける方針に変わりないとの事。

実際にCX-60の直6ディーゼルエンジン搭載車はかなり優れた燃費性能で、スペインで開催されたエコランイベントでもクラス優勝を達成しています。

小型車用のディーゼルはかなり厳しい状況ですが、ラージ商品群のような大型車では今後も一定の需要が残る予感もしますね・・・。

 

 

「PHEVの発売開始時期について」

〇CarExpert

〇DRIVE

CX-90オーストラリア仕様は先に紹介した直6エンジン(ガソリン/ディーゼル)搭載車がラインアップされていますが、PHEVモデルに関しては当初から発売開始が2024年に遅れるという報道がありました。

これに関してもオーストラリアマツダのマネージングディレクターVinesh Bhindi氏が複数のメディアでコメント。

・CX-90 PHEVモデルのオーストラリア導入は出来る限り早く実現させるが、今のところ2024年後半になる予定。

・PHEVモデルのみ導入が遅れるのはADRに適合させる作業の必要があるため。

ADR・・・オーストラリアにおける自動車の安全性・盗難防止・排ガスなどの国家技術規則(Australian Design Rules)

PHEVモデルも出来る限り早く導入する方針のようですが、ADRに適合させる作業の関係からあと1年程度時間は掛かるようです。

先月から発売開始されているCX-60は最初からPHEVモデルもラインナップされているのでやや不思議ですが、2月に公開されたCarExpertの記事では「CX-90のPHEVモデルは元々北米市場向けで開発されていた」という一文もあるので、オーストラリア導入は遅れて決定されたのかもしれませんね・・・。

(2月の記事)

 

 

「今後のブランドの方向性について」

〇GO AUTO

マツダはSKYACTIVテクノロジー導入と合わせてブランド価値を重視する経営方針を示していた事に加えて、既存車種より上の価格帯になるラージ商品群を導入開始した事から高級ブランドを目指しているように勘違いされる事例が増えていますが、これに関してもオーストラリアマツダのマネージングディレクターVinesh Bhindi氏がGO AUTOの記事でコメント。

・以前から掲げている"マツダプレミアム"とは、高級ブランドを目指す事では無く他には無い独自の技術や商品価値を提供し続ける事を意味している。

マツダはラージ商品群に加えて従来のアフォーダブルな価格帯のモデルも引き続き提供していく方針。

CX-5の次期型・後継モデルが存在する事は確認しているが、車名の行方に関してはまだ不明。

・MAZDA2とCX-3の次期型が開発されているのかはまだ確認できないが、商品改良モデルの発売が間もなく始まるので、コンパクトカーのようなアフォーダブルなモデルを廃止することは無い。

マツダのブランド戦略に関してはこれまでにも度々取り上げていますが、ラージ商品群導入後もアフォーダブルな価格帯のモデルを提供する方針に変更は無いとの事。

そして今回の記事でもCX-5の次期型・後継モデルが存在する事を明言されているので、いずれ登場するのはほぼ確実と思われます。

一方で、発売開始から10年弱が経過しているMAZDA2・CX-3の次期型に関してはまだ開発している事を確認できないとの事。

詳しい明言を避けた可能性も考えられますが、CX-5との温度差を考えると次期型・後継モデルが出てくるのはまだしばらく先になりそうですね・・・。

 

 

CX-90発売開始に合わせて解禁された記事で気になった内容は以上となりますが、北米と違ってCX-9の直接的な後継モデルとは考えていないようなので、販売台数よりも一台毎の利益を重視する方針かもしれませんね・・・。

オーストラリアマツダはすでにCX-80導入を正式に予告しているので、実際の販売拡大はこちらが担う事も考えられます。

あとは日本で販売・生産終了が発表されたCX-8を当初の予定通りCX-80・CX-90と併売していくのか気になるところですね・・・。