昨日から日本での予約受注が開始された「MX-30 Rotary-EV」ですが、ロータリーエンジンの今後に関して取り上げてる記事がいくつか出てきています。
発電用ロータリーエンジンを搭載したMX-30 Rotary-EV(欧州はR-EV)は欧州に続いて日本でも昨日から予約受注が開始。
ロータリーエンジン搭載の市販車が11年ぶりに復活した事で大きな話題を集めていますが、多くの方が気になっているのがロータリーエンジンの今後。
これに関して取り上げてる記事がいくつかあったので順番に紹介していきたいと思います。
〇発電用ロータリーエンジンでPHEV以外の電動車両が登場する可能性は?
マツダは2018年に発電用ロータリーエンジンを軸にした電動化技術「マルチxEV(マルチ電動化技術)」を公表しており、MX-30 Rotary-EVはこの技術を基に生み出されたプラグインハイブリッドとなりますが、この技術はシリーズハイブリッドとレンジエクステンダーへの展開も可能。
WEB CGの記事を見るとマルチxEVの今後に関係しそうな内容が載っていました。
マツダがロータリーを発電に使う電動化モデル構想を明かした2018年当時、レンジエクステンダーEV(RxEV)、PHEV、そして通常のハイブリッド車(HEV)の3種類を開発するとしていた。そのなかで最初にカタチになったのが、ご覧のようにPHEVである。
2025年にはHEVも発売予定というが、いっぽうでRxEVについては2021年に「開発中止」とされたことが明らかになっている。
レンジエクステンダーに関しては2021年の時点で開発中止が報じられていましたが、ハイブリッドに関しては2025年に発売予定という話があるようです。
マツダは昨年11月に発表した中期経営計画のアップデートで「これまで積み上げてきた技術資産を有効に使った新しいハイブリッドシステムを2025年頃に導入する」と公表していたので、これが発電用ロータリーエンジンを採用したシリーズハイブリッドを意味してるのかもしれません。
ただ、現時点で新しいハイブリッドシステムの詳細は公表されて無い事に加えて、2025年頃に投入されるのは「マイルドハイブリッドから発展させたストロングハイブリッド」と報じているメディアもあるので、ロータリーエンジンを使用しないハイブリッドが出る可能性もありますが・・・・。
〇MX-30以外の車種へロータリーエンジンが搭載される可能性は?
ハイブリッドの種類と同じくらい気になるのが発電用ロータリーエンジンがMX-30以外の車種へ展開される可能性ですが、こちらに関しては中国新聞の記事でいくつか気になる内容がありました。
〇中国新聞
・小型で出力の高いロータリーエンジンの特長を生かし、比較的小さな車体を実質的な電気自動車(EV)として走らせる最適な手段として選んだ。ロータリーエンジンの生産能力には余裕があり、マツダは他の車種への搭載にも含みを持たせる。
・マツダは発電用ロータリーエンジン搭載車を年間2万台生産する能力を確保しており、MX-30 Rotary-EVが日本と欧州で人気を集めて目標通り売れた場合でも生産能力には「余裕を持っている」という。
中国新聞の取材によると現時点で発電用ロータリーエンジン搭載車の生産能力は年間2万台規模を確保しており、これはMX-30 Rotary-EVが日本と欧州で人気を集めた場合でも余裕がある状況との事(中国新聞によるとMX-30 Rotary-EVの国内年間目標販売台数は3600台)
この事から中国新聞はMX-30以外にも展開される予測をしているようですね。
今回登場した発電用ロータリーエンジン"8C型"は完全新規開発なのに加えて、エンジンの製造ラインも大幅に改修されたようですが、元々販売台数や導入地域に限りがあるMX-30だけのためにここまで投資するのは正直なところ考えにくい・・・。
これまでにも丸本前社長や欧州マツダCEOから「MX-30以外のスモール群にも展開する可能性」が明言されていた事を考えると、今後搭載車種が増える可能性は高いと思われます。
ちなみに、別のメディアの記事によると「MX-30 Rotary-EVと同じシステム構成でCX-5やCX-60を動かすとすれば最低でも3ローターが必要」との事なので、環境規制なども考えるとMX-30よりサイズが大きい車種へ発電用ロータリーエンジンが搭載される可能性は今のところ低そうです。
発電用ロータリーエンジンに関してはまずMX-30 Rotary-EVの販売が最優先ですが、これまでの情報を見る限りだと他の車種への展開やPHEV以外のハイブリッドが登場する可能性は高そうに思います。
新たな搭載車としてはやはりCX-30・MAZDA3・MAZDA2あたりが有力候補でしょうか・・・?
来月に開催されるジャパンモビリティショー(旧:東京モーターショー)で今後の展開についても公表される可能性があるのでマツダからの発表に注目ですね。