11月16日に国内販売がスタートした「MX-30 Rotary-EV」ですが、ようやく時間が出来たので試乗してきました。
RX-8以来のロータリーエンジン搭載車として今年1月にワールドプレミアされたMX-30 Rotary-EVですが、国内では9月14日に予約受注が開始されて11月16日に販売開始。
MX-30 Rotary-EVの実車はすでに神戸マツダファンフェスタや岡山のマツダファンフェスタでチェックしていましたが、ようやく時間が出来て試乗しました。
今回試乗させていただいたのはこのブログですっかりおなじみとなった「マツダオートザム紫竹」さん。
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〇試乗車の紹介
(エクステリア)
(インテリア)
「MX-30 Rotary-EV "EDITION R"」
ボディカラー:マローンルージュメタリック/ジェットブラックマイカ(2トーン)
インテリア:クロス(ブラック)+合成皮革(ブラック)
マツダオートザム紫竹さんに配備された試乗車はMX-30 Rotary-EVの特別仕様車"EDITION R"
このモデルはマツダファンフェスタ等でも先行展示されていましたが、ボディカラーとインテリアどちらもEDITION R専用仕様になっています。
特にインテリアはヘッドレストとフロアマットにロータリーエンジンのローターとEDITION Rのロゴが入っている事に加えて、アドバンスドキーのキーシェルも専用デザインになっているので、特別感をより感じる事が出来ますね。
元々MX-30はシンプルで優しさも感じるキャラクターの車種でしたが、EDITION Rは専用のボディカラーの効果から精悍でスポーティな要素も加わっているように思います。
〇試乗コースの紹介
そしていよいよ試乗へ向かいますが、今回もマツダオートザム紫竹さんオススメの試乗コースを走りました。
メーカーを問わず試乗コースは街中を一回りする場合も多いかと思いますが、マツダオートザム紫竹さんは高低差があるワインディングも含めた約12㎞の試乗コースを設定されているので、マツダ車の良さをかなり体感できるようになっています。
〇"歩くように走る"を極めたMX-30の本命。
MX-30は2020年秋にマイルドハイブリッドモデルを試乗させていただきましたが、EVモデルに関しては試乗車がかなり少なかった事もあってこれまで試乗する事が出来ず・・・。
各メディア等でEVモデルの走りがかなり高評価だったのでRotary-EVモデルの走りに対する期待も高かったのですが、実際に乗ってみると走りは期待を大きく上回る完成度でした。
アクセルを踏んだ瞬間から力強いトルク感はモーター駆動ならではですが、高性能EVで多い過剰な力強さや加速感ではなく滑らかな加速感。
マツダの第7世代商品群は"内外装と走りの方向性にギャップがある事"が個人的に課題と思っていたのですが、MX-30 Rotary-EVはそれらの調律がほぼ完ぺきに感じます。
2020年秋に試乗したマイルドハイブリッドモデルも当時マツダが積極的に宣伝していた"歩くように走る"が最も似合ってる車で走り自体もかなり好印象でしたが、Rotary-EVによってその世界観はより極められたかもしれません。
(個人的に"歩くように走る"と"人馬一体"は違うと思っているのですが、それに関してはまた機会があれば書くかも・・・?)
☆2020年秋にマイルドハイブリッドモデルを試乗した時のブログ記事。
高低差のあるワインディングも力不足を感じない余裕の走りでしたが、Rotary-EVはMX-30のラインナップ全体で最も重い車両重量(1,780㎏)なので、全体の走りはどっしりと落ち着いてる印象・・・。
マイルドハイブリッドモデルではロードスターに近い感覚も少し感じましたが、Rotary-EVの場合はゆったりとクルージングするのが似合う感じでしょうか。
〇想像以上に黒子な発電用ロータリーエンジン"8C型"
そして注目の発電用ロータリーエンジン"8C型"ですが、マツダオートザム紫竹さんの試乗車は試乗中に出来る限りエンジンの作動を体感できるように充電レベルを調整されているので、試乗開始してすぐにエンジンが作動。
その後試乗コースの前半はCHARGEモードも試した事もあってある程度作動していましたが、その後お店へ戻る帰路ではある程度充電されたからなのか作動する頻度が少なかったです。
坂道や高速の合流など強い加速力をすぐに必要とする場合もエンジンが作動するようですが、試乗コースにある坂道で可能な範囲で深くアクセルを踏んでもエンジンは作動しませんでした。
状況によってエンジンの作動頻度が変わるとは思いますが、今回試乗した限りだとエンジンはあくまで発電用である事を実感すると共に、作動頻度も思ったより少ない気がしますね・・・。
あと、気になる人が多そうなエンジン音の大きさですが、まずNORMALモードで走った印象は「思ったより聞こえない・・・」
これは復活したロータリーエンジンの音を出来る限り聞きたいという考えで運転したのもありますが、それを差し引いても作動音は小さく感じました。
一方で、CHARGEモードに入れてアクセルを踏んだ時のエンジン音はやや大きめ。
実生活だとNORMALモードで走る事が大半だと思いますが、ここは気になる人が出てくるかもしれません。
エンジンサウンドは回転数がほぼ一定の発電用なので駆動用のような官能性はもちろんありませんが、個人的にはコスモスポーツやファミリアロータリークーペ等に搭載されていた"10A型"のサウンドに少し似てる気もした事と、何よりロータリーエンジンが載ってるという事実だけでワクワクしてました(笑)
〇第7世代商品群の中で完成度はNo.1かも・・・。
MX-30は2019年の東京モーターショーでワールドプレミアされてからほぼ4年が経過しましたが、待望のRotary-EVの走りや完成度はかなり高く当初の想像通りこのモデルがMX-30の本命という印象。
そして第7世代商品群で内外装と走りの世界観が一致しているモデルがようやく出てきた印象もあり、マツダ全体で見てもTOP3に入るレベルの"推し"かもしれません。
ちなみに、MX-30 Rotary-EV発表時から様々な意見が出ているカタログ燃費ですが、今回試乗した限りだとエンジンの作動頻度が思ったより少なかったので参考にならないのでは?というのが正直なところ・・・。
PHEVの場合は充電の使用頻度やバッテリーの充電残量によって燃料使用量が大きく変わってくるので、カタログ燃費では無くガソリンスタンドへ行く頻度が重要になってくると思います。
もちろん自宅に充電器を設けるのが一番理想とは思いますが、無い場合でも出先で余裕があるときに充電するだけでもMX-30 Rotary-EVの良さを十分堪能できるかもしれません。
〇MX-30 Rotary-EVとロータリーエンジンの今後
個人的にかなり高評価のMX-30 Rotary-EVですが、現在のところ生産できるのは最大でも年間2万台で、日本国内の年間目標販売台数は3600台。
これはロータリーエンジンの組み立てを担当出来る作業員(通称:匠)がまだ3名しかいない事も関係しており、マツダとしても販売台数を追うのでは無く"Rotary-EV"というシステムをまずはユーザーに知ってもらう事を重視してると思われます。
販売する事によって市場からのフィードバックもかなり増えるはずですが、個人的に気になっているのは「ロータリーエンジン復活に話題が集中しすぎている気がする事」
9月の国内正式発表から各メディアでレポートや動画が公開されていますが、何となくロータリーエンジンが復活した事に話題が集中しすぎて、MX-30 Rotary-EVの「国内で販売されているPHEV車でTOPクラスのEV航続距離(107km)」や「V2H/V2L両方装備」などの性能が一般ユーザーにあまり伝わっていない気もするのが正直なところ。
マツダファンフェスタなどで展示車をチェックしている時も周りから聞こえてくるのは「ロータリー復活したんやろ?」とか「駆動はせぇーへんのやろ?」みたいな会話が大半だったので(苦笑)
僕が調べた限りだとEV航続距離107㎞は国内で販売されてるPHEVで最も多い可能性が高く、約9.1日分の一般家庭使用電力量を供給できるV2H機能も三菱・アウトランダー/エクリプスクロスに次ぐ3位のようなので、PHEV車としても中々優れてると思うのですが・・・。
MAZDA MX-30|EVとして使用するRotary-EV|マツダ
僕自身もロータリーエンジン復活にフォーカスし過ぎた部分があった自覚があるので自戒も含めていますが、復活したロータリーエンジンが今後継続されるためには「ロータリーエンジン復活=夢・ロマン」みたいな表現だけでなく、PHEVとしての商品価値もしっかり認知してもらえる取り組みが必要になるでしょうね。
実際にMX-30を検討されるユーザー層を想定すると、専門的な技術解説やエンジン形式に興味を持つ人の割合はかなり少ないでしょうから・・・・。
MX-30自体がかなり個性的なモデルなので好みは分かれるかと思いますが、モーター駆動の走りや各種機能はかなり魅力的だと思うので気になる方は一度試乗してみる事をオススメします。
出来れば"最寄りのマツダオートザム紫竹"で(笑)