つらつらとMAZDA

マツダに関する備忘録的ブログ。

2022年1月に出願公開されていた「駆動用3ローターエンジン搭載のハイブリッド車」に関するマツダの特許出願が登録されました。

(画像 IP Force.jp)

次世代ロータリースポーツを意識した特許を多く出願しているマツダですが、2022年1月に出願公開されていた内容が今週新たに登録されています。

 

 

知財ポータルサイト

https://ipforce.jp/

〇特許情報プラットフォーム

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

 

 

今週新たに登録されたのは2022年1月に出願公開されていた「車両」という題名の特許。

(2022年1月に取り上げたブログ記事)

〇1件目https://ipforce.jp/patent-jp-P_B1-7392591

(画像 IP Force.jp)

〇資料に記載されている特許の目的

本発明は、エンジンおよびモータを有する駆動ユニットを備えながら、駆動ユニットからインバータへの振動の伝達を抑制し、且つ、モータとインバータの冷却性能を確保することができる車両を提供することを目的とする。

 

〇2件目https://ipforce.jp/patent-jp-P_B1-7392592

〇3件目https://ipforce.jp/patent-jp-P_B1-7392593

(画像 IP Force.jp)

〇資料に記載されている特許の目的

(2件目)

車両の運動性能を高めようとする場合には、エンジンおよびモータからなる駆動ユニットを車両における中央に近い領域に配置することが有効である。このように駆動ユニットを配置することにより、車両が旋回し易くなり車両運動性能の向上を図ることができる。

しかしながら、車両における中央に近い領域には、乗員スペースがあるので、駆動ユニットを搭載するためのスペースは限られている。このため、車両運動性能の向上を図るために駆動ユニットを車両の中央に近い領域に配置するためには、駆動ユニットの小型化を図ることが必要となる。

本発明は、上記のような問題の解決を図ろうとなされたものであって、エンジンおよびモータを有する駆動ユニットの小型化を図ることで車両運動性能が高い車両を提供することを目的とする。

(3件目)

車両の運動性能を高めようとする場合には、エンジンおよびモータからなる駆動ユニットを車両における中央に近い領域に配置することが有効である。このように駆動ユニットを配置することにより、車両が旋回し易くなり車両運動性能の向上を図ることができる。

しかしながら、車両における中央に近い領域には、乗員スペースがあるので、駆動ユニットを搭載するためのスペースは限られている。このため、車両運動性能の向上を図るために駆動ユニットを車両の中央に近い領域に配置するためには、駆動ユニットの小型化を図る必要がある。

ところが、モータについても駆動に伴って発熱する発熱部材であるので、ハイブリッド型の車両では、エンジンの冷却手段に加えてモータの冷却手段も設けておく必要がある。このため、駆動ユニットだけでなく、冷却手段を含めた構成の小型化が必要となる。

本発明は、上記のような問題の解決を図ろうとなされたものであって、エンジンおよびモータを有する駆動ユニットの小型化を図ることで車両運動性能が高い車両を提供することを目的とする。

これら3件はいずれも「インホイールモーターやトランスアクスルを採用したFRのハイブリッド車」に関する特許ですが、何より大きな特徴は搭載するエンジンが"3ローターエンジン"を前提にしている事。

(画像 IP Force.jp)

マツダは発電用だけでなく駆動用のロータリーエンジンに関する特許も複数出願・取得していますが、ブログを開設してから3ローターエンジン前提なのは今回の特許が初でブログ開設前も見た記憶がありません。

あと、これまで市販化されたマツダロータリーエンジンはスパークプラグが1ローター毎に2本採用されてきましたが、今回の特許説明図は1本(青色の矢印部分)のように描かれているのも特徴。

今年発売開始された「MX-30 Rotary-EV」の発電用ロータリーエンジンはスパークプラグが1本なので、駆動用でも同じノウハウや知見を生かそうとしてるのかもしれません。

左:13B型(RX-8用)、右:8C型(MX-30 Rotary-EV) 画像 MAZDA

 

 

マツダが10月のジャパンモビリティショー2023でワールドプレミアした「ICONIC SP」は2ローター化した発電用ロータリーエンジンを縦置きで搭載する事が前提と公表されましたが、関係者のインタビューを見ると駆動用も含めて様々な可能性を検討している事に加えて、これまで取り上げてきた特許でもICONIC SPと関係が深そうな内容が多く出願されています。

いつも通り"あくまで特許"ではありますが、ICONIC SPは車両重量まで公表されているので研究開発もかなり本格的に進められてる可能性も十分ありそうなので、今度こそ具現化される事を祈るのみ・・・。

 

 

今後も関連性のある新たな特許が出願公開される事も十分考えられるので引き続き情報を注視しておきたいと思います。