CX-80登場によって4車種が出揃ったラージ商品群SUVですが、デザインやサイズに関する話題が出てきています。
ラージ商品群SUVに関しては2021年10月に発表されたクロスオーバーSUV商品群の拡充計画で「CX-60」「CX-70」「CX-80」「CX-90」の4車種を投入する事を公表。
先月から日本と欧州で「CX-80」が販売開始された事によって公表されていた4車種が出揃った事になりますが、ラージ商品群SUVに関しては車種毎の差別化が少ない声も・・・。
その中でラージ商品群SUVの開発秘話を取り上げてる記事があったので紹介したいと思います。
今回取り上げるのはオーストラリアの自動車専門メディア「CARSALES」が掲載した記事。
オーストラリアでは今月からCX-70とCX-80が販売開始されるのに合わせてメディア向け試乗イベントが開催されていますが、イベントに出席したCX-60/CX-80開発主査の柴田浩平さんがデザインやサイズの差別化に関して社内でも"白熱した議論"が2つあった事をCARSALESの取材で明かしたようです。
①CX-60とCX-70のデザイン/ボディタイプについて。
There were two contentious issues Shibata confirmed and one was whether the five-seat CX-60 and CX-70 should adopt a more sloping ‘coupe’ shape rather than sticking with the same wagon roofline as the three-row CX-80 and CX-90.
柴田氏は大きく議論した内容が2つある事を明かしてくれた。
1つは、5人乗りのCX-60とCX-70は、3列シートのCX-80とCX-90と同じワゴンのルーフラインを維持するのではなく、より傾斜したクーペスタイルを採用すべきかどうかという点だ。
“That [a coupe style] is something we also debated in a heated manner and personally I wanted to have a coupe-looking … SUV,” he said.
“I think it’s very cool in the traffic.
“But in the marketplace it is very small and that is going to limit the customers as well, so rather than that we thought that we should make an SUV with the large luggage space and that has the bigger potential.”
「それ(クーペスタイル)は、我々も白熱した議論を交わした点であり、個人的にはクーペ風の…SUVが欲しかったのです」と柴田さんは語った。
「交通量の多い場所(おそらく都市部の意味)では、とてもクールだと思います」
「しかし、マーケット自体はとても小さく顧客も限られてしまうでしょう。ですから、それよりも大きな荷物スペースを備えたSUVを作るべきだと考えました。その方がより大きな可能性を秘めています。」
②CX-70とCX-90のボディ/サイズが同じ理由。
The other issue he spoke of was whether to shorten the wheelbase of the CX-70 compared to the CX-90, in the same way the CX-60 is shorter than the CX-80.
彼が話したもう1つの大きな議題は、CX-60がCX-80より短いのと同じように、CX-70のホイールベースもCX-90より短くするかどうかでした。
“We had a really heated debate inside the company about how we going to handle these four models, centring around the United States and their heightening need for outdoor and activity use,” he said via a translator.
“Thinking about the common [CX-70] wheelbase with the CX-90 … we thought that had a higher potential.”
It’s understood Mazda North America pushed very hard to retain the common wheelbase for the CX-70 and CX-90, the former of which has proved a commercial success for Mazda in its first year on-sale in the US.
「米国を中心にアウトドアやアクティビティでの使用に対するニーズが高まっていることを踏まえ、これら4つのモデルをどう扱うかについて社内で非常に白熱した議論がありました」と、柴田さんは通訳を介して語りました。
「CX-90 とCX-70のホイールベースについて考えてみると、共通にする方が可能性は大きいと考えました。」
北米マツダはCX-70とCX-90のホイールベースを共通にすることを強く主張したとみられる。CX-70は米国での販売初年度でマツダにとって商業的な成功を収めた。
この2つはネット上でも度々話題になっていますが、特に注目なのはCX-60とCX-70をクーペスタイルのSUVにする可能性も議論されていた事。
これに関しては新車登場時のムック本でおなじみ「CX-60のすべて」のデザイン関連ページでもSUVクーペやクロスオーバーも検討していた証言やスケッチが掲載されていますが、やはりSUVらしいスタイルや室内空間などを重視する方向で決まったようです。
個人的にラージ商品群の賛否が分かれる理由は、差別化の少なさやSUVしか無い事だけでなく「デザイン面でVISION COUPEとの繋がりを"直感的"に感じにくい事」も理由と考えてるので、もっとクーペスタイルへ振り切ったCX-60/CX-70も見てみたかったですね。
VISION COUPEは特定車種のコンセプトカーではありませんが、多くの方が次期MAZDA6やラージ商品群を示唆したモデルと認識してるはずなので・・・。
(もしクーペスタイルならMAZDA6の正統な次期型/後継モデルになった気も・・・)
幸いラージ商品群は北米を中心に一定の成功を収めていますが、車種毎の差別化を期待する声は国内外で見かける機会が多く、以前参加させていただいたCX-80事前撮影会でも開発担当者の皆さんもそのあたりは十分認識されてるようです。
もちろんリソースなどの兼ね合いもあると思いますが、欧州で先日発表された「CX-60 2025年モデル」では新たにジルコンサンドメタリック採用が発表されたので、今後それぞれの車種でどのようなアップデートが行われるのか注目ですね。
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