つらつらとMAZDA

マツダに関する備忘録的ブログ。

マツダが「2024年3月期 通期決算」を発表、次期CX-5の存在が初公表されたのに加えて自社製ハイブリッド搭載も予告(追記あり)

(TOP画像は現行CX-5)

2024年5月10日、マツダが2024年3月期 通期決算を発表しました。

注目すべき発表もあったのでいつも通り中身をチェックしていきたいと思います。

 

 

マツダ公式決算資料・プレゼンテーション資料専用ページ。

(画像 MAZDA)

 

 

まずは「2024年3月期 第4四半期(2024年1月~3月)決算」「通期(2023年4月~2024年3月)決算の総括」から・・・。

☆2024年3月期 第4四半期決算

(画像 MAZDA)

☆2024年3月期 通期決算

(画像 MAZDA)

第4四半期は以前から問題になっていた輸送船不足や港湾混雑に加えて、能登半島地震で約200の取引先が影響を受けた事や品質改善対応で生産台数が減少していましたが、アラバマ工場の2直化が始まった北米を中心に生産・販売台数を増やした効果もあって過去最高の売上高や営業利益を達成。

特にSKYACTIVテクノロジー導入前から課題になっていた営業利益率が通期で5%越えになったのは大きなポイントかもしれません。

※:2024.5.10追記:中国新聞の記事によると品質改善の中身はやはりラージ商品群モデルの不具合やリコール対応が要因のようです。

個人的には不具合対応やリプロ提供の進捗状況を公式HPなどで公開した方が最善だったように思うのですが・・・(間違った情報や憶測を防ぐ意味も含めて)

 

 

次は「2025年3月期(2024年4月~2025年3月)の通期見通し」

(画像 MAZDA)

2025年3月期はラージ商品群SUV4車種が出揃う事に加えて中国で先行投入された「CX-50 ハイブリッド」を今年後半に北米にも導入する効果などから台数増の見込み。

その一方で純利益は前年比約28%減の見込みが立てられていますが、中国新聞の記事によると為替相場の影響を加味しているようです。

その一方で「ラージ商品群4車種のフルラインアップ」という部分が引っ掛かりますがこれに関しては後半部分で・・・。

 

 

続いて「2024年3月期 通期の販売状況」を地域別に紹介

〇日本

(画像 MAZDA)

日本は大幅商品改良されたロードスターが高い人気を集めた一方でSUVモデルの販売競争激化などから販売台数は約3%減。

これに関してはCX-8が昨年末で生産終了した影響もあるでしょうね・・・。

国内ではすでにMAZDA2の小変更が実施されたのに加えてCX-30・MX-30も商品改良の可能性が高まっていますが、やはりCX-80の投入が今期で最も大きな話題になるでしょうか?

(6月正式発表という報道もあり)

 

 

〇北米

(画像 MAZDA)

北米は昨年発表されたCX-90が通期で販売された事やアラバマ工場の2直化がようやく開始された効果から過去最高の販売台数を記録。

北米では今年1月にワールドプレミアされたCX-70が今月中にも販売開始される見込みなのに加えて、先に紹介したCX-50 ハイブリッドが今年後半に投入予定なので、以前から公表されていたラインナップがようやくほぼ揃う事になりそうですね・・・。

 

〇欧州

(画像 MAZDA)

電動化車両の需要が高まっている欧州ではプラグインハイブリッドが設定されているCX-60が高い人気を集めた効果もあって対前年比約18%の販売台数増加を達成。

その一方で需要が低下しているイメージが強いディーゼルエンジン搭載車も販売台数は増えているようです。

欧州ではキャンプ等でトレーラーを牽引する需要が多いので、SUVを中心に力強いトルクが持ち味のディーゼル搭載車は今後の一定の需要がありそうですね。

ただ、欧州では今年夏から「新しい排ガス規制"EURO 6e"」「サイバーセキュリティー法規(UN-R155・UN-R156)」「新しい道路安全法規"GSR(General Safety Regulation)"」が施行される関係で、これらに適合できない車種を販売終了する動きが各メーカーで発生しています。

マツダも一部の車種がすでに受注終了している噂が出ているので、これらの影響が今後出てくるのか気になるところ・・・。

 

〇中国

(画像 MAZDA)

電動車に対する需要の高まりや昨今の景気後退の影響で長らく販売が不振だった中国ですが、昨年末にCX-50 ハイブリッドが投入された効果もあって約15%増の販売台数を達成。

それでもまだまだ巻き返し半ばに違いはありませんが、中国では先月マツダ長安汽車が共同開発したBEV/PHEV「EZ-6」が正式発表されており、今年後半に生産・販売開始予定となっています。

EZ-6に続く共同開発車第2弾を示唆するコンセプトカー「ARATA」も同時発表されましたが、これを基にした新型SUVは2025年登場予定と予告されているので長安汽車のリソースも生かしながらどこまで巻き返せるのか注目です。

 

〇その他の市場

(画像 MAZDA)

マツダ車の市場シェアが高いオーストラリアは昨年6月に発売開始されたCX-60等が貢献した効果もあって約8%販売台数を増加。

すでにオーストラリアはグローバルで最も新車ラインナップが豊富な国ですが、今後さらにCX-70・CX-80も今年後半以降に導入予定なので、ラージ商品群SUVを全て取り扱う唯一の国になる見込みです。

一方、重要度がどんどん高まっているASEANは全体で約7%販売台数が減少。

特に台数の減少幅が大きいタイに関しては昨年頃から自動車ローンの審査が厳格化された事によって市場全体で自動車販売台数が減少傾向にあるようです。

(タイでは自動車購入時のローン利用割合が8割前後との情報も)

 

 

通常の決算に関する内容は以上となりますが、今回最も注目なのが「2030経営方針」という項目。

(画像 MAZDA)

3つのフェーズに分かれた電動化対応などは2022年11月に発表されたアップデート版中期経営計画から変わっていませんが、今回「次期CX-5マツダ製のハイブリッドを搭載」という計画が追加。

次期CX-5に関してはすでに海外のマツダ関係者から存在を匂わす発言が出ていましたが、公式に存在が公表されたのは今回が初。

車名に関しても様々な憶測が出ていましたが、資料を見る限りだとCX-5のままになりそうですね。

同時に予告された"マツダ製のハイブリッドを搭載"も気になりますが、すでに複数のハイブリッドを販売している中でわざわざ資料に明記している事から、2022年に公表されていた「技術資産を有効に使った新しいハイブリッドシステム」の事だと思われます。

これに関しては日刊自動車新聞で「マイルドハイブリッドから発展させたストロングハイブリッド」と報じられていましたが、どのようなシステムになるのか気になるところ・・・。

ちなみに、次期CX-5に関しては他にも「BEVモデル追加を検討」や「2025年生産・販売開始」という報道や噂も出ていましたが、今回決算資料に掲載された事も考えると今年後半から来年の間に登場する可能性も十分考えられますね・・・。

一方、2025年3月期 通期見通しの項目で「ラージ商品群4車種のフルラインアップ」という表現について触れましたが、こちらの資料でもラージ商品群はSUV4車種で全て出揃った事を感じさせる一文。

ラージ商品群に関しては非SUVモデル(セダン/ワゴン/4ドアクーペ)の登場を期待する声が以前からかなり多かったですが、これを見る限りだとCX-80に続くラージ商品群モデルは出てこない事になってしまいます。

フロア下にバッテリーを搭載する構造の問題から車高が低いモデルは難しいと説明されていましたが、「直6エンジン+FR駆動」という走りの面でも贅沢なアーキテクチャーがSUVにしか使われないのはあまりにもったいない・・・。

何より新車ラインナップがあまりにSUVへ偏り過ぎてる現状はどう考えても好ましく思えないので、何か"心が走る"提案がある事を期待したいです。

 

 

本日発表された主な内容は以上となりますが、ここ最近マツダは決算に合わせて将来の商品計画をあまり発表していなかったので、次期CX-5の存在が明言されたのは大きなポイント。

ラージ商品群がグローバルで販売や経営に大きく貢献している一方で、CX-5は現在も最量販車種として人気を維持しているので、どのようなフルモデルチェンジを行うのか注目。

一方、先月欧州でワールドプレミアされた「CX-80」の日本仕様に関する新たな情報は今回も出てきませんでした。

CX-8生産・販売終了からそこそこ期間が空いてるので日本仕様の詳細を早く知りたいユーザーさんも多いと思うのですが、先に紹介した報道通り6月に正式発表されるのか気になるところですね。

 

令和6年能登半島地震災害の義援金受付関連リンク。

・石川県公式HP(令和6年1月4日から受付開始)

令和6年能登半島地震に係る災害義援金の受付について | 石川県

富山県公式HP(令和6年1月5日から受付開始)

富山県/「令和6年能登半島地震災害義援金(富山県被災者支援分)」の受付について

※:新潟県は現時点で義援金受け付けを行っていないようなので、日本赤十字を通じた義援金ふるさと納税で貢献するのがいいかもしれません。