本日5月13日、マツダが2022年3月期 通期決算を発表しました。
いつも通りプレゼンテーション資料が公開されているので中身をチェックしていきたいと思います。
〇マツダ公式HP 決算資料・プレゼンテーション資料専用ページ。
2022年3月期 通期決算のプレゼンテーション資料はこちら。
まずは2022年3月期 通期の総括から。
半導体不足などの影響から販売台数は前年比減となりましたが、「為替」「販売改善(値引き抑制など)」「コスト改善」「固定費他(広告宣伝費など)」に関する構造改革が着実に進歩した事で2年ぶりの最終黒字を達成。
特にコロナ禍前の2020年3月期(2019年度)と比較して販売台数を減らしているにも関わらず営業利益を増やしているのは構造改革の大きな成果と言えそうですね。
さらに、2月に発表された当初の予想より出荷台数増加や円安の効果もあって通期決算予想の上方修正も発表されています。
続いて地域別の販売状況について。
〇日本
半導体不足に加えて生産車両が北米やオーストラリアへ優先的に供給された関係で販売台数は減少。
その中で注目だったのはロードスターが登場から約7年が経過したタイミングで1,000台を超える月販台数を記録した点。
これは昨年末に発表された特別仕様車"990S"の効果が大きいですが、ここまで反響が大きいのは驚きでした・・・。
今後に関しては初秋から販売開始されるCX-60が大きなトピックですが、個人的にはそろそろMAZDA2の大きなテコ入れも必要に思います。
〇北米
マツダが最重要視する地域という事もあって、生産車両を優先的に供給した効果もあって前年比プラスの実績を達成。
北米では1月に新型SUV「CX-50」の生産が開始されていますが、販売は4月からなので業績に反映されるのは次回以降の決算発表になります。
あとは後ほど紹介するラージ商品群SUV「CX-90」の販売時期も注目ですね・・・。
〇欧州
コロナ禍によるロックダウンの解除によって販売活動が徐々に回復した事もあって前年比増を達成。
欧州は6月頃からPHEVモデルの販売が開始されるCX-60が大きなトピックになりますが、発電用ロータリーエンジンを採用したMX-30 マルチxEVも夏~秋頃に発表・発売という報道もあるのでこちらも注目ですね。
〇中国
2021年9月に新たな合弁会社「(新)長安マツダ」が発足した中国に関しては商品改良などの動きが少ない状況が続いた事もあって前年比減。
中国ではCX-5 2022年モデル(2021年大幅改良モデル)が2月に正式発表されたものの、先月頃から新型コロナウイルス感染再拡大の影響でロックダウンが実施された事で販売だけでなく部品供給にも大きな影響が出ています。
販売はもちろんですが部品供給の回復も待たれますね・・・。
〇その他
オーストラリアは北米と同様に生産車両を優先的に供給した効果もあって前年比プラスの実績を達成。
ASEANは多くの国や地域でロックダウンが行われていた事もあって販売台数減となったものの、第4四半期は回復傾向にあるようです。
ちなみに、タイにあるマツダの工場では日本向けのCX-3も生産開始するので今後より重要度の高い地域となっていきそうですね・・・。
次に「2023年 3月期(2022年度)の見通し」について。
2023年 3月期(2022年度)はCX-50とCX-60の販売が本格化するのを反映した予想となっていますが、個人的に注目なのは前年比+28%(約4万2千台増)を見込んでいる日本市場。
ある程度の価格帯となるCX-60のみでこの目標を達成するのはさすがにハードルが高く感じるので、既存車種の商品改良も多く予定されている気がするのは考えすぎでしょうか?(笑)
そして、2023年3月期に予定されている重点的な取り組みを見ると・・・。
主に北米市場へ導入されるラージ商品群3列シートSUV「CX-90」の生産を今期中に開始する事が公表されました。
マツダに関する情報でおなじみの中国新聞も今年1月に同じ内容を報じていたので情報通りとなりました。
2023年3月期(2022年度)内に生産開始という事を考えるとワールドプレミアは今年後半頃でしょうか・・・?
米国マツダはすでにCX-90を「現行CX-9に変わる3列SUV」と公表している事に加えて、現地では「CX-9よりサイズが大きくなる」という噂も浮上しているのでかなり大型なSUVになりそうですね(笑)
一方、欧州で7月に生産開始という報道もあった「MX-30 マルチxEV」に関しては今回特に記載がありませんでした・・・。
あと、気になるのは半導体や部品不足の見通しについてですが、丸本社長は決算会見の場でまだ影響は続く見通しと回答。
徐々に改善はされているものの、コスト上昇やウクライナ問題などもあってより厳しく不透明な状況を見込んでいるようです。
まだしばらく不透明で大変な状況が続く見込みですが、CX-50・CX-60の販売開始を中心に今期もさらなる躍進に期待したいですね。