つらつらとMAZDA

マツダに関する備忘録的ブログ。

マツダが2023年3月期 第一四半期決算を発表したので内容をチェック、CX-60は高価格帯モデルを中心に計画以上の受注を獲得。

(画像 MAZDA)

本日8月9日、マツダが2022年3月期 通期決算を発表しました。

いつも通りプレゼンテーション資料が公開されているので中身をチェックしていきたいと思います。

 

マツダ公式HP 決算資料・プレゼンテーション資料専用ページ。

〇2023年3月期 第一四半期決算のプレゼンテーション資料(PDF形式)

https://www.mazda.com/globalassets/ja/assets/investors/library/result/files/presentation20220809_j.pdf

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まずは「2023年3月期 第一四半期のハイライト」から・・・。

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資料でも説明されていますが、今期は上海のロックダウンによる部品不足の影響が大きく生産・出荷台数が減少しました。

生産・出荷台数減少に伴って営業利益が195億円の赤字となっていますが、為替評価益の関係から純利益は150億円の黒字を確保しています。

第一四半期(4月~6月)のうちの2か月で生産台数が半分以下になってるのでさすがに止む無しという感じでしょうか・・・。

一方で6月から生産台数が回復しているのは朗報。

これに関しては納期短縮を目的に実施されたと思われる「CX-5のパワーテールゲート(ハンズフリー機能)の設定範囲変更」のような対策も功を奏してるかもしれません。

 

 

続いては「地域別の販売状況」について。

〇日本

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受注自体は計画を上回っているものの先に触れた部品不足の影響による供給不足で販売台数は減少。

一方で、販売台数を減らしているにも関わらず国内市場シェアが増えているのは興味深いところですね。

CX-5/ロードスター特別仕様車が人気を集めているのは各メディアで紹介されていますが、CX-3もSuper Edgyを中心に人気を集めているようです。

日本では2022年後半に向けて複数のモデルで商品改良が行われる可能性が浮上しているので、これらの動きによる巻き返しにも期待ですね

 

〇北米

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最重要マーケットという事からこれまで生産車両が優先的に供給されてきた北米ですが、さすがに今期は供給不足で販売台数が減少。

北米の自動車購入情報サイトやWEBフォーラム上でも販売店の在庫不足が話題に上がっているのを度々目にしましたね・・・。

今年春から販売開始されたCX-50もまだフル生産状況ではないことに加えて、販売店に届いた車両もすぐに売れてしまう状況となっているようです。

あと、北米向けのマツダ車に関してはラージ商品群SUV第2弾となる「CX-90」が今年度内に生産開始予定と公表されているので、このモデルの発表時期も気になるところですね・・・。

 

〇欧州

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欧州も先に触れた地域同様に供給不足の影響で販売台数も減少しています。

欧州ではCX-60(PHEVモデル)の販売がまもなく開始される予定ですが、すでに計画を上回る受注を獲得している事が現地メディアでも報じられています。

さらに、スロバキアマツダが「発電用ロータリーエンジンを採用した"MX-30 R-EV"を10月に発表する」と発表しているので、こちらは日本仕様も含めて2022年後半の注目モデルとなりそうですね。

 

〇中国

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上海でロックダウンが発生した中国も生産・販売活動の制限などによって販売台数は減少。

先月末にはMAZDA3セダン・CX-30に黒を基調とした外装とバーガンディレッド内装が与えられた特別仕様車「黑曜版(Obsidian Edition)」が発表されています。

さらに現地のWEBフォーラム上では「CX-50とCX-60が中国に導入される」という噂も浮上しているので、動向に注目ですね。

 

〇その他の地域(オーストラリア・ASEAN etc・・・)

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北米と合わせて生産車両が優先的に供給されてきたオーストラリアも供給不足の影響で販売台数が減少。

オーストラリアで販売されているマツダ車では先に紹介したCX-5に加えてMAZDA3も一部グレードでBOSEサウンドシステムの設定が廃止される動きが出ています。

一方で、ASEAN地域の中でもタイやベトナムは景気刺激策の効果から前年比で販売台数が増加。

すでに「MX-30 EVモデル」や「CX-60」の導入を表明している国があるので、マツダにとってもより重要度が増す市場となっていきそうですね。

 

 

続いて「CX-60の受注状況」について。

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欧州で計画以上の受注を獲得している事はこのブログでも度々紹介してきましたが、日本でも7月末までに約6,400台の受注を獲得したとの事。

新型車らしく高価格帯モデルを中心に受注を獲得しているようですが、購入価格分布の中でひと際台数が多いのはおそらく「XD-HYBRID Premium Sports」

既存のマツダ車より高い価格帯を中心にこの受注台数はかなりスゴイですね・・・。

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一方、欧州は現時点でプラグインハイブリッドモデルのみという事からCX-5より高い価格帯のみに集中していますが、8月末から直6 e-SKYACTIV D 3.3搭載モデルの注文受付も開始される予定となっています。

 

最後に「米国における取り組み」について。

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マツダにとって最重要マーケットとなっている米国では今年春から北米専用新型SUV「CX-50」の販売が開始されていますが、購入価格分布を見るとCX-5より高い価格帯のグレードが売れ筋になっているようです。

ブランド価値経営を重視するマツダにとってCX-5・CX-50の残存価値が平均以上なのもプラスですね。

先に触れてますが、今年度後半に生産開始予定となっているラージ商品群SUV「CX-90」の反響も気になるところです。

 

 

今回発表された決算資料で気になるポイントは以上となります。

今期はとにかく上海のロックダウンによる影響を大きく受けた結果となりましたが、6月から生産台数が回復している発表があったのはひとまず朗報でしょうか・・・。

これから日本・欧州でCX-60の販売が開始される予定ですが、かなり多くの受注を獲得しているのでこのまま生産台数が順調に回復する事を願うのみですね。

一方、今回の決算発表で「CX-90」や「発電用ロータリエンジン」などに関する新たな発表がなかったのはやや寂しいところですね。

先に触れたように発電用ロータリーエンジンを搭載したMX-30 R-EVは今年10月に発表される話がスロバキアから出ていたのでこのタイミングで期待してたのですが・・・。

このあたりは改めて技術説明会が行われる流れでしょうか・・・?

 

これから2022年末にかけて様々な動きが出てくる可能性が考えられるので引き続き注目しておきたいと思います。