つらつらとMAZDA

マツダに関する備忘録的ブログ。

マツダが「2023年3月期 通期決算」を発表したので内容をチェック、MX-30 R-EVの国内導入を正式公表(追記あり)

(画像 MAZDA USA)

2023年5月12日、マツダが2023年3月期 通期決算を発表しました。

いつも通りプレゼンテーション資料が公開されているので中身をチェックしていきたいと思います。

 

 

マツダ公式ニュースリリース

マツダ公式HP 決算資料・プレゼンテーション資料専用ページ。

(画像 MAZDA)

 

 

まずは「2023年3月期の実績」から。

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まず上期(2022年4月~9月)は長らく続く半導体不足に加えて上海のロックダウンの影響も大きく受けましたが、下期(2022年10月~2023年3月)は中国を除いて生産・販売台数が対前年比大幅プラスに。

さらに継続して取り組まれている販売単価改善や販売費用の抑制、為替の効果もあって対前年比で増収増益を達成しました。

一方で、今年2月に上方修正されていた売上高と営業利益は下方修正されましたが、これは半導体不足に加えて輸送船不足も影響しているようです。

 

 

続いては「地域別の通期販売状況」について。

〇日本

(画像 MAZDA)

日本市場はCX-60やCX-5に加えてロードスターも変わらぬ人気を集めている事から通期で対前年比プラスの販売台数を達成。

CX-60は昨年9月から1万7千台を販売したと明記されていますが、先週公開されたWEB CGの記事によると先月末で販売台数が約2万台になったとの事なので、1万7千台というのはおそらく3月末までの実績と思われます。

これ以外では大幅商品改良されて間もない「MAZDA2」や10.25インチのディスプレイが採用された「MAZDA3」の販売にまずは注目でしょうか・・・。

 

〇北米

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先に紹介した半導体・輸送船不足の影響もあって対前年比では販売台数減となりましたが、下期は販売台数が大きく回復しています。

CX-50とCX-30が販売増に貢献と書かれていますが、この2車種は北米(米国・メキシコ)で生産されている事から輸送船不足の影響を受けなかった事も関係してるかもしれません。

先月から販売開始された「CX-90」も好調なスタートを切っているようですが、今年後半には「CX-70」も登場予定なので、既存車種と合わせて好調なセールスが続くことを期待ですね。

 

〇欧州

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北米と同様の理由で通期では販売台数が対前年比減となっていますが、CX-60やMAZDA2 Hybrid(ヤリスHVのOEM)の効果もあって第4四半期(2023年1月~3月)は対前年比プラス。

欧州ではオリジナルのMAZDA2も販売されていますが、現地の需要を考えるとOEMでもストロングハイブリッドの方が売れるのかもしれません。

オリジナルとは違ってMAZDA2 Hybridの場合はフランスで生産されている強みもあると思いますが・・・。

CX-60に関しては昨年夏にPHEVモデルが販売開始されてから約2万台を販売したようですが、先に紹介したWEB CGの記事によると受注(納車待ち)を含めると販売台数は約3万台に達しているとの事。

さらに欧州では発電用ロータリーエンジンを搭載したPHEV「MX-30 R-EV」も夏頃に発売予定なので、今後も電動化モデルが販売の中心になっていきそうです。

 

〇中国

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上海のロックダウンに加えて目立った新型車の投入が無かった事から中国市場は対前年比で大幅減となりました。

一方で中国では昨年末に発表された「CX-50」が今月から発売開始される予定で、今年後半にはトヨタ製のシステムを採用と思われるハイブリッドモデルも導入予定と公表されています。

さらに、現地メディアによると「CX-90」も今年11月に導入される可能性が出ているので、ここからどれだけ巻き返せるのか注目ですね。

 

〇その他

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マツダにとって特に重要なマーケットの一つであるオーストラリアに関しては、物流(北米や欧州と同様に輸送船不足が有力)の影響に加えて検疫強化の影響があったとの事。

一方でASEAN地域はほぼ前年と同じ販売台数を維持しました。

オーストラリアではすでにラージ商品群SUV3車種(CX-60・CX-80・CX-90)の導入が公表されていますが、ASEAN地域や南アフリカでもラージ商品群SUVを導入する動きが出てきているので、日本や欧米と同様にラージ商品群が鍵になってきそうです。

 

 

次は「2024年 3月期の取り組みと課題」について。

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基本的にはすでに公表されている方針や方向性を継続する形ですが、北米で先月から発売開始された「CX-90」は販売好調に加えて残存価値もセグメント内トップクラスとの事。

まだ発売開始されたばかりとは言えブランド価値経営(高級ブランドを目指す意味では無い)を掲げるマツダにとってまずは朗報でしょうか。

一方で、決算資料で度々触れられてる輸送船不足の影響が今季も継続する想定なのはやや心配なところ・・・。

マツダの場合はまだまだ国内生産比率が高いので影響が最小限になる事を祈るのみですね。

そして気になる新型モデルに関しては「MX-30 R-EV」が欧州だけでなく日本にも導入する事を公表。

先月開催されたAUTOMOBILE COUNCIL 2023で実車が国内初披露された事に加えて関係者からも日本導入が証言されていましたが、公式発表されたのは今回が初めてです。

欧州では夏頃から発売開始予定なので、日本は秋以降でしょうか・・・?

一方で、今年登場が見込まれる「CX-70」「CX-80」に関しては決算短信で2023年中に導入と触れられてるのみで、具体的な発表時期や仕様に関する情報は公表されませんでした・・・。

決算短信の文章は「CX-70」「CX-80」に加えてラージ商品群がさらに2車種追加と思わせる一文ですが、冷静に考えるとマツダが新型車を年間4車種出すのは非現実なのでかなり紛らわしい文章ですね(苦笑)

(画像 MAZDA)

マツダは6月の株主総会で毛籠勝弘さんが新社長へ就任する予定なので、「CX-70」「CX-80」の新情報に関しては株主総会や8月頃に開催される2024年3月期 第1四半期決算に期待でしょうか・・・。

 

そして丸本社長が今年6月で勇退されるのでプレゼンテーション資料には5年間の取り組みの総括も掲載。

(画像 MAZDA)

2018年6月に就任された直後に西日本を中心とする豪雨災害で工場操業が停止したのに加えて2020年からはコロナ禍があったので、マツダにとってかなり激動の5年間に違いないですね・・・。。

そう考えるとこのような状況の中で販売・経営の改善やラージ商品群の導入が進んでいる凄さを実感。

特にコロナ禍に入ってからの固定費やコストの削減の進み具合は凄かった印象ですね。

まだ任期は残っていますが、まずは本当にお疲れさまでした!

 

 

今回発表されたプレゼンテーション資料の中で気になった内容は以上となりますが、個人的には「CX-70」「CX-80」の詳細だけでなく第6世代のままとなっている車種の今後についても何らかの発表があると嬉しかったですね。

※2023.5.12追記

決算発表後の質疑応答でラージ商品群SUV残り2車種の投入時期について毛籠さんがイメージで回答されています。

 

特にMAZDA2やMAZDA6は現行モデル登場から10年前後経過しているので気になる人も多いはず・・・。

今年は10月にJMS(旧東京モーターショー)も開催予定なので、これから情報がどんどん出てくる事に期待したいです。