つらつらとMAZDA

マツダに関する備忘録的ブログ。

今週新たに公開されたマツダが出願中の特許(2021.9.16)「前編:アルミ製スペースフレームを採用したスポーツカーの排気系関連」

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(画像 ipforce.jp)

 

今週新たに公開されたマツダが出願中の特許は51件。

件数が多いので前編と後編に分けて取り上げたいと思います。

 

まず前編ではこれまでにも多数出てきた「アルミ製スペースフレームのスポーツカー」に関する新たな特許出願を取り上げます。

〇これまでに出てきたアルミ製スペースフレーム採用のスポーツカーに関する特許出願。

 

今週も関連する特許出願が新たに4件公開されています。

(題名は4件共に「車両の側部車体構造」)

〇1件目

特開2021-138300 | 知財ポータル「IP Force」

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(画像 ipforce.jp)

〇資料に記載されている特許の目的

車両には、排気装置を構成する排気系部材(例えば、排気処理用フィルタ、排気管或いはサイレンサなど)の少なくとも一部を、フロア下の車幅方向中央ではなくフロアよりも車幅方向外側(すなわち車両の車幅方向外側下部)に設けた構造が知られている。

例えば、スポーツカーのように、車体の中心寄りに重量物を配置するために、車両の車幅方向外側下部に比較的軽量な排気系部材を配置した車両が知られている。

ここで、車体の中心寄りに重量物を配置する一例としては、運転席と助手席に着席した乗員の重心を下げたり、互いに隣り合う車幅方向の間隔を狭めたりすることが挙げられる。
しかしながら、比較的軽量な排気系部材をサイドシルの外側にレイアウトした場合には、該排気系部材の幅相当分だけ車両の幅が広がるという弊害が生じる。このため、車両の運動性能をより一層重視して比較的軽量な排気系部材をサイドシルの外側にレイアウトする場合には、更なる工夫の余地がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、排気装置(排気部材と排気管とのうち少なくとも一方)をサイドシルよりも車幅方向外側に設けた場合においても、車両の拡幅を抑えることができる車両の側部車体構造の提供を目的とする。

 

〇2件目

特開2021-138301 | 知財ポータル「IP Force」

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(画像 ipforce.jp)

※資料に記載されている特許の目的は1件目と同じ。

 

〇3件目

特開2021-138302 | 知財ポータル「IP Force」

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(画像 ipforce.jp)

〇資料に記載されている特許の目的。

本発明は排気系部材を車体構造体よりも車幅方向外側に設けた場合においても、車両の拡幅を抑えることができるとともに、車体の衝突時の衝撃吸収性能や剛性を確保することができる車両の側部車体構造の提供を目的とする。

 

〇4件目

特開2021-138303 | 知財ポータル「IP Force」

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(画像 ipforce.jp)

〇資料に記載されている特許の目的。

本発明は車体の剛性および衝撃吸収性能の確保と、車体の拡幅の抑制と、排気系部材において排気をスムーズに流すことを両立することができる車両の側部車体構造の提供を目的とする。

 

今週公開されたのは4件ともアルミ製スペースフレームを採用したスポーツカーの”排気系”に関する内容ですが、何より注目なのは「エキゾーストパイプなどの排気経路が一般的な車体中心ではなく車体右側へ迂回している事」

(排気経路は赤色で表記、説明図右側がフロント)

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(画像 ipforce.jp)

・No.23・・・エンジン

・No.31・・・GPF(ガソリンパティキュレートフィルタ)

・No.32・・・第1プリサイレンサー

・No.33・・・第2プリサイレンサー

・No.34・・・メインサイレンサー

このような構造にする理由として挙げられてるのはこちら。

運転席と助手席の間隔を狭めるなど重量物を出来る限り車両中心へ配置、代わりに比較的軽量な排気系部材を車体外側(サイドシル外側)へ配置する事で運動性能向上に寄与。

これまでチェックしてきたアルミ製スペースフレームはFRを想定しているにも関わらずセンタートンネルの幅がかなり狭い印象だったので「排気系やトランスミッションを両方搭載するスペースが無いのでは?」という疑問があったのですがまさが車体外側から排気系を通すとは・・・。

特許という事もあってかなり攻めた内容にも思えますが、今後ガソリンエンジンの排ガス対応で必須装備になる「GPF」を採用する事まで視野に入れてるのでかなり本格的な内容となっています。

正直サイドシル外側に排気系部材を通してる車ってあるのでしょうか・・・?

 

いつも通り”あくまで特許出願”ではありますが、アルミ製スペースフレーム採用のスポーツカーというかなり攻めた内容がここまで定期的に出てくるとやはり何か水面下で動いてるのでは・・・?という期待がどうしても高まってしまいます。

 

続いて後編ではそれ以外で気になる内容を取り上げていきます。

(2021.9.17:後編を公開しました)