つらつらとMAZDA

マツダに関する備忘録的ブログ。

2021年9月に出願公開されていた「アルミ製スペースフレームを採用したスポーツカーの排気構造」に関するマツダの特許が登録されました。

(画像 IP Force.jp)

2019年頃から定期的に公開されているアルミ製スペースフレームに関するマツダの特許ですが、今週は2021年9月に出願公開されていた内容が登録されています。

 

 

知財ポータルサイト

https://ipforce.jp/

〇特許情報プラットフォーム

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

 

 

今週新たに登録されたのは2021年9月に出願公開されていた「車両の側部車体構造」という題名の特許。

https://ipforce.jp/patent-jp-P_B1-7359043

(画像 IP Force.jp)

〇資料に記載されている特許の目的

車両には、排気装置を構成する排気系部材(例えば、排気処理用フィルタ、排気管或いはサイレンサなど)の少なくとも一部を、フロア下の車幅方向中央ではなくフロアよりも車幅方向外側(すなわち車両の車幅方向外側下部)に設けた構造が知られており、このような構成を採用する狙いとして、車体レイアウト性を確保するケースと、車体の運動性能を重視するケースとに大別される。

 

前者のケースとしては、例えば、ハイブリット車やレンジエクステンダー車のように内燃機関とモータを併用するシステムを採用した車両において、例えばフロア下に配設したバッテリを避けるために排気系部材をフロア下のバッテリよりも車幅方向外側に設けた車両が知られている。

後者のケースとしては、例えば、スポーツカーのように、車体の中心寄りに重量物を配置するために、車両の車幅方向外側下部に比較的軽量な排気系部材を配置した車両が知られており、車体の中心寄りに重量物を配置する一例としては、運転席と助手席とを、これらに着席した乗員の重心を下げたり、互いに隣り合う車幅方向の間隔を狭めたりすることが挙げられる。

 

しかしながら、比較的軽量な排気系部材をフロアの側方に有する車体構造体の外側にレイアウトした場合には、該排気系部材の幅相当分だけ車両の幅が広がるという弊害が生じる。

本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、排気装置(排気部材と排気管とのうち少なくとも一方)をフロアの側方に有する車体構造体の車幅方向外側に設けた場合においても、車両の拡幅を抑えることができる車両の側部車体構造の提供を目的とする。

こちらはアルミ製スペースフレームに関連する特許の中でも"排気構造"にフォーカスした内容ですが、排気経路が一般的な車体中央ではなく車体外側へ迂回する構造になっているのが大きな特徴です。

赤:エンジン緑:排気管青:サイレンサー (画像 IP Force.jp)

このような構造が検討される理由とし「ハイブリッドやレンジエクステンダー車でフロア下に搭載されているバッテリーを避ける」「スポーツカー等で重量物を出来る限り車体中央に配置して運動性能の向上」の2点が挙げられていますが、今回の特許は2ドアのスポーツカーが前提になっているので運動性能向上をより重視していると思われますね・・・。

 

 

ただ、先日もブログで取り上げましたが「MX-30 Rotary-EV(R-EV)」も同じ排気構造が採用されているので、今回取り上げた特許の知見が活かされてる可能性も十分有り得ます。

MX-30 Rotary-EVの排気経路も特許と同様に車体外側へ迂回。

さらに、昨年公開されたマツダの公式PVでも「ビジョンスタディモデル」の中身がアルミ製スペースフレームを思わせる車体構造でした。

中期経営計画のアップデートおよび2030年の経営方針について - YouTube

(画像 MAZDA)

今月下旬開幕のジャパンモビリティショーで世界初披露されるコンセプトカーもビジョンスタディモデルと強い関連性がありそうですが、今回の特許なども合わせて考えるとアルミ製スペースフレームと発電用ロータリーエンジンを採用したスポーツカーの可能性もゼロでは無い・・・?

左:ビジョンスタディモデル、右ジャパンモビリティショーで公開予定のコンセプトカー(画像 MAZDA)

 

様々な可能性が頭に浮かんできますが、ジャパンモビリティショーで今回の特許やアルミ製スペースフレームに関係する内容が出てくるのか注目したいと思います。

(妄想を膨らませすぎてる自覚はありますが・・・・(笑))