つらつらとMAZDA

マツダに関する備忘録的ブログ。

2021年に日本で出願公開していた「アルミ製スペースフレームを採用したスポーツカーの排気系」に関するマツダの特許が米国で登録されました。

(画像 IP Force.jp)

複数の内容が出願公開されているマツダの「アルミ製スペースフレームを採用したスポーツカー」に関する特許ですが、2021年に公開されていた排気系も含めた内容が一足先に米国で登録されていました。

 

 

「アルミ製スペースフレームを採用したスポーツカー」に関するマツダの特許出願はこれまで複数公開されていますが、その中で今回取り上げるのは2021年9月に日本で公開された特許出願の中の一件。

〇出願番号 2020-38729

(画像 IP Force.jp)

〇資料に記載されている特許の目的

排気装置を構成する排気系部材(例えば、排気処理用フィルタ、排気管或いはサイレンサなど)の少なくとも一部を、フロア下の車幅方向中央ではなくフロアよりも車幅方向外側(すなわち車両の車幅方向外側下部)に設けた構造が知られている。

車体の運動性能を重視してこのような構造を採用する例として、スポーツカーのように車体の中心寄りに重量物を配置するために、車両の車幅方向外側下部に比較的軽量な排気系部材を配置した車両が知られている。
しかしながら、比較的軽量な排気系部材をフロアの側方に有する車体構造体の外側にレイアウトした場合には、該排気系部材の幅相当分だけ車両の幅が広がるという弊害が生じる。

本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、排気装置(排気部材と排気管とのうち少なくとも一方)をフロアの側方に有する車体構造体の車幅方向外側に設けた場合においても、車両の拡幅を抑えることができる車両の側部車体構造の提供を目的とする。

こちらはアルミ製スペースフレームを採用したスポーツカーの"排気系"に関する特許出願でしたが、ポイントは「排気経路が車体中央ではなく車体右側(サイド)へ迂回している事」

(画像 IP Force.jp)

赤色・・・エンジン

No.31・・・GPF(ガソリンパティキュレートフィルタ)

No.32・・・第1プリサイレンサー

No.33・・・第2プリサイレンサー

水色・・・メインサイレンサー

このような構造を採用している理由としては「運転席/助手席を出来るだけ中央へ寄せる代わりに、比較的軽量な排気系部材を車体外側へ配置する事で運動性能の向上を実現させる」と資料に記載されています。

アルミ製スペースフレームだけでなく排気系統もレーシングカーを思わせるくらいに本格的な内容となっていますが、この内容が日本より先に米国で無事に登録されている事が明らかになりました。

 

 

〇米国特許商標庁(USPTO)

https://www.uspto.gov/

米国特許商標庁のデータベースを見ると・・・・。

(画像 USPTO)

1枚目の資料右上にある特許発行日(DATE PUBLISHED)を見ると2022年12月6日付でこの特許が登録されていますが、米国特許商標庁のデータベース上では今年10月にもアルミ製スペースフレームに関するマツダの特許が登録済み。

毎回触れているように"あくまで特許"なので必ず量産車へ反映されるわけではありませんが、関連特許が日本だけでなく海外でも出願・登録されているのを見ると期待はどうしても高まってしまいますね・・・・。

 

 

ちなみに、先月マツダから次世代スポーツカーを示唆していると思われる「ビジョンスタディモデル」が発表されましたが、同時公開された公式動画を見るとアルミ製スペースフレームの説明図に近い構造を想定している"匂わせ"も・・・(笑)

中期経営計画のアップデートおよび2030年の経営方針について - YouTube

(画像 MAZDA)

こちらも"あくまでコンセプトカー"ではありますが、公式動画でここまで披露される水面下では色々進んでいるのでは?という妄想も広がりますね・・・。

 

 

引き続きマツダの特許関連情報をチェックしつつ、次世代のスポーツカーが登場する事に期待したいところです。