今週新たに公開されたマツダが出願中の特許は10件。
その中から気になった内容を取り上げます。
まずは「車両用サスペンション装置」という題名の内容から。
特開2021-154892 | 知財ポータル「IP Force」











〇資料に記載されている特許の目的
この発明は、サスペンションとしての機能を損なうこと無く前後コンプライアンス確保とキャスター剛性確保とを両立できるとともに、段差乗り越え時のショックを緩和することができる車両用サスペンション装置を提供することを目的とする。
ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンションに関する内容ですが、ナックル形状を見るとこのブログで度々取り上げてきた「アルミ製スペースフレーム」に装備されていたフロントサスペンションと形状がほぼ同じです。
マツダの"あくまで出願公開" (2019 10 31) - つらつらとMAZDA
特開2019-151134 | 知財ポータル「IP Force」


これらの点からこの特許出願は「アルミ製スペースフレームを採用したスポーツカーのフロントサスペンション」に関係する可能性がありますね。
続いては「車両用冷却装置」という題名の内容が6件公開されているので、一部説明図をピックアップして紹介します。






〇資料に記載されている特許の目的。
本発明は、変速機オイルを早期に昇温させて駆動抵抗を低減させると共に、過度な温度上昇を抑制して変速機内の潤滑不良を抑制することができる車両用冷却装置を提供することを目的とする。
こちらは縦置きFRベースのハイブリッド車に関する内容ですが、モーターの位置は「エンジンとトランスミッションの間」と「エンジンと並列に配置」の2種類が想定されています。
ラージ群関連の公式資料ではプラグインハイブリッドのみエンジンとトランスミッションを組み合わせた画像が公開されていますが、こちらはエンジンとトランスミッションの間にモーターがあるのを確認出来ます。
一方、右側の48Vマイルドハイブリッド用トランスミッションも赤で囲った部分がモーターのようにも感じますが詳細は不明・・・
マイルドハイブリッドはガソリンとディーゼル2種類のアーキテクチャー画像が公開されているものの、エンジンとトランスミッションの間をしっかり確認できる画像がまだありません・・・。


プラグインハイブリッドは4気筒エンジンと組み合わせる事が有力視されているので、もし今回の特許通りに量産車へ反映されるとすると・・・。
直6エンジンのマイルドハイブリッドはモーターをエンジンと並列搭載。
プラグインハイブリッドは直6エンジンから2気筒分少なくなったスペースを活用してエンジンとトランスミッションの間にモーターを搭載。
こんな構成になるかもしれませんね・・・。
あと、今回の特許では「手動変速機(=MT)」も視野に入っているのは嬉しいポイント。
マツダはラージ商品群のSUV4車種の一部詳細を明らかにしましたが、欧州市場を考えるとMTの必要性はまだまだある予感も・・・。
SUVだけで無く次期MAZDA6(後継モデル?)なども含めるとよりMTの需要が高まる可能性もあると思うのでラージ商品群にもMTが設定されると嬉しいですね。
今週気になった内容は以上となります。
来週以降も気になった内容を取り上げていきたいと思います。