つらつらとMAZDA

マツダに関する備忘録的ブログ。

今週新たに公開されたマツダが出願中の特許(2022.1.17 後編:パノラマサンルーフや直6エンジン関係などの内容)

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(画像 J-PlatPat)

1月17日に公開されたマツダが出願中の特許はまず「前編」でロータリーエンジン関連の内容を取り上げましたが、続いて「後編」ではそれ以外で気になる内容を取り上げていきます。

 

(「前編」はこちら)

 

後編の最初は欧州で一足先に公開されていた「2ドア化されたMAZDA3ファストバックの説明図が描かれていた特許」が日本でも公開されたので改めて紹介。

(欧州で公開された特許出願をとりあげたブログ)

〇出願番号2020113840

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(画像 J-PlatPat)

〇資料に記載されている特許の目的

(従来の)車体構造では、ルーフパネルの車幅方向両側端部のフランジをルーフサイドレール側のブラケットに上方から重ね合わせて溶接することによってルーフサイドレールの強固な固定を実現している。この構造では、ルーフパネル本体とフランジとの間に段差部が設けられているので、フランジとブラケットとの溶接部分は外部から見えにくくなっているが、ルーフパネルの車幅方向両側に段差部が存在することによって、車体のデザイン性の向上が難しいという問題がある。

本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、ルーフパネルとルーフサイドレールとの強固な固定と車体のデザイン性の向上との両立が可能な車体構造を提供することを目的とする。

欧州でこの特許が公開された時には「2ドア(3ドア)のMAZDA3ファストバックが登場⁉」という感じで大きな反響がありましたが、資料を見る限りだと車体構造とデザイン性の両立が主たる目的のようです。

CFRP製のフレーム採用なども視野に入っているので現実的に考えるとMAZDA3ファストバックのバリエーションが増える可能性は低そうですが、別の形で2ドア車が登場する事を期待したいですね。

 

続いては「パノラマサンルーフ」に関する内容を2件紹介。

〇1件目(出願番号2020114227)

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(画像 J-PlatPat)

〇資料に記載されている特許の目的

 本発明の目的は、室内快適性と上部車体剛性を両立可能な車両の上部車体構造等を提供することである。

 

〇2件目(出願番号2020114228)

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(画像 J-PlatPat)

〇資料に記載されている特許の目的

本発明の目的は、室内快適性と側突安全性とを両立可能な車両の上部車体構造等を提供することである。

パノラマサンルーフはすでに北米向け新型SUV「CX-50」がマツダ車初採用となるのが確定していますが、今後出てくるラージ商品群SUVでも設定される可能性が高そうですね・・・。

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(画像 MAZDA USA)

 

続いては「直6エンジン」に関する内容を2件紹介。

〇1件目「インタークーラーの支持構造(出願番号2020113997)」

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(画像 J-PlatPat)

〇資料に記載されている特許の目的

この発明は、車両前突時にブラケットに下向きの力が作用した時、ブラケットのインタクーラ側を破断させて、ブラケットの下方に配置された燃料供給装置との干渉を防止し、燃料漏れを阻止することができるインタクーラの支持構造の提供を目的とする。

 

〇2件目「多気筒エンジンの排気装置(出願番号2020113721)」

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(画像 J-PlatPat)

〇資料に記載されている特許の目的

  排気浄化部内の触媒を早期活性化させるためには、エンジンからの排気の温度の低下を抑制するためにエンジンの排気ポートに出来るだけ近づけて排気浄化部をレイアウトする必要がある。

しかし、従来の排気マニホールドの構造では、排気干渉の抑制のために排気ポートと排気ガスの集合部との距離を確保するなどの理由により、排気浄化部を排気ポートに近づけることが難しく、排気温度の低下を抑制して排気ガスの浄化性能の促進が難しい。

本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、排気ガスの浄化性能の促進が可能な多気筒エンジンの排気装置を提供することを目的とする。

マツダの特許ではすっかりお馴染みとなった直6エンジン関係の内容ですが、今回もディーゼルとガソリンそれぞれ一つずつ公開。

直6ガソリンエンジンはGPFに加えて減筒運転(=気筒休止)システムの採用も視野に入れてるようです。

現時点でマツダが導入予定と公表している直6ガソリンエンジンは「SKYACTIV-X」「SKYACTIV-G ターボ」ですが、どちらにも気筒休止が採用されるのか気になるところですね・・・。

 

最後は個人的に「マツダらしいなぁ・・・」と感じたこちらの内容を・・・。

「変速機システム(出願番号2020112293)」

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(画像 J-PlatPat)

〇資料に記載されている特許の目的

車両の運転中に、走行状態やエンジン回転数に応じて適切なギア段を選択して変速機を切り替え、車両を自在に操ることは運転者の楽しみの一つである。

例えば、高速段での走行中に交差点を左折し、左折後スムーズに加速を行うためには、変速機を予め低速側に切り替えておく必要がある。即ち、マニュアルトランスミッションの車両では、運転者は、ブレーキペダルをつま先で踏みながら、クラッチを切り、かかとでアクセルペダルを踏むことでエンジン回転数を上げ、変速機を低速側に切り替えた後、クラッチを接続する。これにより、エンジン回転数と変速機の回転数が適合するため、スムーズにシフトダウンすることができると共に、左折後の速やかな加速が可能になる。このような運転技術は「ヒールアンドトゥ」と呼ばれ、熟練した運転者により行われている。

マニュアルトランスミッションの車両を運転する運転者は、「ヒールアンドトゥ」のような様々な運転技術を習得しながら車両を自在に操ることができるようになり、これが運転の楽しみになっている。これに対して、自動変速機を搭載した車両では、マニュアルモードに設定した場合でも、上記のような運転技術は不要であり、運転が容易である反面、運転者は運転の楽しさを感じることができないという問題がある。

 従って、本発明は、自動変速式の変速機であっても、運転者が運転の楽しさを感じることができる変速機システムを提供することを目的としている。

スポーツモードスイッチを搭載した車自体は他メーカーでもありますが、こちらはさらにエンジン回転数合わせモードスイッチまで視野に入れてるのが特徴。

特許の目的に堂々と"ヒールアンドトゥ"というフレーズが書かれているのが個人的に「マツダらしいなぁ・・・」と感じてしまいました(笑)

ATでエンジン回転数を合わせる制御自体は他メーカーでも採用例がありますが、エンジン回転数合わせにモードまで用意してる車は現在あるのでしょうか・・・?

少し前までのマツダはあまりドライブモードスイッチを搭載しない方向性に感じていましたが、最近はCX-5商品改良モデルで "Field Journey"にオフロードモードを導入したり、"Sports Appearance"のみエンジンとシフトのつながりをより機敏にする制御を採用しているのでATの電子制御を積極的に行ってる印象を受けます。

個人的にMT車を引き続きラインナップして欲しいところですが、ATの制御もどのように進化していくのか気になるところです。

 

前編・後編に分けて取り上げてきましたが今回気になった内容は以上となります。

今週は木曜日頃にも情報が更新される可能性があるのでこちらでも気になる内容があれば紹介したいと思います。