長い間待ちわびていたマツダのラージ商品群第一弾モデル「CX-60」がついに欧州で正式発表されました!
早速発表された内容を詳しくチェックしていきたいと思います。
(2022.3.9 AM:11:30、編集完了しました)
(一例)
○英国マツダ
CX-60のデザインコンセプトは「Noble Toughness(ノーブルタフネス)」
〇エクステリア
○ロジウムホワイトプレミアムメタリック
○ソウルレッドクリスタルメタリック
○マシーングレープレミアムメタリック
・ティザー第3弾で公表されていたロジウムホワイトメタリックの正式名称は「Rhodium White PremiumMetallic(ロジウムホワイト"プレミアム"メタリック)」でソウルレッドクリスタルメタリック・マシーングレープレミアムメタリックに続く"匠塗"第3弾。
・ロジウムホワイトメプレミアムメタリックは禅宗の"無"からインスピレーションを得た色。
〇設定されるボディカラー(欧州仕様)
・ロジウムホワイトプレミアムメタリック
・ソウルレッドクリスタルメタリック
・マシーングレープレミアムメタリック
・ジェットブラックマイカ
・ソニックシルバーメタリック
・ディープクリスタルブルーマイカ
・プラチナクォーツメタリック
・アークティックホワイト
〇タイヤ・ホイール
「18インチ」と「20インチ」を設定(ホイールデザインやカラーは記事後半で取り上げているドイツ仕様のグレード紹介参照)
・タイヤ・ホイールのサイズ
18インチ・・・235/60 R18 18インチ7.5J
20インチ・・・235/50 R20 20インチ7.5J
公式画像を見ると、ロジウムホワイトプレミアムメタリックの車両には「GOODYEAR EAGLE F1」、ソウルレッドクリスタルメタリックの車両には「BRIDGESTONE製」が装着されています。
〇車両のサイズに関するスペック(カッコ内はCX-5との差)
全長・・・・4,745mm(+170mm)
全幅・・・・1,890mm(+45mm)
全高・・・・1,680mm(-10mm)
ホイールベース・・・・2,870mm(+170mm)
最少回転半径・・・・5.4m(CX-5は5.5m)
最低地上高(18/20インチ)・・・・170/175mm(-40mm)
〇インテリア
・メープルウッドの本杢目パネルは日本の美意識である"Hacho(波長)"を反映。
・インパネには日本の縫製技術「かけ縫い」を採用、生地と生地の間に空間が生まれて透けているように見える。
・ドアトリムに内装の色や質感を引き立てるアンビエントライト採用(ホワイト)
(autogefuehlの動画)
First-ever Mazda CX-60 with 6-cyl or PHEV = the Japanese BMW? (CX-70 in the US) - YouTube
・フル液晶型メーター
(The car crash reviewの動画)
・既存のマツダ車より大型化されたヘッドアップディスプレイ
・マツダコネクト用ディスプレイは「12.3インチ」
・車内に装備されるUSBポートは全て「Type-C」に。
・ステアリング調整幅は「チルト:45mm」「テレスコピック:70mm」で電動調整式。
(autoevolutionの記事)
〇新機能「DRIVER PERSONALISATION SYSTEM(ドライバー・パーソナライゼーション・システム)」
①:ドライバーモニタリング用カメラでドライバーの目を検出して身長や体格を推測、それを基にシート、ステアリング、ヘッドアップディスプレイ、ドアミラーを自動調整。
②:顔認識システムでドライビングポジション、オーディオ、エアコンなど250以上の調整・設定情報を車両に保存、ドライバーが交代した際に、一人ひとりの設定を素早く自動的に復元する。
③:ステアリングホイールとシートをスライドさせて、ドライバーの乗降を容易にする。
〇キャビンスペースやラゲッジルーム関連のサイズ。
・パノラマサンルーフ・・・「1.060mm×995mm」
・ショルダールーム・・・「フロント:1,504mm」「リア:1,441mm」
・ラゲッジルーム容量は「570リッター(床下収納含む)」、リアシートを倒すと「1,148リッター」
・リアシートは4:2:4分割可倒式。
・テールゲート開口部は「幅1,082mm×高さ758mm」で幅はCX-5より35mm広い。
※プラグインハイブリッド車はスペアタイヤではなくパンク修理キットになる可能性あり。
〇マツダコネクトやオーディオ関連
・ワイヤレスAppleCarPlay・ワイヤレスAndroidAuto装備
・車内に装備されるUSBポートは全て「Type-C」に。
・ワイヤレス充電(Qi)とシガーソケットはセンターコンソール奥に装備される模様。
・標準オーディオ(Mazda Harmonic Acoustics system)用システムアンプは6年の歳月をかけて開発。
・センターキャップ下のスピーカーにセカンドコーンを追加し、中高音域を拡大するとともに、高音域を再生するツイーターとの音のつながりをさらに向上。
・12スピーカー構成
・インストルメントパネル中央に「80mmのツイードラー」
・左右のドアミラーマウント部に「25mmネオジムツイーター」
・左右のフロント足元に「エンクロージャー化した115mm高反発ネオジムウーファー」
・各ドアトリムに「80mmネオジム製ミッド/ハイレンジスピーカー」
・Cピラーに「65mmサラウンドスピーカー」
〇CX-60のオーディオに採用された新技術「MSR NR(Master Sound Revive Noise Reduction)」
純正カーオーディオで初めてCDなどのデジタル音源に含まれるショットノイズを除去。
※標準オーディオ(Mazda Harmonic Acoustics system)のみの可能性もあり。
〇エンジン
①「直列4気筒 2.5 "e-SKYACTIV PHEV"」
(SKYACTIV-G 2.5+プラグインハイブリッド)
・エンジンは「"改良型"SKYACTIV-G 2.5」で最も使用頻度の高い中低速域(1,500〜3,000rpm)でのトルクを向上させるために吸気系をチューニング。
・100kWの大型電気モーター
・355V・17.8kWhの大容量リチウムイオン電池
・通常のAC充電(220〜240V電源対応)の場合、空の状態から4時間で満充電が可能。
〇スペック
・最高出力:327PS/241kW(システム合計)、トルク:500Nm
・0-100km/h加速は5.8秒
・総合燃費は「1.5~1.6L/100km(WLTP)」(リッター燃費で約66~62.5km)※1
・CO2排出量は「33〜37g/km(WLTP)」※1
※1:数値は装着ホイールのサイズに変わる。
②「直列6気筒 "3.0L e-SKYACTIV X"」
・48Vマイルドハイブリッドで正式名称は「M HYBRYD BOOST」
・すでに導入されている4気筒版e-Skyactiv Xで培った精密燃焼制御技術をさらに進化させ、SKYACTIV発表時から提唱してきた"ライトサイジング"の方向性に対応。
・ライトサイジングした事でターボチャージャーを使わずにより多くの空気をエンジンに送り込むことができるようになった事からよりシンプルな構造に。
・可変バルブタイミングと内部EGR制御でより低空燃比燃焼に加えて滑らかな加速と心地よいエンジンサウンドも実現。
・希薄燃焼技術の向上により、4気筒版e-Skyactiv Xと同等の燃費を達成。
(スペックはまだ未公表)
③「直列6気筒 "3.3L e-SKYACTIV D"」
・48Vマイルドハイブリッド「M HYBRYD BOOST」
・"ライトサイジング"の考え方を基にエンジン容量を2.2Lから3.3Lに拡大するとともに、リーンバーン(高効率燃焼・低燃費)可能な回転域を増加させたのが特徴。
・ピストンボウルの中で空燃比を2分割する卵型燃焼室の採用により、未燃焼物の少ない希薄燃焼領域を拡大。
・高速かつ高精度な燃料噴射を可能にした高圧燃料供給技術により、エンジン回転数に関わらず、燃焼中に余剰空気をすべて使用することを可能に。
・構造を簡素化する事で既存の4気筒SKYACTIV-D 2.2と同等の重量を実現しており、高出力でありながらハンドリングバランスの違いを抑えている。
(スペックはまだ未公表)
・トルクコンバーター式トランスミッションと同様に遊星歯車と多板クラッチで変速するが、入力クラッチに油圧コンバーターを使用せず多板クラッチとモーター/ジェネレーターを一体化。
・トランスミッションの小型化とレイアウトの最適化によってセンタートンネルを小型化、ペダルレイアウトへの影響を最小限に抑えて理想的なドライビングポジションを実現。
〇ギア比
・1速:5.258
・2速:3.303
・3速:2.129
・4速:1.705
・5速:1.300
・6速:1.000
・7速:0.822
・8速:0.628
・リバース:4.034
・ファイナルギア:4.444
〇AWDシステム
・電子制御多板クラッチを用いた全輪駆動システムを採用。
・CX-60のAWDのコンセプトは後輪駆動のニュートラルなコーナリング性能を維持しながら、AWDの安定性をバランスさせたフルタイムAWDシステム。
・プラグインハイブリッド車は、AWDシステムが回生協調ブレーキと連動して前後輪の回生配分を最適化し、減速時に4輪からより多くのエネルギーを回収することが可能。
・トレーラーなどの牽引能力は「2,500kg」
〇Mi-Drive
・Mi-Driveのモードは「ノーマル」「スポーツ」「オフロード」「トーイング(牽引)」「EV走行(プラグインハイブリッドのみ)」
〇ボディ構造
・縦置きレイアウトを活かしフロントフレーム断面を拡大・強化することで、ボディ構造の剛性を向上。
・プラグインハイブリッド車は高電圧バッテリーをフロントアクスルとリアアクスルの間に配置、さらにボディシェル内のできるだけ低い位置に配置することで低重心化を実現。
・シャフトドライブによる軸間トルク伝達を採用した「FWD(Permanent Wheel Drive)」システムにより、プレミアムセグメント車に匹敵する優れたハンドリング特性を実現。
〇シート
・クッションのバネを従来の3本から4本に増やし、骨盤の後方転倒を防ぐなどシートの身体支持性をさらに向上。
・シートバックのサスペンションメッシュをプレートに変更し、胸部のヨー回転を抑制するとともに、シートマウントの剛性を向上させてより高いサポート性を実現。
・シートのウレタン部材は樹脂フレームの弾力性をそのままにクッションセルへの樹脂コーティングを調整し、減衰力と弾力性のバランスを最適化。
・乗り心地の向上だけでなく後輪からの力の伝達が速くなり、ドライバーは車両との一体感を感じながらよりリズミカルなドライビングフィールを楽しむことが可能。
・これらのコンセプトはフロント・リア両方のシートに採用されている。
〇サスペンション
・「フロント:ダブルウィッシュボーン」「リア:マルチリンク」
・4輪サスペンション上部にアルミダイカスト採用。
・外側のリアサスペンションリンクをゴムブッシュから金属ボールジョイントに変更することで剛性を高め、リアタイヤからの力をよりダイレクトに車体に伝える構造に。
・ロードスターに続いて「Kinematic Posture Control (KPC)」採用。
・ブレーキディスク径は「フロント:347mm」「リア:328mm」
〇ステアリング
〇CX-60で新たに採用された安全に関する新機能や仕様。
こちらは追って別の記事にまとめました。
ちなみに、CX-60から導入予定と公表されていた新しい先進安全技術「Mazda Co-Pilot Concept(マツダ・コ・パイロット・コンセプト)」は当面日本市場のみと案内が出ています。
〇欧州仕様のグレード構成
(一例としてドイツ仕様のプラグインハイブリッド車を紹介)
①「Prime-line(ベースグレード)」
47,390 ユーロ(日本円換算で約599万円)
〇エクステリア
・横長のブロックメッシュを採用したブラック塗装フロントグリル
・フルLEDランプ
・プライバシーガラス(?)
・18インチアルミホイール(グレーメタリック塗装)
〇インテリア
・チタンアクセントが入ったブラックカラーのファブリック内装
・本革巻きステアリング、シフトノブ
・デュアルゾーン式オートエアコン
・マツダコネクト用12.3インチディスプレイ(タッチスクリーンの可能性あり)
・8スピーカー
・ワイヤレスAppleCarPlay、ワイヤレスAndroidAuto
・ナビゲーション
②「Exclusive-line」
49,090 ユーロ(日本円換算で約621万円)
(Prime-lineからグレードアップする装備)
〇エクステリア
・縦長のブロックメッシュ型フロントグリル(ピアノブラック塗装)
・ドアBピラーがピアノブラックに。
・アルミホイールが「20インチ(シルバーメタリック塗装)」に。
・シグネチャーイルミネーション(フロント/リア)
・スマートキーレスエントリー
・ワイパーデアイシング
〇インテリア
・ダッシュボードはコードバーンルックの合成皮革。
・シートはブラックの合成皮革でチタンカラーのステッチ
・ヘッドアップディスプレイ
・シートヒーター(フロント)
・ステアリングヒーター
・8Way電動パワーシート(運転席)
・イルミネーション(フットランプ・グローブボックス)
・「DRIVER PERSONALISATION SYSTEM」
③「Takumi」
58,890 ユーロ(日本円換算で約744万円)
(Exclusive-lineからグレードアップする装備)
〇エクステリア
・専用デザインのフロントバンパー
・ブライトメタル仕上げのシグネチャーウイング
・20インチアルミホイールが「ブラック×切削加工」に。
〇インテリア
・メープルウッドの本杢目パネル
・リア用ウェルカムランプ
・ステアリングが「ホワイトステッチ仕様に」
・電動チルト・テレスコピック
④「Homura」
57,390 ユーロ(日本円換算で約725万円)
〇エクステリア
・横長のブロックメッシュを採用したピアノブラック塗装フロントグリル
・シグネチャーウイング・フェンダーエンブレム・ドアミラーがブラック塗装に。
・エキゾーストガーニッシュ
・20インチアルミホイールがブラックメタリック塗装に。
〇インテリア
Exclusive-lineと同等の内容に加えて「リア用ウェルカムランプ」と「電動チルト・テレスコピック」も装備。
現時点で確認出来る主な内容は以上となります。
見どころが多すぎて凄い事になっていますが、個人的に注目したいのはパワートレイン。
元々SKYACTIVのエンジンは「アップサイジング(ライトサイジング)」をコンセプトに排気量をある程度上げる方向性を示してきたので、2つの直6エンジンはそのコンセプトを最もストレートに味わえる気がしてかなり楽しみになっています。
さらに構造をシンプルにする事で軽量化とハンドリング向上にも寄与してるのはさすがマツダという感じでしょうか・・・♪
そして、マツダ独自開発の8速ATはこれまでチェックしてきた特許情報通り「トルクコンバーター無し」で登場したので長い間情報をチェックしてきた甲斐がありました(笑)
(一例)
SKYACTIVの方向性を最もストレートに味わえそうな直6エンジンと独自開発の8速ATを組み合わせたラージ商品群でどのようなドライビング体験を味わえるのか楽しみでなりません。
まだまだ情報がこれから出てくると思うので引き続き取り上げていきたいと思います。
マツダの皆様、大変な状況が続いてきた中でまずはCX-60正式発表おめでとうございます♪