3年ぶりに開催された「マツダファンフェスタ」ですが、気になる内容がたくさんあったので土曜日に行ってきました。
「マツダファンフェスタ2022」は11月5日・6日に岡山国際サーキットで開催。
3年ぶりの開催という事に加えて気になる内容も多かったので土曜日に行ってきました。
おはようございます…♪ pic.twitter.com/ITLgzSkRVL
— taku2 (@taku2_4885) 2022年11月5日
今回も見どころがたくさんありましたが、特に気になった展示やコンテンツをピックアップして紹介したいと思います。
①:MAZDA SPIRIT RACINGの新しいスーパー耐久用マシン「MAZDA3 Bio Concept」が初披露。
マツダは今年3月のスーパー耐久シリーズ開幕戦に行われた記者会見の場で「シリーズ後半戦に向けて300馬力の2.2リッターディーゼルを投入する」と丸本社長自らサプライズ発表。
このエンジンを搭載したマシンと思われる「MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio Concept」が4月のAUTOMOBILE COUNCIL 2022で発表される予定でしたが、急遽中止に・・・。
その後は中々続報が出てきていませんでしたが、マツダファンフェスタ2022でついに初公開されました!
まずは実車の写真を・・・。
〇足回り
・タイヤサイズ:260/660 R18(フロント・リア)
・ホイール:RAYS VOLKRACING(TE37 SAGA S-PLUS?)
・ブレーキ:brembo製キャリパー(フロント)、ENDLESS製パッド(リア)
〇リアウイング
4月にティザー画像が公開されてから半年以上待ってようやくご対面・・・。
MAZDA3ファストバックをベースにトレッドを拡大してバイオディーゼル仕様のSKYACTIV-D 2.2を搭載した内容となっていますが、4月に公開されていたティザー画像とは一部仕様が異なります。
黄色⇒リアウイングが小型になってステー取付位置も変更。
赤色⇒TCRと同じ形状に見えたオーバーフェンダーの形状が変化。
青色⇒10本スポークだったホイールが6本スポークに。
ティザー画像とは細かな部分が変わっているので、発表が一旦延期になったのはこのあたりも関係してるかもしれませんね・・・。
まだ詳細なスペック等は正式発表されていませんが、すぐそばにいらしゃった開発担当者さんへいくつか質問してみました。
Q1:TCRと同じエアロが採用されると思っていたのですが、別のボディキットになった理由は何ですか?
Q2:マツダのレース用SKYACTIV-D 2.2は北米マツダが走らせていた「MAZDA6 GX」「LMP2 SKYACTIV-D」という実績がありますが、あの時の技術やノウハウが今回活かされてますか?
A:同じSKYACTIV-D 2.2でもエンジンの世代や中身は全く別ですが、開発メンバーには「MAZDA6 GX」「LMP2 SKYACTIV-D」用の開発に関わっていた者も含まれています。
もちろん現在パワートレイン開発TOPの中井(中井英二さん)も開発をチェックしています。
Q3:駆動方式は?
A:FFです。
もちろんAWDも検討しましたが「まずはFFでどこまでやれるのか?」という事から決まりました。
Q4:SKYACTIV-D 2.2を搭載したMAZDA3の市販化を望む声も増えてくると思いますが?
A:先代モデル(3代目アクセラ)には実際にSKYACTIV-D 2.2搭載車があったのでハイスペックなMAZDA3を望む声が多い事はマツダも十分承知しています。
MAZDA3 Bio conceptはバイオディーゼルの実証実験という目的がありますが、やはり"お客様に楽しんでもらうのが第一"と思っています。
個人的にはこのマシンをきっかけに市販化の声を盛り上げたいという気持ちもあるので是非応援してください。
市販に関しては質問に答えてくださった開発担当者さんの個人的な考えという可能性もありますが、ハイスペックなMAZDA3の要望が多い事は承知しているとの事なので、まずはスーパー耐久での活躍を応援したいところですね。
気になるデビュー時期はまだ調整中との事ですが、今年のシーズン最終戦(鈴鹿)が目標という報道も以前出ていたので続報に注目です
②:レストアされた「MAZDA 737C」と初対面。
今年のマツダファンフェスタでもヘリテージレーシングマシンが展示されていますが、その中でも「MAZDA 737C」の実車は初めて見ます。
「MAZDA 737C」は1985年のル・マン24時間レースに出場したマシンで、今回展示されてるのは85号車(737C-001)
この車両はル・マン参戦後に複数のオーナーによって保管されていたようですが、2021年に現在のオーナーさんによってレストアが行われました。
マツダのル・マン参戦マシンで実際に見たことがあるのは「787B」「767B」くらいだったので、グループCジュニア/C2クラス時代のマシンはかなり新鮮。
717C~737Cはヘッドライト形状のおかげでレーシングカーなのにどこか愛嬌のある顔ですね(717Cは"そら豆"とも呼ばれてましたね・・・)
あと運転席の上に四角い出っ張りはヘッドレストで取り外しも可能らしいです。
今回のファンフェスタでは展示のみでしたが、MZRacingさんの記事によると実際に走らせる事も目標になってるようなので、いつか走ってるところも見てみたいですね。
ちなみに、もう一台の737C(86号車)はオランダの博物館に展示されています。
③:CLASSIC MAZDA「FD RX-7レストア展示」
イベントコンテンツ情報をブログで取り上げた時にかなり大きな反響があった「FD RX-7レストア展示」
実は情報解禁当初は"レストアプログラム開始予定"と案内されていましたが、いつの間にか"レストアプログラムの検討を開始"と説明文が変わっていました(笑)
そんな気になる点もありますが、展示スペースにはレストア途中のボディや純正部品が展示されていました。
僕が行った土曜日は「下地処理終了状態」、日曜日は「ボディカラー(おそらくチタニウムグレーメタリック)を塗装した状態」のボディを展示。
この状態のFDを見る機会はめったに無いので貴重な機会です(笑)
ここでもCLASSIC MAZDA担当の社員さんに少し質問・・・・。
Q1:現状はどこまでプログラムが進んでいますか?
A:純正部品の復刻は以前から少しずつ進めているが、レストアプログラムに関してはまだトライアル車2台で検証している段階です。
さらにNAロードスターのレストアプログラムも順番を待ってるオーナーさんがまだまだ多くいらっしゃるので、今の規模のままだとそちらとの兼ね合いも考えないといけないです。
なので、マツダが認証した専門ショップでもレストアを受けれるような方法も考えたりしていますが、板金や塗装まで全て自社内で行うショップさんは中々無いので実現のハードルは高いですね・・・。
Q2:FDは1型~6型までに加えてそれぞれ仕様もたくさんありますが、レストアプログラムを実施する場合は全て対応しますか?
A:まだ検証段階なので何とも言えませんが、まずは後期型(5型・6型)が対象になってくるかもしれません。
特にエンジンは後期型が最も高性能なので・・・。
Q3:現時点で想定されるレストアプログラムの価格は?
A:まだまだ検証段階ですが、プログラムを実施する場合の価格は部品点数や専用部品の多さからほぼ確実にNAロードスターより高くなると思います。
※:NAロードスターレストアは基本メニューが2,547,000円~、全てのオプションを選んだフルレストアが4,942,000円~
Q4:復刻へのハードルが高い純正部品はありますか?
A:やはりマツダ内製ではなくサプライヤーさんが製造・供給してる部品です。
純正部品復刻に関する反応はサプライヤーによって異なるので・・・。
逆にロータリーエンジン自体は今も製造しているのでそれほど不安はありません。
あと、特別仕様車等の専用パーツも部品メーカー次第ですね。
例えば「スピリットR "TypeA"」をレストアするとして専用のレカロ製バケットシートが傷んでた場合は新品交換ではなく張り替えという方法もあると思います。
NAロードスターのレストアプログラムでも内装の張替えを行っているので。
これ以外にもかなり細かく説明していただきましたが、製造終了から長期間経過した車両のレストアサービスや部品復刻を自動車メーカー自ら行う事は想像以上にハードルが高い事を実感しましたね・・・。
冗談抜きにマツダの企業規模を考えると相当頑張ってくれてる・・・。
他メーカーで同じような業務を担当されてる方から問い合わせが来ることも多いそうですが、マツダの場合は元々取引しているサプライヤーさんの多くが中国地方を拠点にしていて、ロードスターやロータリーへの思い入れが強い関係者も多いので本当に恵まれてるとお話しされてました。
RX-7のレストアプログラム実現はまだまだ課題があるようですが、まずは「新品の純正部品をマツダから購入する」という事が応援に繋がっていくと思います。
④:CX-60 Biofuel Vehicleの展示。
FD RX-7レストアの隣で行われていたのが「CX-60 Biofuel Vehicle展示」
マツダはすでにCX-5のバイオディーゼル仕様で公道実証試験を実施していますが、CX-60でもバイオディーゼル仕様が登場しました。
こちらの車両は直6 SKYACTIV-D 3.3搭載車で、外観から分かると思いますがマイルドハイブリッド無しモデルとなります。
バイオフューエル仕様と紹介しましたが、CX-60に搭載されている直6 SKYACTIV-D 3.3は最初からバイオディーゼルを想定して開発されているので実際は外観のリバリーデザイン以外フルノーマルとの事。
(CX-5に搭載されているSKYACTIV-D 2.2でバイオディーゼルを使用する場合は微調整の必要あり)
アルミホイールが18インチのシルバーメタリック仕様なので、この車両は直6 SKYACTIV-D 3.3搭載車のベースグレード「XD」となります。
XDの実車は初めてなので、内装も簡単に紹介。
ファブリックシートを中心に樹脂製のインパネデコレーションパネルや蓋が無いカップホルダーという事から見た目はシンプルになりますが、本革巻きステアリングやシルバーのベゼルは装備されているので、ベースグレードと考えれば十分質感は備わってるように思います。
さらに後から気づきましたが、この車両はXDなのでマツダコネクト用ディスプレイが"10.25インチ"でした。
XDはCX-60国内仕様の中で唯一12.3インチへサイズアップ出来ないグレードなので、想像以上に貴重かもしれません。
CX-5のバイオディーゼル車と同様にマツダ本社前駐車場などで見かける機会が出てくるかもしれないので、チャンスがあれば一度チェックしてみてください(笑)
⑤CX-60のモデルカーがサプライズで先行発売。
会場内にはマツダオフィシャルグッズショップもありましたが、そこで発見したのが「CX-60のモデルカー」
マツダオフィシャルグッズ"MAZDA COLLECTION"では毎月モデルカーがリリースされていますが、これに関してはサプライズ公開でした。
今回モデル化されるのは「Premium Sports」「Premium Modern」の2グレード。
元々MAZDA COLLECTIONで販売されるモデルカーはかなり再現度が高いですが、今回のCX-60はさらに「Premium Sportsのシートに施されているキルティング」や「Premium Modernのインパネに施されているかけ縫い」まで再現されているのがスゴイ・・・。
会場にはMAZDA COLLECTIONのモデルカーを担当されている社員さんがいらっしゃったので話を聞いてみると、CX-60のモデルカーは通常の商品より台座が大きいのに加えてピアノブラック仕様になっているのがポイントとの事(これまで同じ台座が使用されたのは"RX-VISION"と"VISION COUPE"のモデルカーのみ)
さらにPremiumSportsとPremiumModernでホイールの金型を別にしたという凄いコダワリも・・・。
マツダファンフェスタで先行販売されたのは「ソウルレッドクリスタルメタリック」と「ロジウムホワイトプレミアムメタリック」の2色ですが、社員さんによると残り5色のボディカラーも後ほど販売予定との事。
今後の販売開始時期はまだ未定のようですが、マツダオフィシャルグッズ公式ページでもいずれ案内が出てくると思うので気になる方は是非チェックを。
あと、写真を撮り忘れてしまいましたがMAZDA SPIRIT RACINGのオフィシャルグッズも販売開始しています。
MAZDA SPIRIT RACING COLLECTION
こちらもかなり人気を集めているようで、特にジャケットはオンラインショップでもすでに売り切れています。
これからさらにラインナップが増える可能性もあるのでMAZDA COLLECTIONと合わせて注目したいですね。
あと、イベント終盤にはマッドマイクによるドリフト走行も!
先導車のロードスターをドリフトしながら煽っている瞬間(笑)
今年のマツダファンフェスタで4ローターサウンドを体感できるのはこのコンテンツだけなので、タイヤの匂いと合わせてしっかり味わってきました♪
あと、マッドマイクは以前から開発していたパイクスピーク参戦用のMAZDA3を世界初披露。
以前から出ている情報通りMAZDA3をFR化して1000馬力以上の4ローターエンジンが搭載されています。
僕が行った土曜日はベールがかかったまま置かれていたので見てみたかった・・・。
来年のマツダファンフェスタでのデモ走行に期待しておきます(笑)
これまで紹介した以外にも多くのコンテンツがありましたが、どこも中身が濃すぎてとても一日では全てチェックしきれませんでした・・・。
さらにマツダ公式YouTubeでは日曜日に会場からLIVE中継が行われていましたが、土曜日には無かったコンテンツもあるので理想は土日両方いく事でしょうか?(笑)
久しぶりにマツダファンフェスタへ行ってきましたが、長い間昔のレーシングカーが話題の中心だった状態の中、今年はMAZDA SPIRIT RACINGの本格始動とMAZDA3 Bio conceptの発表があったのでこれからのマツダモータースポーツに関する話題で盛り上がったのは嬉しい限りでした。
トークライブでも前田育男さんが「ル・マン優勝から30年も経過した」事に触れてましたからね・・・。
来年のマツダファンフェスタもおそらくほぼ同時期に開催されると思いますが、マツダが好きな人は是非一度行ってみる事をオススメします。
あと、マツダファンフェスタで撮った写真が他にも少しあるのですが、それはまた改めてInstagramに投稿していきたいと思います。